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変換なしの雑食夢

ran

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初恋の三成 2

裳着の儀を終えて変わった事といえば、衣が重くなった事。化粧をしなければならない事。そして、遊べる女だと思って声をかけてくる男共を蔑む事。この3つが最大の変化かもしれない。


只、一番の変化は石田三成と名を改めた佐吉様だろう。



「梅」
「?!」
「貸せ」
「い、いえ。結構です!」
「重い、だろう!」
「これは私の仕事です!」
「…それは、そうだが」
「なればほっておいて下さい」
「っ」



刀で叩いたり罵詈雑言もなくて妙なのだ。優しいというか、歯切れの悪い感じがいささかというか。まぁ。天敵であるのは変わりは無い。できるだけ近づかない様にしているのに!目敏く見つけてくるのだ。些かうんざりする。



「おや、梅君。」
「何ですか?」
「眉間の皺が酷いよ」
「…石田様が何かと突っかかってくるので」
「えー…」
「面倒くさいのです。はい、紙をお持ちしました」
「突っかかってくるというか…好きなんじゃないのかな?」
「あり得ないでしょう」
「そう?」
「人として認知してない宣言をしたのが10日前ですよ。ちょっと着飾ったら人として認知するって…面しか見てない軽薄な人間だし、そういう男は十中八九簡単に遊べる女だと思っているんですよ。」
「そうきたの?」
「それ以外ありますか?」
「ないよね」
「そうでしょ?元服したてだから羽目を外したくなるのはわかりますよ。大人の階段登りたいのも。」
「露骨だね」
「それ以外何があるんですか?逆に聞きたいですよ」
「今までが今までだったから仕方ないね」
「取り敢えず、御用は?」
「なんで僕には太々しいのかなぁ」
「其れだけ心を開いているのですよ」
「そう」
「…お茶です」
「僕は」
「竹中様にも嫁ぎたくないですよ」
「何で?!僕見た目は良いよ」
「中身の事ですよ。…面倒くさい」
「梅君?!」
「大体、母上でしょ?立ち位置は」
「ぐ…言い返せない!」
「同性愛のうえに近親相姦みたいですごく嫌です」
「僕は男だよ!」
「わかってますよ。はい、お茶菓子」
「最近僕の扱いに慣れてない?」
「太閤殿下に宜しくと言われてますから。心配かけないでくださいよ!」
「本当に秀吉好きだよね」
「大好きですよ」
「…」
「嫁ぐ対象ではありませんよ。何を恐れ多い!無理です!絶対に無理!!!」
「吉継君は?」
「大谷様かぁ…御本人は何もないのですよ。強いて言うなら好きですから。いえ大好きです!太閤殿下の次に」
「僕は?!」
「家族ですからねぇ。…順位つけれませんよ」
「なら良いけど」
「良いんだ…」
「殿堂入りだろう!」
「まぁ。そうですね」
「そっかぁ。吉継君に打診してみる?」
「いえ。横に常に陣取ってる人が嫌すぎです」
「…ああ」




納得してくれたので私は席を立つ。用がなさそうだから掃除してきますといえば侍女が下女の様な事しなくて良いと言われて途方にくれる。竹中様の宿題も済んだし手習いの時間はまだ先だ。暇すぎる。そう呟くと少し庭にでも出たらと言われる。紅葉が美しいよと言うのでありがたくその提案を受けるにする。



庭に出る。知らないうちにこんなに美しく紅葉したかとため息をつく。ただ掃除が大変そうだ。
そう思いつつ、竹中様のお土産にしようと綺麗な紅葉を探す。




「どうした?!」
「?」
「おい、気分が悪いのか?!」
「は?」
「…いや、そのだ。」
「紅葉を見ていただけです」
「気分が、悪いのかと」
「凄ぶる元気です」
「なら、いいが」
「失礼致します」
「まっ」
「何ですか?」
「…」
「用がないのなら」
「?!」
「失礼します」
「おい!」
「だから」
「今度私と何処かに出掛けないか!」
「…」
「…な、んだ?」
「失礼を承知で申しますと」
「?」
「遊びたいのなら他を当たって下さい」
「な?!」
「今まで散々人として認知してないだの言った方が衣装が変わっただけで…」
「それは!」
「軽蔑致しました」
「?!」
「失礼致します」





初恋の三成 2





「…」
「すごく機嫌が悪いね」
「っち!」
「…梅君?」
「…」
「何かあったのかい?」
「男というのが殆嫌になっただけです」
「???」
「女など遊ぶ相手が子供産む道具程度にしか思ってないのでしょうね」
「人それぞれだと思うよ?」
「失礼する。やれ、賢人。梅は…おお、此処におったか」
「大谷様?」
「吉継君。気をつけ給え。今頗る機嫌が悪いからね」
「知っておる。…すまぬなぁ。三成が要らぬことを致した様よ」
「大谷様の所為ではありません!」
「だがなぁ。あれはあれで他意はないのよ」
「…」
「信じられぬか。致し方ない」
「何の話だい?」
「石田様が…」
「三成君が?」
「梅を誘った様よ」
「?!」
「剣のほろろに断られたがなぁ。」
「あの、三成君が?!」
「ひひひ」
「梅君をかい?!大丈夫かな?元服して趣味が」
「やれ、賢人」
「あ?!…梅、君?」
「男というのは…本当に」
「梅?」
「大谷様。本当に気にしないでください。では失礼致します」
「や、やれ」
「あちゃー…怒らせちゃったかな」


怒りとともに部屋を出る。誰よりも何よりも私が思ってますよと思って顔を上げるとびっくりした様な顔をした石田様がいて、目がすわる。



「な?!」
「失礼致しました。」
「待て」
「…」
「おい!梅!!!」
「っ」
「な、なぜ泣く?!」
「全部…」
「?」
「貴方のせいでしょ!」
「は?!」
「とっとと遊郭でも行って遊んでもらえ!!!」
「な?!おい。待て」
「離してください!」
「涙を拭け!手ぬぐい」
「貴方なんて大嫌い!!!」
「!?!???」
「失礼します!」




「あーあ」
「灰となったなぁ」
「初恋は実らないって言うものね」
「まぁ今までが今まで故」

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