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変換なしの雑食夢

ran

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40 佐和山見物編 8

「船で今から佐和山の近くまで行きますよーと」
「はい」
(素直な姫様まじ可愛い)
「…」
「やれ死にたがりよの」
「すいません!何も考えてません!!!」
「にしても。大谷様…寒うございませんか?」
「大事ない。姫は?」
「私も。彼方に見える山々が霊峰で御座いますか?」
「ああ」
「彼方はまだ冬が深そうですね。」
「何、じき春よ。鴬も泣かしゃろう。」
「本当に。わっ」
「おい」
「す、すいません!姫様!大丈夫っすか?!」
「ええ。三成様」
「なんだ」
「お顔に」
「ああ」
(これだけ見たら許嫁なのに)
「姫も」
「?」
「髪が」
「…ありがとうございます」




そう言って髪を撫でるのだから姫が困ったように顔を伏せる。本当に許嫁のような二人がこうもまぁこじれてしまった原因は真っ直ぐなまでに素直な姫様のご気性と苛烈に、また神格化するまで崇拝する三成様性分にあるのかと思えば少し違うらしい。一言で言えば三成様の面倒な性格のせい。追加するならそれに輪をかけて面倒な半兵衛様のせいだと刑部さんは言う。二人とも確かに面倒くさい。特に半兵衛様は姫様に嫌われてるもんなぁと思いながら艪を動かす。




「…」
「あちらが京ですか?」
「そうよな。向こうが尾張よ」
「では此処が要所なのですね。」
「あちらに行けば大阪へと流れる川に繋がる。帰りはあちらから行けば良いかもしれぬな」
「はい。大谷様。時に、妹との婚儀は3年後で本当によろしいですか?」
「ひひ。我は構わん。その間にも色々せねばならぬし。ヌシのおかげで今は我が城に住っている。」
「大谷様の城はこの湖を行けば良いと聞いております。」
「そうよな。あちらの方へ行けば我の城よ。正月はゆるり城に帰るつもりよ。」
「妹が喜びましょう」
「それと。軍師殿から書状が来ておってな。正月の帰参は良いとの事。行ったり来たりは休みにならんとな。」
「そうですか」
「…」





くつくつと笑いながら話す二人を羨ましそうに見ている三成様がハッとした顔をして刑部さんを見る。正月に会えないのか!と言いたいものの姫を城に招くのは三成様の念願だったから何も言えないのだろう。それを見て姫様は苦笑しながら三成様はお気になさらず、帰参してくださいねと言えばあとかうとかしか返さない。



「やれ姫。」
「ですが三成様はお正月に誰よりも早く登城なさって采配を振るっておいでですもの。気が気ではないでしょう」
「だが」
「私の事はお気になさらず。あ、大谷様」
「姫」
「あれが城で御座いますか?」
「…」
「三成」
「あれは違います。支城です。もう少しすれば」
「そうですか」
「姫様」
「話し方が戻っていますよ。」
「っ」






そう涼しい声で言うと姫様は視線を外す。追う男とそれを交わす女ではない。なるほど。何が如何してこうなったのかしらねぇけど。酷い男であったことは聞いていた。いや、それ以上に。





「あれがそうです」
「まぁ」






なりほどかなり面倒な感じで拗れている。








からんころん 番外編








「姫」
「はい」
「大丈夫か?」
「意外とフラフラしますね。平素に乗ったことありませんでしたから」
「輿を」
「いいえ。少し経てば大事ないです」
「そうですか」
「佐和山の城下は活気に満ちておりますね。」
「はい」
「皆楽しそうで、良いことです」
「ありがたき幸せ」
「三成様」
「?」
「話し方」
「…」
「面倒になっていませんか?」
「いえ、恐れ多く」
「なら良いのですが」

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