初恋の三成 3 三成短編 2016年10月04日 あれから2年。「あー、またきた」「何です?」「君の縁談。」「破って燃やして灰にして」「黙ってたら美人になったのに…今年いくつ?」「16ですけど」「子どもの一人や二人いても…ごめん。怒らないで!」「出家する」「本当にごめんね。ほんと男嫌いに拍車がかかって」「あの生き物をどこをどう取って…好きになれと!」「まぁこの2年君にとっては散々だったからね」「遊べる女だと思って…っち!何度押し倒されそうになったことか!」「でもまぁ。僕の娘になったじゃないか」「それが良かったのか…悪かったのか」「どういう意味かな?」「深い意味はありませんけど!」「嬉しいくせに」「まぁ、そうですね」「デレた!」「また妙な言葉使って…まぁいいですよ。畳の上なら死水取ってあげます」「まだそんな年じゃないよ」「…無理しなければでしょう」「わかってるよ」「まぁいいや。取り敢えず…ん?」「誰だい?」「左腕三成、秀吉様の命により参りました」「!」「ああよく来たね。梅、お茶」「はい」「う、め?!居たのか」「…」「う…そのだ」「ごゆるりと」「っ」「ふふふ。相も変わらずだね。行ってしまったね」「次からは左近を前触れに行かせます」「良いの?ますます会えなくなるよ」「それは…」「君は意外と諦めが悪いね」「わかっています」「だからこそ成就して欲しいんだよ」「…」「にしても遅いな…何処までお茶を」「見てきます」「そう言えば、今日は正則君が来てたね…酔ってないといいけど」「!」「あっ!三成君!」酒臭い。此奴!と押し返しても叶うことはない。武に秀でた男なのだ。でも凄く酒癖が悪い。素面でも癖が悪いのに、これだけ強かに酔われるとどうにも出来はしない。叫ぼうとしたものの口は手拭いで塞がれてしまっている。そういうところは異常に手際がいいので腹がたつ。にしても今の状況はかなりまずい。今迄は近くにいた人が助けてくれたり、助けを呼んでくれたけど今回はそれが無い。絶対絶命なのだ。「んー?」「んー!!!」「おまえ、どっかで…」「んー!!んー!!!!!」「まぁいいや。相手しろ」「?!」「綺麗な顔だな。気に入った」「!!!!?!」「暴れるな」「ん!ん!!!」「ったくよ!」「んっ!」「殴りたくねぇの!俺は!!!」暴れてたら殴られた。多分加減をしているのだろうけど打たれた頬が痛くて仕方が無い。本当に男という生き物は最低だ!父上様も石田様と話していて気がつかないだろう。本当に、こんな男の嬲りものになってしまう!涙が出てくる。何もできない無力な自分が情けない。「大人しくしてろ」「?」「濡れねぇな」「!!!?!」「まぁいいか」何がいいかだ!と思いながら充てがわれた其れに戦慄する。恐ろしいし、悔しいし。色んな感情でごちゃ混ぜだったその瞬間。大きな音とともに馬乗りになった男がいなくなっていた「梅!」「んー?!」「っ?!正則!!!貴様!!!!!」「ったー!!!何しゃがんだよ!って…あれ?!梅ちゃん?」「貴様。…殺してやる!そこに首を垂れろ!」「お、俺やっちゃった?!」「死ね!!!」「わー!!!すまん!!!許してくれ!」「三成君!いたか…正則君。どういう事かな?」「は、半兵衛様!」「三成君!交代だ。…僕の娘を手篭めにしようなんていい度胸だね!」「す、すいません!許してください!!」「死ぬなんて生ぬるい。…さぁいくよ」「ぎゃー!!!」「梅!」「ぷは」「大丈夫か?!」「う…ぐ」「涙を拭え…」「ふっ」「泣くのを我慢する必要は無い。半兵衛様が連れて行ってくださった。あの下衆はもう居ない」「…ひっく」「すまん」「?!」「すまん…もっと早く見つけていれば」「…」「今は私しか居ない。落ち着くまで側にいる。好きなだけ泣け」その言葉に必死に我慢した嗚咽が漏れる。堰を切ったように涙が溢れる。恐ろしかった。そう震える手で眼前の着物に私は縋る。石田様は汚れる事を気にせず抱き締めて、泣く赤子をあやすが如く背中をさすってくれる。それが絶妙で私はいつの間にか眠ってしまったのだ初恋の三成 3「っ」「起きたか?」「わ、私!此処は?」「勝手に寝所に入るわけにはいかなかったから…私の部屋だ。すまない」「え?!あの!」「半兵衛様にも報告してある。腫れてしまったな」「っ?!」「す、すまない。頬が腫れていたから軟膏を。勝手にしてしまった」「い、いえ」「水を持ってくる」「あ、あの!」「何だ?」「ありがとうございます」「!」「?」「い、や。構わない。…少し待ってくれ。半兵衛様を呼んでくる」 PR