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変換なしの雑食夢

ran

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日月 終

「姫様ぁ。風邪振り返してしまいますよ」
「あら、ありがとう」
「琴ですか?」
「ええ。久し振りに」
「私聞いたことないんです」
「では貴方の一番は私の琴音なのね。」




そう言って笑うとゆき殿は嬉しそうに横に座る。ふふふと笑って爪をつけていくと不思議そうに見てくる。それすら可愛い
弾き始めるとそわそわした顔が輝く様な驚いたような…可愛らしい顔になる。刑部殿もそこにやられたのかもしれない。




「琴の音」
「のようだ」



がさりという音が聞こえて庭先に目をやると稽古帰りの治部殿と島殿。それに刑部殿が出てくる。


「ぎゃ!」
「治部殿の島殿。何か羽織なさい。ゆき殿が困りますから」
「申し訳ございません!左近!!!」
「でも三成様。暑いってギギギギ刑部さん?!すぐ着てきます」
「私も失礼して」
「ああ、治部殿」
「は」
「少しこちらに。」
「っ」
「ああ。傷でなくて安心致しました。」
「は?」
「糸くず」
「あ、その!ありがとうございます!…姫様」
「?」
「その、すぐ帰ってまいりますので」
「ではそれまで。休憩いたしましょう。」
「すぐに戻ります」




あんまり急かずにねと言ったものの聞こえたかどうかわからない。ただ、ふよふよと浮かぶ刑部殿が笑ってゆき殿に餌付けするだから追わず微笑んでしまう。





「仲が良いわね」
「はい!」
「姫」
「私、大谷様大好きなんです」
「は?」
「そう。刑部殿は優しいと言ったでしょ?」
「はい。お茶お持ちしますね」
「気をつけてね」
「やれ、姫」
「ふふふ。満更でもないでしょ」
「…」
「あの後、貴方と治部殿のおかげで日の本が平定できましたから。失うものと得たもの。貴方には苦労をかけました。ゆき殿にも。私が体を壊してしまったから日がな夜がな尽くしてくれました。」
「本になぁ。ぬしの腕はやはりいかぬか?」
「ええ。長年の無理も祟ったのでしょう。」
「私はこれでよかったと思います。治部殿が後継者指名をされ、受けてさえくれば」
「私は受ける気などありません」
「やれ、三成」
「早かったですね。ふふふ。髪がはねていますよ。」
「これは!姫様をお待たせするわけには」
「こちらにいらっしゃい。」
「…」
「治部殿の髪は美しいですね。羨ましい」
「私の髪などて姫様の御髪に比べましたら芥と同じ。」
「ふふふ。…なおりました」
「ありがとうございます」
「いえ」
「あと」
「?」
「姫様ぁ」
「さてと、我はゆき殿と退散しようかの」
「え?」
「さて輿に乗りゃれ。ちと遠出をいたそう」
「でも」
「良いから行ってきなさい。」
「では」
「ひひひ」






そう言って二人がいないなる。私は治部殿の顔を見上げると困った様な辛そうな顔でこちらを見てくるものだから居た堪れなくなる。



「治部殿」
「後継者は貴方様です」
「家康殿に拐かされた以来戦さ場に立てなくなりました。」
「ですが!貴方様以外いないのです」
「?」
「…私は姫様の様に人をしきすることは出来ません。あの後も総大将として多くの戦さ場に立たれたではありませんか!」
「ですが」
「そうでもしないと」
「…治部殿?」
「貴方が消えてしまいそうで。再び私の元から消えてしまうのではないかと」
「…私はどこにもいきませぬよ」
「然し…」
「治部殿も私の様な壊れた女子の相手ばかりせず、奥を娶らないとなりませんね」
「姫様?!」
「ひゃ?!」




ギュウギュウと抱きしめられて私は硬直する。
子供の様な触れ合いはあった。だが、こんなものは私は知らない。




「この、愚かなる心情を吐露する許可を」
「は、い」
「貴方様は壊れてなどおりませぬ。ただ美しく聡明な私のただ一人の方でございます」
「治部殿」
「他の者を娶るなどというな。私は貴方だけいればそれで良い」
「あ」
「家康を葬り世が安定した故、秀吉様にお願いしようと…貴方を娶りたいと」
「…」
「愛している。貴方以外も女など私はいらん」
「っ」
「添い遂げてくれ。私と。共に老、朽ちるまで」
「治部、殿」
「っ!!!!」
「わ」
「私は、何を!も、うしわけございません!!!あの様な愚行」
「愚行…なのですか?」
「は?」
「偽りなのですか?」
「いえ、あ…姫様!泣かないでください!!!」
「ぐすん」
「っ」
「私は、嬉しかったのですよ」
「!」
「嬉しかったのに愚行だなんて」
「っ!?本当です!私は貴方を愛しております」
「…」
「貴方に触れる許可を」
「許可など、得ないで」
「姫様」
「許されるのなら、貴方の妻にしてほしい」
「本当でございますか!」
「ええ」
「姫様」
「治部殿?!」
「ああ、私の姫様だ。私だけの!やっと」
「く、苦しい」





日月





「ひひひひひひ」
「やっと引っ付いたね」
「姫様御嬉しそうです」
「…」
「婚礼の支度だよ!」
「やれ太閤」
「いや、なんでもない」

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