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変換なしの雑食夢

ran

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06

眼が覚めると控えている侍女がいない。夜中かと外を見てわかるものの動くまでにはまだ回復していない。白湯が欲しいなと思っても取ることすらままならない。
からりという音がする。そちらを見て苦笑するしかない。



「お起きに?」
「治部はまた寝ておらぬのか?」
「いえ、その」
「仕方がない奴だな」
「っ」


そうして立ち竦む治部を見ながら座ろうとするとままあって急いで近づいてきて背中を支えてくれる。白湯でございますか?の言われるので頷くと取ってくれるので有難く頂く。




「寝ているのか?」
「…」
「刑部には」
「聞いておりますが、その」
「治部らしいな。…済まぬな。」
「は?」
「汗臭かろう。中々思い通りにいかぬでな。…治部?」
「…」
「如何した?何故泣く???辛いことがあったか?体の不調か?無理をせぬとも良い。自室…」
「私は」
「治部?」
「貴女がこの様になって。何より、辛いのです。」
「…で泣いたのか?」
「はい」
「やはりお前は優しいな」
「…」
「自室におかえり。少し休め。」
「嫌です」
「治部?」
「私は、さよという女が憎らしい。貴女の側で貴女の手助けができるのが羨ましい」
「さよは私の侍女頭だからな」
「わかっております。ですからこの様にさもしい心でも。何より貴女に嫌われていても…私は」
「治部や治部。」
「はい」
「私は嫌っておらぬよ」
「ですが」



最近治部は私といても困り顔だからなと言えば、違うのですと言って沈黙される。座るのももう限界だなと言って横になると布団をかけてくれるのだから優しい男だと思ってしまう。



「姫様」
「ん?」
「お労しい」
「ふふふ。大事ないよ。兵は?」
「ぬかりありませぬ。」
「そうか」
「朝まで」
「ん?」
「朝まであなた様の看病をする許可を。」
「いや、然しだな」
「?」
「私を大切にしても何もならんぞ」
「は?」
「刑部はうまく立ち回れるだろうが。廃嫡も考えられる今余り親くするのは…治部?」
「私は今まで出世の為に貴女の側にいたわけではありません」
「そうか」
「如何か許可を」
「なれば、彼方に布団があるから横で寝ろ。」
「は?」
「でないと私がお前の心配で寝れんよ」
「はい」







からんころん









「治部や治部」
「はい」
「ありがとう」
「っ」

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