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変換なしの雑食夢

ran

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飛べない鳥

刑部へ
面倒なことばっか頼んでごめんね。結構頭痛くて先に書いとけばよかったって思う程度に字が荒れて読みにくいよね。あ!安心して。半兵衛様はもちろん秀吉様にはきちんと読める字を事前に書いています。刑部は最後まで書くこと決まんなくて、こんな凄惨な状況になりました。本当にごめん。
ですので形式も何もかも無視して書いてます。
最初はね、三成お願いとか愁傷なこと書こうかと思ったけど刑部は言わなくても三成は最低面倒みるだろうから無視します。家のこととかも私が出来る範囲で準備してたけど後はここの裁量に任しています。いないと思うけど追腹は禁じてます。それくらい。後は死んでしまう私がいちいち出張る話ではないので三成と妹に頑張ってもらいたいです。子供も。名前すら聞けなかったから少し心残りかな。でも下手に情を残すより良いかもね。私の子ではなくあの人たちのことして愛してやってほしい。甘やかすだけではなくてね。一人前の男になるよう愛してやって下さい。

後、これは遺書でもなければ遺言でもありません。お願いもあくまでお願いであって願望だから無理はしないでね。

刑部。
妹を愛した三成が幸せになれるよう何も残さず私はここを去ります。残したところで変わりそうにもないけどさ、なんとなく伝えたい言葉も欲しかった言葉も今はもうありません。望めなくなった体はいい意味で慾を消してくれるのかも知りません。今はただ、三成と刑部が怪我なく過ごせることだけ祈っています。

この文は貴方にだけ当てて書いてあるから三成には秘密にしてね。

刑部。吉継。
私は少し怖いのかもしれません。たくさん人を殺しすぎたから行き着く先は恐ろしい場所なのだと思います。仕方ないけどね。怖いなぁ。
きっと私は武士だからってみんな怖がってないと思っているかな?吉継だけは知っててね。少し怖がってたって。
何書いてんだろうね、私。なんか蓋してたのがばーんと弾けたみたい。弾けついでに一個。

私が好きな三成だとみんな思ってたじゃん。初恋拗らせたのは事実だけど、今は違うの。あ!浮気とかしてないよ!そんな時間も体力も精神力も何もないから安心して。実際は恋の種程度かもしれないけど。まぁ死ぬ前のやつの妄言とでも思ってて。

長々とごめん。言いたいこと尽きないけど、吉継も無理せず長生きしてね。三成の手綱は吉継しか握れないから。

これで私の正真正銘最後の恋文を終わります。
嫌ならすぐ焼き捨ててね。はたまた鼻で笑って。
カッコいいおじいちゃんになったらまた会いましょう。それでは、また。









あれが家政の為、軍のためと残した二人の頭は四十九日を終えたのち仏門に入り彼女の菩提を弔うといってここを去った。
その折渡された文を我は何度も読む。達筆であった彼女の字が所々読みにくく潰れている。死の前日。いや当日まで痛いなどと言ったことはなかったのに。
彼女はそういう女子だった。





「にしても恋文か」





我の初恋は今実ったわと笑いながら文箱にしまう。形見分けでもらったそれは彼女らしく黒一色の味気ない箱だただ、丁寧に使われていたことがよくわかる。人にも物にも彼女は優しかった。



「おい、ここにいたのか」
「ひひひ。三成。如何した?」
「歩いていたら姿を見つけたから来たまでの話だ。」
「左様か」
「…?」
「して、主の腕におるのは太郎かえ?」
「そうだが?あれが寝込んだからな。乳母を探しているところだ」
「ひひひっちと」
「珍しいな」
「好かぬか?」
「構わん。あれも怒りはしないだろう」
「主は母御に似ておらぬな」




それすら計算のようよと笑ってしまう。




後何年、この気持ちを抱いて生きれば良いか。彼女はきっと頑張れでしまいだろうに。致し方ないと思いながら赤子を見る





『吉継』





誠似ていないのになぁ。笑顔のみそっくりとは卑怯な話よなと少し笑って涙を流すのだった





飛べない鳥

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