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変換なしの雑食夢

ran

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41 佐和山見物編 9

「…」
「如何したんっすか?」
「左近様」
「わわっ!顔真っ青っすよ」
「いえ、あの。」
「本当に如何しちゃったんすか?!」
「お願いが」



佐和山に俺の墓標がたっちゃいますと言われて逃げようとするもののもう少しですからお願いしますと私は着物を掴んでゆっくりと歩く。下を向かない。左近様着物だけだ。すると地の底から出たような声が聞こえる。左近様は出た!とか言っているが私にはその余裕はない。



「貴様」
「ちちちち違うんっすよ!!!」
「三成様…もう少しですから…左近様をお貸し下さい」
「…何故!?左近なのです!」
「っ!」
「つ、吊り橋が…ひ、ひめさま?!」
「ゆら、さないで!」
「…姫様?」
「わわっ!本当に顔が真っ青!三成様!」
「姫様!」
「お願いだからじっとしていてください」
「…」
「つい、た」
「!?」
「姫様大丈夫!?」
「…うっ」
「え?!ちょっと!」
「気持ち、悪い」
「気持ち悪いの!?ちょっと待ってなよ!其の儘背中にいて下さい!」
「…」
「三成様!惚けてないで!!!刑部さん!!」
「なに…如何いうことか?」
「姫様が橋のところで気分が悪くなって!今から寝所にお運びします。刑部さんは三成様を連れてきてください!」
「…あいわかった」
「おねがいしますよ」





左近様の背中は三成様違うなぁと思いながらだんだん後ろになって行く三成様を薄れゆく視界で見つめる。







「大事ないですよ。一過性のものでしょう」
「よかったぁ〜」
「ごめんなさい。ご迷惑をおかけして」
「いや、俺は良いっすよ!」
「三成様は?」
「通しても大丈夫っすか?」
「?」
「いや…刑部さんが気を使って」
「ああ。大丈夫です」
「じゃあ呼んできますねーと!あっ」
「?」
「佐和山城が怖いとか?」
「は?」
「暗いからダメとか…あ、でも大阪城も…?!今のなし!!!こんなの聞かれたら俺本当に殺されちゃう!」
「ふふふ。」
「ひ、ひみつにしてくださいね。」
「ええ」
「よかったぁ。あっ!じゃあなんで?」
「私、吊り橋がダメなんです」
「吊り橋?」
「小さな時に落ちてしまって。あ、まだ豊臣に来る前ですよ。それ以来怖くて怖くて」
「へー」
「男の姿をしていたらなんとか克服出来たのですが…この姿ではやっぱり怖くて」
「それで」
「ええ。ですから三成様にお詫びしないと。この城は堅牢で素晴らしい。流石は父上の左腕でございますね」
「ヘヘッ!でしょー。あ、いけね。すぐ呼んできます!」



お願いしますと言った途端、がらりと襖が開く。困った大谷様と怖い顔の三成様がいて苦笑してしまう。何より、左近様の首を締め上げて持ち上げるのを如何すれば良いのだろう。止めるものの聞こえていないらしく大谷様が大きな球をぶつけてくれてなんとか停止している。




「申し訳ございません。」
「…」
「着いた早々ご迷惑をおかけして」
「いや」
「姫様、吊り橋がダメなんですって!」
「吊り橋か?…そういえば」
「吊り橋だと?!!!恐れ多くも半兵衛様にお褒め頂いたあの吊り橋か!」
「やれ、三成」
「合戦中は何時も通っているはずだ!それが何故、あの橋だけならんのだ!!!」
「三成様…」
「私の城!秀吉様から拝し奉った城を愚弄するのか?!」
(あちゃー…)
「やれ、三成。言い過ぎよ。姫。気にならしゃるな」
「…に」
「姫」
「本当に」
「!」
「本当に嫌になりますな。この姿の私は、女の私は弱くていけません。…この姿ではご迷惑をおかけするだけですね」
「い、いえ!その様なつもりでは」
「左近様」
「は、はい!」
「さっきの秘密は内密に」
「はい。」
「秘密??」
「三成様も大谷様も聞き出そうとはなさらぬ様に」
「っ!」
「あと文を書きます」
「やれ、姫」
「この姿も話し方も父上の命でございますので、取り下げていただきます。」
「お、お待ちくださいませ!姫様。私は!」
「平素の私に戻るだけです。三成様も。命が降るまで話し方は其の儘で。」
「姫様…」
「女の出で立ちで女の話し方をして。女の弱い私は、あなたには必要ないのですね。」
「いいえ!どの様な姿でも」
「三成様」
「は」
「大谷様、左近様」
「…」
「少し休みます。…一人にしてください」







からんころん







「姫が小さい砌に吊り橋から落ちたと聞いたことがある。」
「なっ」
「男の姿だと肩肘張って生きてらっしゃいますものね。可哀想に」
「…」
「詫びるって言ってましたよ。この城は素晴らしい。さすが左腕だって」
「なん、だと」
「ヌシは早とちりが酷い。人の話は最後まで聞かしゃれ。短慮もここまで行けば病気よ」
「…」
「早く詫びて参れ」
「あ、ああ!」

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