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変換なしの雑食夢

ran

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殿と私

「戦略結婚とは虚しいものですね」
「?」
「お茶、冷めてしまいますよ」
「なに…我は猫舌故。に、しても」
「?」
「他人の話ではなく、主は主と三成の結婚が戦略結婚であり、その戦略結婚とは虚しいといわしゃるか?」
「はい」
「目合う時が婚礼の日なれば…しかし主らは筒井筒の仲よな」
「筒井筒?」
「如何にも。」
「幼馴染ではありますけれども。それはあなた様も含まれておりますよ」
「まぁ…そうよな」
「大体、私。彼の方のお顔をもう10年以上きちんと見ておりませんもの」
「…」
「大谷殿?」
「幼馴染よな」
「ええ。」
「時折話しておったよなぁ」
「あなた様ばかり見ておいででしたよ」
「…婚礼の折」
「明後日の方向ばかり」
「初夜は!」
「床は…聞きたいのですか?」
「いや…出来れば聞きたくはないが」
「なれば良いではありませんか。彼の方の顔は良くて横顔程度を瞬間的に見るだけです。」
「…」
「昔男のように浮名を流しているのは存じておりますけど。私と彼の方は部屋に入ってすぐ出て行かれるような今の姿で良く分かられるかと」
「…あれは用があった故」
「苦しい言い訳ですね。大谷殿らしくない。」



よいしょと腰を上げて一礼する。彼の方のためのお茶はどうしますと聞けば困ったようにされるので取り敢えず下げておく。本当に良く結婚受けたなと思いながら。そんなに嫌なら断れよ。いや、殿下の言葉を聞かないはずないか。致し方ない。

彼の方事、石田殿は幼馴染である。それこそ元服前だから14.5年の付き合いのはず。然し乍ら当初から正面切って話したことがなかった。大谷殿とは普通に話していたが石田殿とは大谷殿経由の伝言ゲームか俯いて足早く話してすぐさま何処かに行くのだから徹底していると思う。ほかの童女には普通に話すのだから結果私だけそういう事をしていた。一時期離れようとしたものの大谷殿が寂しそうにしていたしで、無駄だった。私が何か考え行動したところで無意味だと悟って流されるまま石田殿との結婚をうなづいた時、内心断ると思っていたのだ。侍女との浮名を聞いていたし私とは正反対の豊満系美女を相手にしていたから尚のこと。周りにそう言えば、正室と側室とは違うからと慰められた。…案の定と言えばいいのか。断るはずないんだよ。だって殿下の命だもの。死んでも逆らうはずはない。
父上を恨もう。全力で。そういうと武の誉れ高いのに家ではいまいち威力を発揮できない父上は「仕方ないだろ。私だって姫が優しいとこのとこに嫁がせたかったのに!どうしてもって圧力がすごくて…見合いをあの手この手で潰されるんだもん!」と聞きたくない事実を言われて自分の運命を恨むことしかできなかった。殿下…なぜ私なのですか。




「奥方様」
「あー…いなかったの。片付けて置いて」
「折角手ずからお作りになられたのに」
「要らないから良いんじゃないかしら」
「その様な」
「…」
「奥方様?」
「っ…」
「?!奥方様!!!誰か!!!!!」












本当に嫌になるわ。目が覚めて一番に思った事
見慣れた天井。それに庭。私以外いない部屋。




「奥方様」
「私」
「ご気分は?熱が出ていらした様です」
「ああ。少しだるいと思ったら…風邪かしら?」
「お疲れも出たのでしょう。先程まで大谷様もいらしておられて。殿にも」
「殿?」
「城におられませんから早馬で」
「…ふふふ」
「奥方様?」
「別に良いのよ。どうせ連絡がつかないでしょう?」
「え?あ、の」
「少し」
「…奥方様」
「期待していたのだけども…もう良いわ。少し寝るから人払いをしておいて」
「はい」
「大谷殿には礼を伝えておいて。殿には連絡しなくて良いともね」
「は、い」







うんと言ったのだから最低限夫婦になれると期待したのが馬鹿だったのかもしれない。誰もいないこの部屋に慣れないと。そう思って目を閉じる。









殿と私

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