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変換なしの雑食夢

ran

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初恋の三成 5

「梅」
「はい父上様」
「…」
「?」
「正則君が」
「…」
「そう死んだ顔をしない。正則君が正式に謝罪したいと言ってきているけど」
「お気持ちだけで十分です。とお伝え下さい」
「彼は意外としつこいよ」
「…」
「一度会う?」
「本当に嫌です」
「だよね…わかったよ。僕が言っておく」
「お願いします」
「それと」
「?」
「ひとつお願いがある」
「はぁ」








生返事をするのではなかったととても後悔している。ただーこの人が一度言質を取って仕舞えば、テコでも動きはしない。
まさか男に変身して表の様子を見てこいと言われる何て思いもしなかった。しかも酒宴。肩書きは私の弟。元服前の14才と…まぁこれでもかというほど細かい設定をされた。
ただ、くノ一さんの化粧技術は日本一だと思う。誰も私だとは気づかなかった。




「やれ、竹松丸殿」
「大谷様…」
「ひひひ。誠主のお父上には困りゃるなぁ」
「…はい」
「まぁ。ように似合いよる。」
「あ、の」
「ん?」
「石田様は?」
「…三成か?如何した??」
「見当たらないので」
「ひひひ。あれは酒宴に来ぬよ」
「そう、なのですか?」
「先だって主に言われた言葉が答えておるようでなぁ。」
「?」
「主…いや、主の姉上に死ねと言うたことよ。」
「え?ああ…」
「言うてはならぬ言葉よな。我とて敵以外には言わぬ。言わぬ」
「…」
「あの時三成は強か飲んでいてな。…初めて飲んで、加減がわからぬようになったのよ」
「は?」
「その折、梅が賢人付きの侍女になると聞いてなぁ。皆ついに賢人が嫁を貰うと色めきだったものよ。まぁ、蓋を開ければ養女よな」
「はぁ」
「あれは認めん!と一言申してまだそのことを知らぬ主の前に行ってまぁ、後は例のごとくよ」
「よく覚えております。弱き者に半兵衛様の側は認めん!貴様のように弱き者は死んでしまえでしたね」
「我とて梅憎さで言うたと思うたが…」
「?」
「今思えばずっと側にいると思うた梅が人の者になると思うたのかもしれぬなぁ。…ひひひっ。悋気よ、悋気」
「大谷様」
「まぁ主には納得いかぬわなぁ。その話の後、ようちょっかいを…ん?」
「刑部」
「やれ、三成。珍しい」
「用が済めばすぐ帰る。…弟御が来ていると聞いた」
「ひひひ。我の後ろよ。竹松丸殿」
「お初にお目にかかる。私は」
「…」
「三成?」
「…刑部。これは半兵衛様の命か?」
「ひひひ。そうよなぁ」
「なら、いい。其処の」
「は、はい!」
「これを梅殿に」
「姉、上にですか?」
「私が渡すと受け取ってはもらえない。…先に見た時顔色が悪かった。薬だ」
「そのような物を」
「私からと言わず、刑部からと言えばいい。中々手に入らないものだ。これは反物。…確かに頼んだ」
「ですが…」
「其れとだ」
「?」
「私はお前が思っているように嫌ってはいない。むしろ、笑っていてほしい。願わくば私の横でだ」
「はぁ」
「…確かに伝えたぞ」
「え?!お待ち下さい!」
「ひひひ。いってしもうたなぁ」
「如何いたしましょう?」
「もらっておけ。特にその薬はよう効くからなぁ」







初恋の三成 5









「おかえり」
「ただいま帰りました」
「楽しかったかい?」
「もう二度と行きたくありません」
「三成君もいたかい?」
「いえ」
「?」
「直ぐ御帰りになりました」
「え?」
「何か?」
「いや、ね。弟御が来ると言ったら宴に行くって珍しく言っていたからね。色々話してくるかと」
「あまり…」
「如何したの?」
「い、え」
「…ちょっとこっちにおいでよ。ああ。やっぱり」
「?」
「ひどい熱だよ」
「ああ。通りで」
「いつからだろう?今日昨日ではないね…誰か」
「はい、何でございましょうか?」
「医師を。あと寝床を」
「あら!梅様。すごい熱!!」
「三成君の方が君をよく見ているね。症状にあいそうだ。医師にそれを見せて良ければ煎じてあげて」
「はい、只今」

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