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変換なしの雑食夢

ran

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すれ違う三成

「気を病んでいると思ったら…妊娠してるだなんて」
「申し訳ありません」
「謝ることではないわ。おめでたい事だもの」
「瓜生様…」
「で」
「?」
「相手は」
「…」
「言えない相手?」
「いえ…その」
「誰か。この子の相手を私の前に連れてきなさい」
「?!」
「縁を結ぶも否も…貴方達だけの話ではないのだから」
「…は、い」





そう言って連れてきた相手が三成なのだから心底びっくりする。この男が?上に立つものが、簡単に人んとこの兵に手を出すなんて…とふつふつと怒りがこみ上げてくる。いやそれより何より…。
ばきりと持っていた脇息をへし折ったあたりで横にいた刑部と左近が慌て始める。


「そう」
「ものを壊すな」
「うちの兵に手を出したのは三成なのね」
「その話に来た」
「…いつ知ったの?」
「お前が気づいた後だ。早く言うべきだと思い、ここに来ている」
「…」
「すまん。責任を持つ。」
「責任を持つ…そうね。当たり前よね」
「…何を怒っている?」
「や、やれ三成。主の言葉が足りておらん」
「そ、そっす!違うんす!落ち着いてください!!!三成様は」
「左近」
「はひっ!」
「…これが落ち着いてられる?」
「(こっえー!)」
「おい。本当に如何した?」
「触らないで」
「な?!」
「責任を取っていただけるのなら結構。ただこれからは事後承諾は無しにしていただきたいものだわ。」
「どこに行く!」
「…」
「何故急に怒り出す?!大事な話をしているはずだ!席を外すなんて、許さない!」
「ゆるさ、ない?」
「三成!」
「何だ刑部!」
「少し黙しゃれ!…やれ、これには訳が」
「吉継。」
「何か?」
「後はうちの副官に任せるから。宜しく」
「待て!」
「やれ、三成…ああ。行ってしもうた」












「っち!」
「舌打ちしないでくださいよ」
「気にしないで」
「春様。」
「何?」
「本当に宜しいのですか?」
「秀吉様と半兵衛様の許しは貰っているわ」
「ですけど。」
「何?」
「許可を貰ったというより奪い取ったが近いでしょうし。きっと半兵衛様なんて引き攣ってましたよ」
「見てないくせに」
「いつもの事だもの」
「煩いわよ。」
「男装までして遊郭に来るほどの事ですか?」
「んー…」
「私は楽できていいけど」
「寝てる」
「私はお座敷あるから」
「酷い!」
「どうせ晩になったら帰るんですよね」
「そうだけど」
「まぁどうせ石田様の事でしょうけど」
「…」
「喧嘩しました?」
「子供が出来た」
「え?!おめでとうご」
「私じゃない。他の女」
「え?」
「しかも部下」
「…御愁傷様」
「本当にねぇ。」
「とりあえず寝なさいって」
「うおっ!このふくふく感が堪らん」
「デブと言いたいか」
「うんん。」
「春様?」
「女らしくて羨ましい」
「…」
「眠い」
「おやすみなさいませ。」
「ん…」











すれ違う三成







「んあ」
「酷い顔」
「今何時?」
「もうそろそろ夜が明けますよ」
「えー…」
「副官の方が来て一晩此処で寝さしておくようにって。寝ててくださいね」
「ん」
「お座敷出たらすぐ戻りますから」
「うん」
「ちゃんと寝ててね」
「うん」




ほろほろと泣いてしまっているのを気づいて頭を撫でてくれる。苦界にいる彼女の方が大変だろうにと思いながら瞳を閉じる。






『春』







馬鹿みたいな話だな。こんな時に思い出すなんて。




「身受け」
「え?」
「身受けしたい」
「馬鹿な事言わない」
「ずっと側にいてくれればいいのに」
「他の方がいるでしょ?」
「みんな嘘の私が好きなんだもの」
「…」
「もう疲れたわ」
「よく寝なさいな。」
「うん」
「また帰ってきたら話しましょう。」
「うん」



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