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変換なしの雑食夢

ran

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20

「霧散したのう、三成」
「刑部」
「この地においても見つからぬわ。さてさて何処へ参られたか。」
「あれからもう2年。」
「…」
「昔より隠れられたら見つからなかったが…」
「我らを直ぐに見つけるのはいつもの姫だったなぁ。逆ならこうも手こずるとは…」
「…もうこの地には用がない。次に参る」
「やれ、待たれよ。少しは兵を休ますのも必要よ。」
「…」
「そのような顔をするではない、三成」
「刑部に任せる。私は」
「探しに出るか」
「ああ」
「つなぎはとらしゃれ。何かあった時に困りよるからな」
「わかっている。」






さらさらと流れる小川で顔を洗う。気持ちが良いなぁと思っていると気配を感じる。又女と侮っての山賊かと思えば気の抜けた声で警戒をとく。久方振りと苦笑すると迷彩柄の派手な男が降りてくる。



「よからぬ場所に迷い込んだ訳ではないと思っていたが」
「そーだね。俺様も仕事帰り。風魔の旦那は?」
「あれは暇な時にしか来ないよ。影に入れるから移動が楽だからな。にしてもあんたも大変だな。薄給で」
「言わないでよー」
「私がそれなりなら助けてやれたがな。…でも武田が好きそうだからな。」
「んー。そう見える?」
「ああ。ほら」
「わっと。なにこれ?」
「アケビ」
「姫さんって不思議だわ」
「そうか?まぁ一般的な女の枠から大いに逸脱したのは認めるがな」
「あ、うまいじゃん!」
「ん。今年は天候が良かったからな。にしても佐助殿」
「んー?」
「いいのか油を売っていても」
「いーの。姫さんに用があったから」
「?」
「うちに仕官」
「しない」
「いうと思った。」
「小太郎を焚きつけるぞ」
「あ、それやめて」
「でなんだ?」
「うちの大将から。豊臣に戻ってくれって」
「幾ら信玄公の頼みでも聞けんなぁ。大体誼みを通じていただろ?安泰ではないか」
「いやーさー。また一国を落としたから。大人しくして欲しいのよ。」
「石田殿か。」
「そうそう。」
「こた」
「ストッープ!!!なに召喚しようとしているのさ」
「いやな。別に武田領に侵入していないのになぁと思ってだな」
「以外と粘着質?」
「ははは。」
「笑って誤魔化さないで!もー。無理と思ってたからいいけど。俺様行くね」
「ああ」
「狂皇との鬼ごっこ頑張って」
「ははは。恐ろしい相手だからな」





そう言うとこれはおまけと言って紙を渡してくれる。放浪して1年目。怪我した佐助殿を介抱してから懐かれてしまった。時折。こうやって石田殿の動向を教えてくれる。
持つべきものは人徳かと思いながら薪を担ぐ。そろそろ冬だ。陣を張る準備をせぬとなぁ。備蓄はある。狩りをもう少ししてと佐助殿から貰った紙を開けて思案していると思考を停止してしまった。
石田殿が私に多額の懸賞をつけたこと。そして落とした城が存外近いこと。これはまずいなぁと思いながら寝ぐらに帰る。冬支度を始めていたと言うのに。場所を変えてしまわないといけない。もう少し移動するか。






からんころん







隠れるのは得意なのだと笑って荷をまとめる。早々と出立しなければ。今日の夜半には出ていこう。次は何処が良いだろうかと思案して2年にも及ぶ旅の終わりが近しいことを肌で感じる。これ以上の北上は火種を広げるだけなのだ。


「小太郎殿?」
「殿はいい」
「もうお偉い身分ではないからな」
「そんな事」
「ふふふ。移動するよ。」
「そうか」
「あなたは私に執着しなくなったのになぁ」
「そう言う訳ではない。ただ」
「?」
「あれは違うというだけだ。」
「…」
「?」
「今までありがとう。もしもの時がある。これ以上迷惑はかけられない」
「ああ。」
「ではな」
「武運を祈る」
「ははは。命がけの鬼ごっこだな」

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