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変換なしの雑食夢

ran

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47

「良い、香りだ」
「御起きになられましたか?」
「ああ。治部か?もう帰ってきたのか?」
「はい。」
「そうか」
「痛みは?」
「慣れたものだな。いつも程度の痛みだよ」
「賄い方から雑炊を。食べられますか?」
「治部のは?」
「…私は要りませぬので」
「なら、半分にしよう」
「は?」
「椀と箸を。」
「ですが」
「早くいたせ」
「…」
「其方は余りにも食が細いからな。喰わねばなるまいよ。」
「は」
「私もこのままで腹が減らぬしなぁ。動けぬからな。」
「そうしないと怪我が治りません。ご自重下さい」
「ああ。だが」
「だが?」
「最近思うのだよ」
「?」
「治らんでも良い、とな」
「…は?」
「ふふふ」
「姫様?」
「酷い顔だな」
「?!」
「冗談だ。私もこのままでは余りにもつまらぬなぁ」
「…御戯れにも限度があります。」
「そうよなぁ。あ、治部や」
「?」
「先だってそなたの城に参った折に抱いていた女とは上手くいっているか?」
「………は?」
「そろそろ其方も20を越えている。婚儀の必要があるだろう?以前は断られたが、相手がいるのなら話は早い」
「お、お待ち下さい!何故、それを」
「秘密だ。秘密。」
「…あの者は、その。」
「?」
「その様な相手ではなく」
「何を言っている?その様な気がなくて抱けるものなのか?…手が止まっている。食べよ」
「私は結婚などする気がありません」



する気がなくとも身籠れば話は別よ。正室以外にも側でもいい。そのつもりもなく侍女を抱いたのか?と目ねつけ、椀に雑炊をつけてやる。



「責任というものがある。城主故に侍女を蔑ろにして良いものではあるまい。」
「は」
「良いという相手が居るのなら早く娶って衣食住を整えてもらえ。其方の食事の世話は私と刑部に任せられているがあの愛妻家にも夫婦の時間は必要であろうよ。私もそんなに暇ではない。」
「ですが私は、やはり」
「結婚する気がないか?」
「はい」
「…そうか」
「姫様?」
「主は父上のために生き父上のために死ぬるが本懐故それでいいかもしれぬがな」
「姫様?」
「ん?」
「先ほどより全く箸が進んでおりません!」
「食べておるよ」
「にしては…ご無礼を!」
「治部」
「?!ひどい脂汗でございます!痛みがひどいのでございますか?」
「いや、大事ない大事ない」
「…横に」
「いや。気に致すな」







からんころん





「女人としても不安定な時期ですから…治りが遅いのでございましょう。肋骨自体も何度も折られていますし。その上過労が加わって…姫君様で遊ばれるのです。もう少し休息を取っていただいた方が」
「そんなに悪いの?」
「はい。このままでは月の物も止まってしまいましょう。子が産めないだけではなく身体の調が取れてない故の症状でございますから早逝されてもおかしくないのでございます。」
「子供が産めなくなるのは駄目だよ!彼女には豊臣の跡取りを」
「半兵衛…少し休ませれば良いのか?」
「薬は我らができる限りのものは用意いたします。」
「ああ」




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