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変換なしの雑食夢

ran

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初恋の三成 7

「戦、ですか?」
「ああ」
「それはまた」
「すまない。昼からの予定は」
「お気になさらないでください。それより」
「?」
「お怪我を致しませんように…」
「!」
「石田様」
「う…そのだ」
「???」
「本当に」
「武士なのですから」
「…」
「だいたい今までならば嬉々として行かれたでしょう?」
「今でもそうだ!…が」
「?」
「梅との約束を反故してしまう」
「…」
「何だ?」
「い、え。石田様」
「?」
「本当に性格が変わられましたね」
「…黙れ」
「…ふふふ」
「?!」
「弱々しい。でも…こういう時に約束するのはよろしくないと言いますから」
「そうなのか?」
「怪我せず帰ってきてくださいね」
「…」
「眉間の皺が凄いです」
「仕方がない」
「初陣から早2年。父上も期待していましたよ」
「何?!半兵衛様がか!」
「はい。まずは元気に行って帰ってくる。帰ってきたらお迎えに上がりますから」
「必ずだぞ!」
「はい」
「…暫時待っていてくれ」
「はい?」



風のように走っていく。成る程、足の早いことだ。但し、答えを聞いてから行って欲しかった。
待ちぼうけである。
場所が場所だから本来いたくは無いのだけどなぁと思いつつあんなに残念そうな石田様の顔を見た後無碍にはできないし。仕方なく縁側に出て座っていると影ができるので顔を上げる。




「や!」
「?!」





上げるんじゃなかった。









「な、何ですか?!」
「話があるから。少し良い?」
「や、だ!」
「?!」
「ごめんなさい…」
「ちょっと待って!…今、飲んでないから!本当!!!」
「…」
「この間ごめん!」
「…」
「何度か会いに行こうと思ったんだけど…半兵衛様に駄目って!でもさ…」
「…」
「本当に、ごめん!許し…て?!」
「やだ…誰か…」
「?!?!!!泣いて?!!??」
「貴様…」
「?!?!????!」
「梅!」
「げ!三成!」
「頭を垂れろ!一瞬で済まさん!苦しむように…切り落としてくれよう」
「ま、待て!」
「石田、様…」
「…こちらに来い。刑部!」
「はてはて…ひひひ。この馬鹿は」
「おお、たに?!」
「ふふふ。」
「半、べえさま!!!」
「君、ね。本当に懲りないというか…君のやったことの重大さをわかっていないようだね」
「す、すいません!」
「梅殿。こちらにこりゃれ。三成」
「…私は此奴を罰してから」
「…石田様」
「?!」
「ふーん。ご指名みたいだね。」
「な?!その…梅?」
「…」
「顔色が悪い…部屋で横になれ。」
「は、い」
「…半兵衛様」
「梅についてやってくれ給え。…ふふふ。僕がしっかり体に刻んでおくからね。あと、彼女が良いというなら部屋に連れてやって。ダメなら僕の部屋で良いから」
「はい。」
「さぁ。行こう。我は先に行って準備して居る」
「サァ行こうかな。…ね、」
「す、すいません!」






体に力が入らない。握っている石田様の袖をゆっくり離すと身体が立っていられなくなる。するとすまないと言って体を支えてくれる。




「…石田様」
「良い。立てるか?」
「腰が、抜けて…ごめんなさい」
「そうか」
「本当に嫌になる」
「仕方が無い…あの下衆め」
「石田様」
「何だ?!」
「顔が怖い」
「…」
「本当にごめんなさい。戦準備…で、忙しいのに」
「そんなことどうにでもなる…すまん」
「?!」
「抱きかかえることを少しの間許してくれ」
「お、」
「?」
「重い、ですよ」
「…」
「?」
「…くくく」
「笑うな…」
「お前の方が弱々しいな」
「もう!」
「行くぞ。」
「…ん」







初恋の三成 7






「…」
「少しましになったか?」
「…」
「こっちを向けるか?」
「嫌です」
「…っ。くくくく」
「もう!…あ」
「向いたな」
「…もう」
「許可をもらっているから此処で仕度をするから安心しろ」
「!」
「あの愚か者は半兵衛様が始末をつける。」
「…はい」
「今日は私が詰める。明日からは時間が空いたら来るが」
「?!」
「如何した?」
「む、無理はダメです」
「わかっている」
「戦さ場で怪我しちゃう」
「…」
「それは駄目」
「ああ」
「石田様?」
「手を出せ」
「??」
「何を贈るべきかわからなかったから、気にいるか否かはわからん」
「…わ」
「この間、堺に行った折買い求めた。」
「唐錦ですか?」
「名物裂になると聞いている」
「こんな大変なもの!」
「…好みに合わないか?」
「そういうわけでは…但こんな高価なもの」
「反物を渡したが着てもらえてないから…好みが合わないのは知っている」
「う…」
「なので城下に行った折」
「違うのです」
「?」
「その」
「???」
「好みはあってます…」
「!」
「…」
「なら、」
「?」
「なら良かった」
「…」
「おい急に…如何した?顔を覆って。気持ち悪いか?」
「い、え」
「?」
「お気になさらず…」
「ならいいが。…其処に居る。何かあれば言え」
「はい」






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