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変換なしの雑食夢

ran

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雲海 3

「…小鳥がか?」
「あいあい。」
「…」
「今早馬で事だけ伝えに参った故。…次第は追って分かろう。主は大阪に詰めるよう言われておる」
「あ、ああ」
「大事ないか?」
「私はない。…有るのは小鳥の方だ。」
「左様よ。…利き手にだいじがなければ良いが」
「?!」
「あれもバサラ者故。戦さ場で活躍するを良しとしている帰来がある。主は心配あるまいが…あれも主と似ているが故。」
「…」
「いや…相済まぬ。我とてあれとは古馴染みよ。ちと探ってくる」
「頼む」
「表に我の子飼いをつける。左近とて動揺しておる故な。何かあればそれにいわしゃれ。但し、」
「貴様が帰るまでここから動かん。」
「ああ」









「姉様!」
「え?ああ。雲雀」
「何を呑気に!常人なら死んでいたのですよ」
「ふふふ。あなたのお陰で命拾い致しました。ありがとうございます」
「姉様!」
「…ふふふ。あら?」
「元気そうだね」
「半兵衛様」
「早馬が来てね。急いで来たんだよ。危篤と書いていたからね」
「昨日まで危篤でした。医師にも覚悟をしておけと…ですけど。」
「元気そうで何よりだよ。…で」
「大事ありませんよ。」
「雲雀くん」
「持って数週間、と言われました。」
「そう、なのかい?」
「ですけどこの状態ですので…真実か否か。半兵衛様?」
「切られたところを見せてごらん!」
「大事ありませんよっ…痛っ」
「姉様?!」
「やっぱり。血が止まっていないな。毒か」
「伝説の忍び相手ですから」
「よく退けたものだと思う。…けれども」
「医師は一般的な毒消しは知っていても忍びのものは知らないでしょうし。ふふふ。」
「笑うところかい?」
「ええ」
「小鳥君」
「御役目も無事に済みましたもの。」
「そう、だね」
「はい」
「…言い残すことある?」
「書類の一式は書斎にしまってあります。荷物ももうあまりありませんから…雲雀。あなたが良いようにしてね」
「はい」
「次の当主は妹婿に」
「わかっているよ」
「死んだら大阪が見える山に埋めてほしいわ」
「…は、い」
「半兵衛様」
「なんだい?」
「あまりご無理をなさらないで下さいね。殿下に覇業の一端にもなれないことをお許しくださいますようお伝えください」
「秀吉は君が再び大阪に出仕するのを楽しみに待っているよ。今、褒美を考えているから、ね」
「はい」
「三成君達には?」
「…意地の、悪い」
「君が思っている以上に」
「ありがとうございます。でも。もう会い見えることはありませんもの」
「…すまない」
「いえ。半兵衛様」
「ん?」
「気にかけてやってくださいませ」
「わかったよ」
「刑部殿は直ぐ無理をするから。石田殿も。」
「ん」
「お二人にはお伝えすべき言葉はないのですよ。そんな、馴れなれしい」
「姉様」
「でも、」
「小鳥君」
「ありがとうございますと…1日でも長く殿下のそばにいてほしいと」
「うん」
「半兵衛様」
「何?」
「長の間ありがとうございました」
「…大義」








雲海 3








「…やれ、賢人」
「大谷君。すまなかったね」
「それは良い故…水鳥は?」
「持って数日。というところかな。」
「?!」
「血が止まらなくてね。忍びの毒は手強いから」
「なれば!」
「僕の医師を置いてきた。…もし生き残ったとしても以前のようにはいかないだろうね」
「ぬ…」
「君達は無理をするから。心配していたよ。あとありがとうとだけかな」
「あれ、らしい」
「三成君は?」
「静かに部屋で座っておるよ」
「そう」
「怒りと憎しみの矛先を教えてやればすぐにでも食らいつこう」
「小鳥君の部隊は君に預ける。明日から北条に向かうよ」
「ひひひ。」

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