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変換なしの雑食夢

ran

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30

息を吐くと白い。火鉢に火をいれるがなかなか温もらないのは仕方がない。寒い寒いと言いながら薬缶を置く。今日も今日とて誰もいない。仕事を終えて庭に出てみよう。梅の花が咲くかもしれない。
それを口実に仕事を早く終えれるかもしれない。硯に墨をすりながらそう考えると少しだけ楽しくなった。



「姫様、朝食の支度が」
「此処で食べながらする。持って来てくれ」
「あいわかりました。」
「皆もゆるりといたせ。」
「はい。姫様以外はゆっくりしたものです。」
「そうか」
「少しお休みになっては?」
「ああ。休んでいるよ。心配をかけたな」
「い、え」
「?如何した」
「本に美しくなられてと。妹姫様の評判も…」
「あれはもともと美しいよ。ふふ。ありがとう」
「では朝食を持ってまいります」






言って出て行く侍女を見てくつくつ笑う。そうか。刑部も気が気ではないな。青田買いというものも時には困ったものだと。先程の侍女と入れ替わりに入ってきた侍女が手紙を持って来た差出人にその名を見て笑ってしまう。



「さてと」




手紙の内容はちゃんと食べているかから始まり病を得ぬようにと母親のような内容で思わず笑ってしまう。本当にいい男だ。意外に妹の方が心配しているかもしれない。



「ん?治部か」




文字は人となりと違ってのびのびとした字に笑ってしまう。堂々と言うか何というか。ある意味のびのびと堂々と生きているからなぁ。さもあらんか。
時節の挨拶から始まり色々書いてあるが果し状の様な様相で少々引く。




「内容は普通なのに何故、一、と箇条書きになるのか?意味が分からん」



宴の後に書くのか。忙しいのになぁと思って筆を持つ。そう言えば、昔から意外とマメな人だったな。



「何て書こうか?」




書きたいことがあるようなないような。皆とこんなに離れているのは初めてかもしれない。一年以上の間離れ離れでいる武家の奥方は偉大だなぁ。と思いながら筆を走らせるのだ。





からんころん 番外編





「姫から手紙が参ったが、ぬしにも来たか」
「ああ」
「左様か」
「…」
「三成、そんなにうっとりとした顔で見るな。恐ろしい故」
「美しい跡だ。」
(聞いておらぬな)
「…私の字とは違う。美しい跡だと思わないか?」
「思うがのう。またぬしの字は雄雄としている故」
「美しい」
「にしても」
「ん?」
「このように離れたのは初めてよな。何やら赤子を放置しているようで安心できぬ。」
「…秀吉様が此処にいるのだ。恐れ多くもお喜びいただいている。」
「そうよな。」
「ご無理をなさっておいでではないだろうか。風邪など…」
「ひひひ。心配耐えやまぬよの」
「…」
「何で書いてあった?我にはゆるりと休まれよとだけよ。」
「私には無理をなさらぬようにと。…こちらが言いたいくらいだ」
「にしても」
「…」
(それだけの文でそのような顔が出来るのだから…凄い話よの」

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