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変換なしの雑食夢

ran

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泣かれる三成 4

「姫」
「っ?!」
「やれ怖がるな」
「…何だ」
「その男言葉も無用よ」
「…二人が嫌がったのだろう。私の話し方はなよなよしいと」
「はてさてどうだったか」
「もういい。失礼する!」
「またしゃれ」
「なっ!降ろせ!」
「われとてしとうはない。が、聞きたいことがあってなぁ。逃げられると困る」
「…」
「なぜ三成を嫌う」
「そちらが嫌うからだ」
「否定はせぬが…」
「聞きたいことは済んだか?!離せ!!!」
「言われるまでもない」
「…」
「我らは佐和山へ発つ。」
「そうか」
「…気ままでの非礼を詫びる」
「は…?」
「何か?」
「いや、いい。ではな!」






脱兎のごとく逃げる。刑部のことだ。また何か企んでいるのだろう。
彼が私に詫びるはずがない。そう思いながら駆けていると案の定落とし穴に捕まる。…きっと…刑部作の。




「いたい…」
「ひひひ。相も変わらず猪よな」
「…」
「やれ睨まれるな。」
「本当にあなたは私が嫌いだな」
「どうかの」
「治部の差し金か」
「…どうしてそうなる。」
「…」
「やれ、ぬしには無理ぞ」
「…」
「姫」
「嫌いだ」
「…左様か」
「…」
「助けは」
「いらん」
「雨が降ろう」
「…」
「…なれば」
「…」
「姫…泣いておるのか?」
「…」
「…」
「もう良い…私は貴方や治部にとって如何に忌むべき存在か…ようよう分かった」
「!」
「殺すのなら一思いに殺してくれ」








泣かれる三成 4








「姫?!ど、どうしたの」
「…」
「泥だらけじゃないか!彼方此方に擦り傷も酷い」
「落とし穴に落ちたの」
「…落とし穴?」
「はんべー…」
「ああ!泣かないで!誰か!!!」

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泣かれる三成 4

「あのなー、あいつらはいつもああなの!」
「ですが」
「あんたがそこまで気にしなくても良いって」
「傷だけです…」
「あー!泣くなって!」
「…治部と刑部は私が嫌いなんです」
「は?」
「私が誰かと仲良くするとそのものを傷付けるのです」
「…たち悪りぃな」
「出来ました」
「まぁ、気を落とすなよ」
「…」
「ありがとう」
「官兵衛様…」









「やれやれ。賢人もご立腹よ」
「…」
「一度佐和山に返り反省せよとのことよ」
「わかった」
「…姫に嫌われてしもうたか」
「昔からだ」
「ならばなぜ固執する」
「…言っている意味がわからん」
「左様か…」
「支度をする」
「あいわかった…そうよ、三成」
「?」
「姫は暗の元へ嫁ぐやもしれぬなぁ」
「馬鹿を言うな。あれに大役が務まるか」
「ひひひっ」
「どうした刑部」
「今何、ぬしの本心は誠人に伝わりにくい」
「…」
「三成?」
「元々嫌われている。」
「誠ぬしらしい答えよな」








泣かれる三成 4







「姫様」
「何ですか?」
「石田様と大谷様がご挨拶に」
「…今加減が悪いとお伝えなさい。会いたくありません!」

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泣かれる三成 3

「元就君に嫁がせるのなんて言語道断だし、元親君は…まぁまぁだけど苦労しそうだし」
「半兵衛」
「政宗君は遠いから駄目だし、幸村君…ああ駄目だ。口煩いのがいる」
「姫の婿取か?」
「そうだよ。そろそろって考えていたんだけどね。難しいなぁ」
「一層お前がなればいい」
「君が義父?…笑えないなぁ」
「そうか」
「本気で考えてよ。三国一のお嫁さんにしてあげるって約束…誰だい」
「失礼いたします。」
「三成か…半兵衛?」
「…」
「公私混同をするな」
「すまない、秀吉。わかってるだけどね。入りたまえ」
「は」
「官兵衛君は着いたかい?」
「はい」
「そうか」
「僕も行くよ。」
「ああ」
「…あの」
「なんだい?」
「用意の部屋はあちらですが」
「ああ。君は此処でいいよ。」
「?」
「姫に会ってから行くからね。先に行っておいて」
「官兵衛は?」
「何故そんなことを聞くんだい?」
「い、え」
「…半兵衛」
「さぁいこうか。」







縁側で一人着物を作っていたら手元に影ができる。半兵衛にしては大きいと思って見上げたら父上様がいて頬が緩む。

父上様は世界で一番大好きな方の一人だ。もう一人は半兵衛。そう言えば半兵衛は笑って頭を撫でられたが父上様は少し笑って下さっただけだった。それで十分。いまも無表情だけど私の頭を撫でてくださる。




「姫」
「はい」
「何をしている?」
「半兵衛に綿入れを作っているのです」
「僕にかい?」
「半兵衛はすぐ無理をするから。夜中までお仕事しているでしょ?風邪を引いてしまうと哀しいから」
「聞いた?!本当に可愛いなぁ。やっぱりずっと此処に居させようかな」
「我のは?」
「父上様も受け取ってくださいますか」
「うむ」
「直ぐに作りますね。」
「無理をするな」
「ふふふ」
「おーい!半兵衛!!!何処だー!!!!!」
「五月蝿いのがきたね」
「官兵衛」
「官兵衛?」
「黒田官兵衛君だよ。ほら官兵衛君頭が高いよ。僕の可愛い姫の前なんだから頭を地面にめりこまし給え。姫もわざわざ声をかけなくてもいいよ。ああ、女言葉でいいからね」
「ひでっ!あいもかわらずだな!小生をなんだと思ってやがる」
「初めまして」
「…なんだよ。何処ぞで幼気ない子供攫ってきやがったのかよ?!いってー!!!」
「斬り刻むよ」
「我の娘よ」
「まじかよ!」
「ほら出しなよ。頼んでいたもの手に入ったんだろ?」
「?」
「あー…それでか。姫さん。ほらこっちこい」
「半兵衛?」
「貰っておいで何かあったら秀吉と僕で殺すから」
「ひで!」
「…」
「手」
「?」
「落とすなよ」
「わ…何ですか?これ」
「桜石に石榴石。こっちは水晶に紫水晶。瑪瑙とか色々だ」
「わー…」
「本当にこんなんでいいのかよ」
「喜んでるみたいだよ」
「あんたたちにすりゃ屑石だぜ」
「宝石なら買えばいいけど原石はなかなかね。」
「何ですか官兵衛さん」
「…」
「不埒なこと考えてないだろうね!」
「か、考えてねぇーよ!こりゃあなぁ俺が掘ったんだ。」
「掘った?土をですか」
「そこについては言いたいことが有るけどよ。そうだな。掘ったんだよ。」
「?」
「で、お前にやる」
「!!!」
「ふふふ」
「は、半兵衛!こんなに素敵なものを頂きました」
「良かったね」
「父上様もみてください!」
「うむ」
「あ、少しお待ちになってください!」
「「「?」」」
「これをどうぞ。」
「花…布で作ったのか?」
「はい。お守りです。よくお話を聞く御坊様に有難い布を頂いて教えて貰ったのです。父上様と半兵衛のも」
「すまないな」
「本当は綿入れと一緒にお渡ししようと思ったのですが。本当にありがとうございます。官兵衛様」
「おう。また珍しいのがあったら持ってきてやる」
「!」
「んな、嬉しそうな顔されたら持ってこないわけにはいかねぇなぁ」







泣かれる三成 3





そう言えばと思い草履を履く。侍女は怪訝そうな顔をするものの半兵衛に本を返しそびれたといえば得心がいったらしい。何より、日々家に閉じこもっている私が外に出ることは良い事との判断らしい。




ただ、今日は違った





「っ」
「何、を」
「姫、様?」
「姫…。!?危ねぇから向こうへ行ってろ!」
「官兵衛様!」
「官兵衛様?…貴様!官兵衛ぇぇぇぇぇぇ!!!」
「っ!」
「姫様!おのきください!!!」
「…」
「っ!泣いて…」
「貴方は、恐ろしい」
「っ」
「私は貴方が恐ろしい。」
「な…」
「参りましょう、官兵衛様。手当を致しませんと」
「姫様!」

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泣かれる三成 02

「ここここここここんにちは!」
「こんにちは。金吾君」
「?!」
「初めまして」
「(可愛いぃぃぃ!)」




金吾君はとても優しくてお鍋を作るのが上手だ。私が男言葉を使わなくてもニコニコしてくれるから半兵衛にいって女言葉で話している。
お鍋はねーという話を聞きながら縁側に座っている。同世代のお友達ができたと喜んでいたら金吾君も喜んでくれる。






「金吾君のお鍋美味しいね」
「そう?!美味しいの!嬉しいなぁ」
「私、ここに来てから外に出たことないの。金吾君みたいに色々お喋りしてくれると凄く楽しいし嬉しい」
「僕も嬉しいなぁ。僕の話なんて聞いてくれる人少ないし。」
「そうなの?」
「そうだよー。今日だって三成君とか大谷さんに呼ばれたのかと思ってすっっっっっごく怖かったんだもの。」
「ふふふ」
「君は大丈夫なの?怖くない?」
「んー…嫌われてるから」
「へ?」
「此処で話をする相手は半兵衛位だもの。お父様はお忙しいから仕方ないけど」
「お母さんは?」
「死んじゃったって聞いてるけどあれは嘘だと思う」
「…」
「如何したの?」
「君も大変だね」
「そう?今は凄く楽しい」
「!」
「金吾君?」
「もっとたくさん食べて!」
「ありがとう」
「また遊びに来るね」





約束をして帰った金吾君はそれ以来此処には来なかった。半兵衛にいつ会えるの?と聞いても苦笑するだけで明確な答えは返ってこない。




「また嫌われたのね」とつぶやくしか無かったのだ






泣かれる三成 02







「三成君!いるかい!!!」
「半兵衛様?!如何致しましたか!」
「如何も何も…君ね。なんで金吾君に嫌がらせをするんだい?怖がってこれなくなってしまったじゃないか!」
「…金吾が何か?」
「姫と会った後に君と吉継君に強か殴られたと言っていたよ。可哀想に…姫は今か今かと待っていたんだよ!それを」
「あのような弱き者。豊臣に必要ではありません」
「姫には必要だったんだよ!君達のおかげでこの大阪では僕以外まともに話せやしない。彼女には話し相手が必要なんだ。」
「ですが…」
「大体あの子は豊臣の後継者ではないよ。生母が出家したから連れてきただけ。その内然るべき所に嫁に出すつもりなのに…」
「嫁…ですか」
「年頃だからね。はぁ…君が姫を嫌いでもなんでもいいけどこれ以上邪魔をするなら僕も黙ってはいないよ。」
「邪魔など…」
「如何いう心証か知らないけどね。今から吉継君のところへ行ってくる。君はもう二度と近づかないでくれたまえ!」
「はっ…」

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泣かれる三成

「姫様」
「なぁに?」
「新しくお父上に仕える事となった近習がご挨拶に参っておりますよ」
「?」
「石田佐吉で御座います」
「?!」
「ひ、姫様」
「うわぁぁぁん!」
「?!」
「ひ、姫様?!」
「こわぁいよー!!」
「なっ?!」
「さきちのおかおこわい!」







今からかれこれ十数年前。初めて姫様にお目通りした際のこの事件が私は忘れられずにいる。





「あ、刑部」
「やれ、姫。如何致したか?」
「治部は?」
「…三成に何用か?」
「いや…刑部でいいか」
「で、とはひどい言い草よの。」
「じゃあ刑部がいい。これをやる」
「?」
「薬」
「…」
「ひどい顔だな。」
「毒薬か?」
「…」
「はたまた卑猥な薬か?」
「…刑部にも嫌われているのがよくわかったよ。もういい」
「左様か」
「返してくれ。他にやる」
「ひひひ」
「傷によく効くと聞いたから取り寄せてみたが不必要だな。よくよく考えれば二人には」
「傷?」
「ん、いやいい。ではな」
「やれ、姫?…行ってしもうた」
「…刑部。」
「やはり隠れておったな。はてさて。如何したものか」
「?」
「いや、何。我とて主を虐げる者は好まぬがなぁ。十数年前に泣かれたが理由ならば、我の少ない良心がなぁ」
「…泣かれた身になれ」
「そうよな。ま、致し方ない」
「で姫様は?」
「薬よ薬」
「毒?!」
「ひひひ。我とて言ったわ。いたく心外だったようよの。」
「だが…」
「まぁ今まで持ってきたものも毒とは程遠いがな。」
「私は姫様から嫌われている。用心に越したことはない」
「その猜疑心はどこから来よるかなぁ。まぁいい。実際持ってきたのは傷薬よ」
「?」
「どこぞから取り寄せたらしい。まぁ如何でも良いがなぁ。返した故」












「ということで半兵衛にあげる」
「有難うとは言い難いな」
「よく効くんだ!本当に」
「君が出入りの医師から聞いて手に入れた上吟味に吟味を重ねた傷薬だからね。よく効くやつだ。高かっただろう?」
「…それなりに」
「お小遣いがなくなってしまうね」
「いらない。」
「もう僕のお手伝いもしないの?」
「半兵衛が嫌がらないなら。」
「嫌がらないよ。」
「半兵衛ぇ」
「その話し方をしても剣も勉学をしても泣き虫は変わらないね。」
「皆が私を嫌うもの」
「そんなわけではないよ。…僕は姫の笑顔好きだよ」
「…笑うと睨まれるからいい。」
「んー…そうか。」
「ごめんなさい。半兵衛も忙しいのに」
「丁度休憩中だからいいよ。」
「もうすぐ休憩終わりでしょ?行くね」
「またおいで」
「御機嫌よう」









泣かれる三成









「…やれ三成」
「?!」
「あちらも気づいたなぁ…逃げよった」
「泣いていたのか?」
「あれがか?…気のせいであろう。」
「…」
「やぁふたりとも」
「半兵衛様!」
「賢人か…ん?」
「これかい?姫に今し方貰ったんだよ。」
「左様か」
「一番効く軟膏を探すと言ってね。下賜ではいけないからと僕の所で働いて初めて買ったんだよ。ふふふ。」
「働く?」
「確かに秀吉の子だけど養育したのは僕だからね。」
「…あの、」
「如何したんだい?」
「本当に傷薬ですか?」
「は?!」
「三成…」
「それは、如何いうことかな?」
「い、え」
「君の気持ちはよくわかったよ。ただ、人の真心をそういう風にとるのは如何かな?先の戦で怪我をしたから彼女なりの心配だと思うよ。この薬はとにかく高価でね。反面、よく効くんだ。君の病にもね」
「?!」
「まぁいいや。君たち姫とは接触してはいけないよ。あの子の為にならないからね。…そうだ。秀秋君を呼ぼうかな」
「…」
「同世代がこうじゃ姫も可哀想だ」

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