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変換なしの雑食夢

ran

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48

「絶対安静です」
「しかし」
「貴方は成長期なのですよ。只でさえ体に負担がかかるときに骨折、怪我が続き体が悲鳴を上げているのです。」
「休んでばかりだ」
「仕事のし過ぎです」
「なぁ、さよ」
「はい」
「私はなぜ生まれたのだろうなぁ?」
「そういう自問はもう少し生きてからになさい」
「ああ、そうだな。…そうしよう」


ちらりと部屋の外を見る。治りが遅いのも仕方がないのかもしれない。怪我ばかりだっだ。ふうとため息するのにも痛みが走る。治部を驚かせてしまったなぁとぼそりといえば虹川殿を殺すと言って聞きませんので太閤殿がお叱りしたそうですと返される。


「何をそんなに怒るかなあ。」
「何を言っておいでですか?」
「治部には未だ幼い私にしか見えぬなしいなあ。頼りないらしい」
「そうとは思ってらっしゃらないかと」
「さて、な。ああ、さよ」
「はい」
「私が里に返されたらそなたには私の侍女たちの奉公先をお願いしたい」
「は?」
「強きもの以外ここにいてはならないのだよ。この怪我だって。戦場ならば死んでいた」
「…」
「だから私は死んだものの様なものだ」
「姫様」
「時折、このまま消えてなくなりたくなる。」
「…」
「ふふふ。さよ」
「はい」
「皆にはいわないでくれ。」
「言いませぬよ。さあ、ゆっくり休んでください。私は弟や貴方の様に戦う力はないですが、貴方をこの城の中でお手伝いはできます。時折、ご心中をお話くださいませ」
「さよ」
「はい?」
「大好き」
「は?」
「ありがとう」
「…いえ」





少しだけ寝るといえばさよは笑っておやすみなさいと言ってくれる。母の様で姉の様で大好きだなと言えば出来れば姉の方がいいらしい。いつまでも若く見られたいからというので血は恐ろしいもので父上と同世代で竹中殿を育てた姉上には見えないといえば頬を軽くつねられた。くくくと笑うので怒ってはいないのだろう。姉の様に頼りにしていますよと言えばお任せなさいと笑うのだった





からんころん








「あ」
「姫様!」
「…治部か。さよは?」
「…あの者でしたら。今席を外しています。恐れ多くも秀吉様からのお声が」
「そうか」
「如何致しましたか?」
「いや、さよがいると思っていたからな」
「は?」
「そうか…」
「姫様はあの者を」
「今一番心を開けられる相手だな。」
「なっ?!」
「?」
「刑部や…私よりもですか」
「ああ」
「…」
「如何した?」
「い、え。」
「そう言えば治部。虹川の件だが」
「今より軍を率いて」
「いやいいよ。試合の話だ。其れこそ私も恥をかく。」
「しかし!」
「父上が御許可しなかったのだろう?諦めろ」
「ぐぅ…っ!」
「これ以上はいい」
「…」
「わかったな」
「…はい」




そう言うと苦虫を噛み潰した顔をして歯軋りをするのだからこの男がなぜここにきたのか。意味が分からない。


「仕事は」
「済ませました」
「私の分もだろう。すまない。迷惑をかける」
「いえっ!あの程度の事ならば…!!!申し訳ございません!!!!!そう言う意味ではなくて」
「いや良いよ。事実だろうし。其方の能力の高さを知っているからな」
「違うのです。そう言う意味では」
「傷が痛い。話すのも億劫だ。治部」
「姫様」
「そんな顔をするな」
「っ?!」
「…避けずともよいだろう?」
「あ、その!…しかし」
「いや良い。嫌な事はしまいよ」
「…嫌では」
「下がりなさい」
「ですが、姫様の御看病を」
「さよがいる。」
「!!!」
「其方は其方は仕事に戻りなさい。」
「…は、い」





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