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変換なしの雑食夢

ran

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日月

「こほ…」
「やれ、大事ないか?」
「風邪だから。大丈夫。でも」
「ん?」
「治部殿の相手を刑部殿に押し付けたみたいで申し訳ないの」
「ひひひ。本に、ヌシらしい。安心しやれ。いつものことよ。」
「大変ね」
「大変たいへん。大体ヌシが行ったとしても前線に立たすまい。姫に傷一つ付けたものなら我でも止まらぬ」
「私ももう武人なのだけど。治部殿にすればまだまだなのでしょうね」
「そういうわけではあるまい」
「?」
「刑部!姫様のご容態は?!」
「やれ静かに入りゃれ。姫も咳き込んで…水よ。のましゃれ」
「ありがとうございます」
「申し訳ございません!」
「いいえ私こそ。治部殿の軍の末座にと思ったのに」
「いえ!末座など。拝すべき姫様に敵国の首を献しいたします!」
「ええ。父上のため。豊臣の為励んでください。ですが」
「?」
「治部殿に刑部殿」
「は!」
「ん?」
「幼い砌よりの…友として無事の生還を。あなた方2人に何かあると…私は耐えられませんから」
「っ!」
「わかった。ヌシも確り滋養しりゃれ。…やれ、三成」
「治部殿?」
「?!い、いえ!恐れ多いお言葉!」
「…」
「あ、その!」
「いつの間にか治部殿は遠くに行ってしまいましたね。」
「違うのです!その…貴方様は貴いお方です…が」
「?」
「友と…おっしゃてくださるので私は嬉しいのです」
「…」
「姫、様?顔が赤く…熱が?!」
「やれ違う違う。」
「ふふふ。治部殿はいつも私を喜ばせてくれますね」
「!」
「刑部殿は癒してくださいます。ありがとうございます」
「身にあまるお言葉!」
「本に豊臣の月よのう。今大阪には太陽と月があるか。ひひひ。」
「ごほ…時間は良いのですか?父上にはお会いしたのでしょう?」
「あ、いえ。今から行って参ります。」
「珍しい」
「それは、その。」
「心配しておったからなぁ」
「刑部!?」
「そう。…本当に駄目ね。貴方たちに心配ばかり。本当にご迷惑なさい」
「いえ」
「三成」
「わかっている。姫様」
「行ってらっしゃい」
「はい」









それからどれくらいだろう。薬のおかげで寝ていた意識は大きな爆発音と足音で起こされる。自然武器に手を伸ばすものの熱が酷くて立つのままならない。




「姫様!」
「何事です」
「徳川です!徳川謀反にございます」
「!!?」





籠手を握って私は玉座にかけると難しい顔をしている父上と半兵衛がいる。



「姫?!起きだしちゃダメじゃないか」
「徳川、謀反と」
「うむ。間違いない」
「でも大丈夫。僕も秀吉もいるのだから。君は休みなさい。ひどい熱じゃないか」
「…父上と半兵衛はこのまま石田軍と合流なさってください」
「どういうことかい?」
「あの、徳川が仕掛けてくるのです。思慮深い男か。何かある」
「我が負けると?」
「そうではありません!しかし、玉体に何かあれば!貴方様は豊臣の太陽なので御座います!万が一!億が一もあってはなりません!お願いで御座います…私の最後の我儘と」
「ぬ…半兵衛」
「姫」
「?」
「その根拠は?」
「自兵を一兵も無駄にしたくない彼が豊臣に攻め入るという事実と経験則。何より」
「何より」
「私の勘です」
「君の勘か…」
「はい」
「わかった。秀吉。ここは姫の言う通りにしよう」
「しかし…」
「この子の勘は侮れないからね。さぁ行って!僕がここを引き受ける」
「いいえ、殿は私が」
「は?」
「それはならん。貴様は我の跡を継ぐもの」
「半兵衛はまだ豊臣になくてはならない。石田を導き父上をお支えするのは貴方しかできません。豊臣の為、父上とその右腕を無事左腕と合流させなくてはならないのですから。半兵衛。それを何より理解しているのは貴方だし実施なくてはならないのも貴方です」
「…でも!」
「話している暇はない。兵を全て連れて早く!貴方も半兵衛もかけがえの無い方なのですから」
「それは貴様とて」
「私はいくらでも替えがいる。父上が豊臣そのものなのだから。何より貴方の跡目に相応しいのは血より思考を継いだ治部です」
「…君は聡明で優しく強い子だ。早く合流しておいで」
「はい」
「半兵衛?!」
「早く行くよ秀吉!姫の行為を無にしてはいけない」
「く…」
「敗走ではなく合流。私は留守居。父上」
「必ず、合流せよ」
「はい」
「…三成君たちに伝えることは?」
「治部殿と刑部殿にはいつまでも仲良くと。あと…紅椿 積もりし雪に 散らんとも また相見んと 今は眠らん」
「承った」










父上たちが行ってどれくらい経っただろう。仕掛けが役に立ったようで私の方の準備もできた。




「姫?!如何して。貴方は三成と進軍したのでは?!」
「誤情報に踊らされましたね。ここに居るのは私だけ。」
「っ!貴方とは戦うつもりはない!わしは」
「裏切りは裏切り。謀反は謀反。失敗したのです」
「っ?!」
「逃がしませんよ。たとえ勝てぬとも。私は貴方を見過ごせない」
「!」
「精一杯足止めさせていただくわ」







日月








「姫、様が?!」
「…早くこの城を落として佐和山城に入るよ。いいかい?三成君」
「姫、様!?家康!!!!家康ぅぅぅ!!!!!」
「大丈夫。彼も姫は殺せはしない。現状を整えて!早く救出しよう」
「やれ、賢人」
「なんだい大谷君。」
「…なんでもない」
「あれからの言伝だ」
「?!」
「二人ともいつまでも仲良くと」
「ああ!」
「姫の事。句があろうがそれは後で。我とて平常でおれぬよのう」
「わかったよ」
「姫様…ひめさまぁぁぁ!!!!!!」

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