1 basara 三成 からんころん終 2015年09月17日 「治部殿は?」「今はおらぬよ」「左様か。それは上々。刑部殿、すまぬが継ぐ間を貸してくれ」「主はここの姫君ぞ。一々言わずともよいがの」「ふふふ。親しき仲にもというだろう」「如何した?」「刑部はいいな。要らぬことを聞かんでくれる。治部や徳川が見れば五月蠅くてかなわん。」「ヒーヒヒヒッ」「眠いな、刑部」「寝りゃれ。さすれば世は安穏よ」酷い男だと悪態をついて私は寝転ぶ。薬草の匂いと墨の匂い。存外私はここが好きなのだ。よい夢が見れなくともそれで良い。静かに休めれば。刑部は其れをよく理解してくれている。だから無言で火鉢を用意してくれるのだろう。ありがとうといえばひひひと笑うだけだ。「刑部!!!」「やれ三成。静かにせよ」「?」「次ぎの間で姫が寝ておる」「…」「探しておったのではないのかえ?」「…体調が思わしくなられないのか?」「いや、疲れだろう。三成」「何だ?」「起こすのかえ?」「いや、ここで控えさせてもらうぞ?」「ひっひひひ!忠犬よ。チュウケン」「当たり前だ。秀吉様のご息女だ」「親戚筋だがほんの少ししか血は繋がっておらぬがな。」「刑部。貴様まで下衆な戯言を!!!」「やれ、静かにせぬか。起きるぞ、オキル。」「ぐぅ…」「言いたいことはそうでは無い。我とて姫は可愛い。そなたと同じで幼き頃よりの好ぞ」「…」「やれ睨みよるな」「ふん」「其方も寝りゃれ。」「…家康がもしきたら追い返してくれ」「あいわかった」「姫は」「寝ておられるな。肝が太いというか、慣れよの」「顔色がお悪い」「そうよな。」「…」「やれ、起こしやるな」「わ、わかっている!」「ひひひっ。懸想とはなぁ」「けっ?!」「幼き砌より見ておったが。愉快ユカイ」「…」「ん?」「刑部は、」「やれ如何した?」「姫の事は」「好いておる」「!!?」「がな、少し違うな」「は?」「早う、孫の顔が見たい気持ちよ」「まっ?!」「ひひひっ。愉快ユカイ」からんころん「ん、」「…」「ひひひ。起きられたかえ?」「眠い…、寒い」「寝ぼけられるな。やれ、姫。」「…治部がいるな」「はっ!」「うふふふ。治部や、治部」「っ」「初心な男を揶揄うでない。…寝ぼけられているな?」「何?!こんなに明確に寝ぼけられるなど」「治部は猫のようだな」「わっ、ひ、姫!!?」「暖か、い」「ひひひひひ。観念して其方も寝りゃれ。隣に我もおるし、状況は軍師殿に伝えておくゆえ」「だ、だがな」「んー…」「っ」「諦めが肝心ぞ、やれ誰か。」「…」「治部、」「…秀吉様!お許しください」 PR