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変換なしの雑食夢

ran

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ツンデれる三成 4

「…おっと」
「さこんさま?」
「ほら本気でやばいって!」
「まだだいぢょうぶ!」
「大丈夫じゃないよ!ふらふらじゃん!」
「はなせー。」
「ああ!もう」




ふらふらのまま廊下の掃除をする。きっと今熱はひどいことになっているだろう。涙目だろうし。かといって掃除をサボる訳にもいかない。左近様がいささか邪魔だか取り敢えず廊下ふきを続ける。邪魔なので容赦なく邪魔と言いながら。






「やれ左近。」
「刑部様ー!ダメっすよ!全然言うこと聞いてくれないっす!」
「ぎょうぶさま。いまおちゃを」
「よいよい。ぬしはまだ止めぬのか?」
「なにかおちどが?」
「無いよ。だがなぁ。」
「?」
「本にぬしの体が心配よ」
「ぎょうぶさま…!」
「ということで休まれよ。三成」
「え?!」
「行くぞ」
「うっわ!はなしてくださいませ。いつのまに」
「馬鹿か!熱が出て土色の顔をした女をそのままにして置けるか!」
「歩けます!」
「貴様の足では日が暮れる!どうせ真っ直ぐ歩けんだろう!」
「う…」
「み、三成様。もう少し優しい言葉を」
「何がだ!早く…ん?」
「うぐ…」
「な?!」
「はてさて。どうすれば三成にわかろうかのう?」
「ぎょ刑部!!!」
「我の輿にきりゃれ。送る故。」
「ぎょうぶさま」
「裏切る気か刑部!!!」
「ぬしのいう台詞か…大事無いか?」
「あい」
「寄越せ!」
「寄越せと言われてもなぁ…犬や猫でもあるまいに」
「ぐ…こちらに来い!」
「…」
「はてさて、困ったなぁ。」
「私が看病する」
「けっこうです」
「…心配なのよ」
「当たり前だ!何かあったら如何する!私が想うこいつが…」
「…殿様」
「その、だ。…刑部の輿ではお前は運びにくい。こちらに来い」
「…」
「ひどい熱だ。もう何でもいいからこちらに来い!」
「…」
「如何する?」
「へやのまえ、まで」
「!わかった!早くこちらへ来い!」
「三成。雄弁は銀よ」
「…わかっている」






大谷様の輿の上にいたのでおずおずと手を伸ばすと殿様の手がそれを掴む。ほとんど食べないくせにと思ってもやはり殿方だ。大きくて冷たい手だった




「あ」
「?!」
「笑いよったなぁ」





不覚にも安心してしまったのは人生史上初の高熱のせいと思いたい







ツンデれる三成 4






「三成よ」
「なんだ!」
「ぬしはお産を待つ夫か何かか」
「?!」
「…訂正する。熱が出て寝込む妙齢の娘の部屋の前に陣取るな。他の侍女たちが恐ろしがって迂回する羽目になっておる」
「あれが元気になるまで執務はここでする」
「やれ」
「なんだ?」
「あれからの手紙よ」
「何?!…部屋に帰れと書いてある。おい!何故だ!!!」
「いかぬよ。今喋れぬ程度に喉を痛めている…ふむ。三成」
「な、何だ?!」
「ぬしの執務は滞り無いよの」
「当たり前だ!」
「為れば蜂蜜を買ってきりゃれ。花梨があったはずよ。漬けて飲ませようかのう」
「行ってくる!左近!!!」
「準備バッチリですよ!」
「行ってくる!」
「気をつけてなぁ。…行った行った」
「ありがとうございます、刑部様。あのままおられましたら休むこともままなりませんでしたでしょう」
「ほんになぁ。空回るのよ。この後花梨漬けを作らす故しっかり寝られよと伝えてくれ」
「はい。ああ。嬉しそうに手を振っています」
「本になぁ。早う良くなれ」

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