手の声と三成 三成短編 2016年06月17日 そうか、貴様は声が出せないのか。耳は?…そう頭を振るな。聞こえるのはわかった。何故、声が出せない?文字は書けるか?そうか。筆を貸してやる。…。ああすまん。思いの外美しい手だな。師は?いないのか。おい、私の名前を書いてみろ。首をかしげるな。知らぬはずはない『佐吉様』違う。そちらでは…言ってはいなかったのか?石田三成だ。『石田三成様』思った通りの字だな。?!おい!如何した??急に平伏するな。頭を上げろ。…墨が顔に。ああ、泣くな。すまない。驚いたか?もう知っているものだと思っていた。そうか、知らなかったのか。おい。頭を上げろ。怒っているわけではない。少し待っていろ。左近!お湯と手拭いを持ってこい。…すぐ顔をふいてやる。…如何した?私が恐ろしいか?首を横に振りすぎだ。落ちるぞ。に、してもだ。お前の手は美しい。声は、もう二度と出ないのか?わからないのか…そうか。おい、貴様。私と一緒に来い。首を横に振るな。まだ客は取っていないのだろう?私が初めてたろと聞いている。…違うのか?如何した?言えないのか?ん?待てという事か???『破瓜だけ、おばば様が』…あ、ああ。そうか。すまない。顔を上げてくれ。私が短慮過ぎた。だが…そうか。やはり私と一緒に来い。店の者には私から話をつける。今すぐ出られるか?何か取りに行くのならば私が共に行く。『私は石田様のねこになるのですか?』誰から?!いや…そうだな。此処はそう言うところだ。が、貴様は畜生では無い。猫や犬の様に愛玩する気は、ない。『では何のためにお城へ参るのですか?』愛玩は、しないが…そのだ。ねこのところを指差すな!…いいか、一度しか言わん!私は貴様しか抱かんし貴様は私以外に抱かれない。だから!ねこを指すな!ねこではない!人は夫婦と呼ぶ!良いか私と一緒に来い!!!手の声と三成「おーい」「やれ、五月蝿いのが来よった」「三成が遊女を身請けしたんだろ!傾国の姿を見たくてな」「傾国…のう」「ま、祝いを渡すだけだ」「左様か。やれ、左近。二人は今何処か?」「庭見に行くって言ってましたよ。」「ついて参れ」「おい。花を指差すな。私にはわからん!…そんな悲しそうな顔をするな。今度までに調べておく。ほら、立て。裾が汚れる。手を出してくれ。?何を恥ずかしがっている???早くしろ。…食事は美味しいか?そうか。…ん?私は食べてい、何だその顔は?食べている!今日は夕餉を共にするか?そうか。くくく、笑うな。…ん?如何した?刑部か?…イィィィエェェェヤァァァスゥゥゥ!!!!!!」「やれ、三成。奥方怖がっておる」「?!あれは災いだ!良いか!近づくな!!!」「ひでぇなぁ。」「寄るな!」「へー、傾国ってあんたかな?俺は徳川家康。三成とは昔馴染みでな!…ん?」「傾国?」「ひひひ。やれ、奥方。こっちにきりゃれ。」「刑部」「あいあい。」「えー…と?」「家康」「はい!」「死ぬ、準備はできたか」「え?!ちょっ。ぎゃー!!!!!!」「若紫といえば命はあったやもしれぬが…ん?心配せぬとも大事ない。我とちと茶を飲んで待とうなぁ」 PR