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変換なしの雑食夢

ran

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18

「姫様に贈り物ですよ」
「贈り物?」
「ほら愛らしい人形ですこと」
「…」
「こちらは着物。見事ですねぇ」
「いらん」
「ですが」
「似合わぬのでな。ああ、さよ」
「はい」
「紅葉が綺麗になった。」
「はあ。」
「少し庭を愛でてくる。その間にこれを竹中殿に。ついでにこちらを父上にお渡しいただくようにと。こちらは大谷殿。こちらの手紙を妹に渡すようにと。これは石田殿に。頼みましたよ。」
「この量をお一人で?」
「?他に誰が致すというのだ。ではな」
「お待ちくださいませ。羽織を」
「ああ」
「刀は」
「籠手をつけてある。それに城内までしか出てはならぬと言われてある故。安心してくれ。それに大谷殿の乱波が一緒に来てくれるからなぁ。遭難せずに済むよ」
「…」
「ではな」





何とも言えない顔をしたさよに手を振って庭に出ると侍女が薄紅の羽織を持ってくるので丁重に断る。薄墨のといえば困った顔をされるのでさよを見る。諦めたのだろう。こうなればこの人は潔がよい。お持ちしてという声とともに布擦れの音が聞こえる。
薄紅の羽織はそなたに差し上げようと言って薄墨を羽織る。白と薄墨色。それが私の色なのだ。以前そう言うと大谷殿に悲しそうに笑われた。
妹のように美しくあればいいと言ってくれるが私が容作るいわれはないのだから仕方がない。なればできるだけ目立たず。出来るだけ質素に生きていたいと思うのだ。それはそれで美しいのだろうから。




「やれ、あそこにいるは姫か?」
「!」
「ひひひ。着飾らぬのになぁ。水墨画のような美しさよ」
「…」
「主の贈り物はまた届かなかったらしい。致し方ない。」
「…ああ。自業自得だからな」
「ん?」





美しく紅葉したなぁと思いながら小道を歩く。赤い絨毯はこの時期にしか見れない。誰も通らぬのだなぁ遠くの山を見る。父上に母上はご健勝だろうか?



「奥山に もみじ踏み分け鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき」
「はて、鹿の声は聞こえぬがのぅ」
「大谷殿に、石田殿。」
「このような場所で何をしているのですか?」
「よい季節でしたので運動がてらの紅葉狩りです」
「ほんにの。よい季節だが、」
「?」
「まだ恋しかろうか?」
「…何の話だ?」
「ひひひ」
「恋しくはありませぬよ。大谷殿」
「なら、よいがの。」
「お二人は散歩でございますか?」
「いや、」
「?」
「貴方様をお呼びに。半兵衛様が茶会にと」
「そうですか」
「参りましょう」
「いえ、私はご辞退いたします。」
「ご辞退すると?!何故でございますか?」
「無知な子供が参るものではありますまい。それに少々用が」
「左様か」
「ええ」
「にしても。」
「?」
「…三成よ」
「なんだ?」
「我もいかぬ。」
「何?!」
「ひひひ。早う行かぬと始まるぞ」
「っ姫様」
「ん?」
「ここは寒うございます。早くお部屋に」
「ああ。大谷殿には早く帰って風邪など召さぬようにしてもらう。だから安心してくれ」
「そうでは…っ。行ってまいります」
「では参ろうか」
「ああ」








からんころん 番外編





主は軍師殿が苦手よのと言われて曖昧に笑う。苦手なのは私ではなく彼方な気がするがといえばひひひと笑われる。大谷殿は居心地がいい。絶妙な距離を置いてくれるのだからありがたい。そっと紅葉をとって大谷殿に渡すと美しいよなぁというので本当にと返しておく。




「で」
「ん?」
「感謝する」
「ふふふ。私も。妹を頼むよ」
「ああ」
「まぁまだ幼い故婚約に留まったのは許してくれ。」
「いや。無理を押してもらった。初陣の褒賞を我のために使うとは…」
「大谷殿のためだけではないよ。あの妹が泣くのだから。ふふふ。可愛いなぁ。」
「大事にする」
「大丈夫。あれは黙っていれる子ではないから。苦労をかけるが頼んだよ」
「ひひひ。」




そう言って少し歩くと騒がしい声が聞こえる。茶会かと思って踵を返すと行かぬのかと言われるので行きたくないのだと返しておく。



「竹中殿も石田殿も。私を好かぬだろうからな。せっかくの休息に邪魔をしたくないさ」
「前者は知らぬが後者は違うよチガウ。」
「さてな」
「あれは死ぬほど不器用なのよ」
「左様か。」
「信じておらぬなぁ」
「この間も叱られたからな。さて行こうか」
「ん」
「此処は寒すぎる。そなたが風邪でもめせば二人に叱られるからな」
「ひひひ」

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