牡丹色 三成 戦国 長編 続き 現代終 2016年01月22日 「兄様」「ん?」「お呼びで御座いますか?」「ああ。今日からこの屋敷に住まわす事になった。」「ああ。仰っておりましたね。」「紹介する。石田三成だ」「石田三成です。」「初めまして。大谷様も一緒にいらっしゃると聞きました」「はい。刑部は後から参ります」「今まで兄様と半兵衛と三人でしたから賑やかになりますね。」「…」「姫様。お箏の時間で御座います」「はい。では私はこれで」「ああ。」ぱたりと閉まった扉を振り返ってみてしまう。松が如何しましたかと不機嫌そうに聞くものの私自身。理由がわからない。何故、あんなに悲しそうな瞳で私を見ているのだろう?理由がわからない。兄様は何百年と続く豊臣の中でも始祖以来の覇王と呼ばれる人だ。その人の左腕候補なのだよと笑って半兵衛がいっていた気がする。もっと兄様の様な人かと思っていたのに。どちらかといえば半兵衛に似ている。細さといい兄様への忠義心と言い。とてもお強くてあられるのが不思議な程儚く見えてしまったのだ。「姫様」「松?如何したの?怖い顔をして」「い、え」「石田様はお笑いになるのかしら?」「は?」「お辛そうでしたから」「…あの方は軍人であられます故。お笑いにならないかもしれませんね」「そう…」「如何か?」「いえ。私は別棟に移動いたしましょうか?兄様にご奏上してみます」「如何したのです?急に」「いえ。私の様な女が居ては目障りでしょうから」「姫様は陛下の第一の妹君であらせられまする。その証拠にご兄弟で唯一この宮殿にお上り遊ばしているのです。」「何故松がそこまで怒るの?ね?怒らないで」「…姫様は自分を軽んじ過ぎです!」「うふふ。そうかしら?それは松のおかげね。私の代わりに怒って行動てくれるから」「…」「松は私のお母様ね。」「な」「大好きよ松」「…」牡丹色「三成」「矢張り、私はここにいてはいけないのではありませんか?今までの様に宿舎から」「姫は何も覚えておらん。」「覚えていたならばお会いしてくださいませんでしたでしょう」「あの時と同じよ」「?」「あれが貴様の許嫁。」「な?!」「でなければならんのだ」「其れだけは」「三成君の部屋。用意できたよ」「半兵衛様。」「何?姫では駄目なの?」「お許しください。また、あの様な」「あれはね。君の所為でも姫のせいでもない。僕の所為だ」「その様な!?」「姫の価値を根付かせてしまったのだから。」「違います!あれは私が!!!」「もう良い。今の姫はあの時の姫と違う。お前がそうである様に」「秀吉様」「兄上様?開けてもよろしいですか?」「?!」「姫かい?開けても良いよ。ね、秀吉」「ああ」「失礼いたします。お食事の支度が整いました」「今行く。三成」「私は…」「石田様の分と大谷様の分も。」「ですが姫様にも御不快を」「私は時間をずらしますのでお気になさらないで下さい」「は?」「お仕事の話などありましょうから。では失礼いたします」「姫」「はい兄様」「一緒に食す」「ですが」「遠征があればまた一人で食べる日々だ。ここに居るとには共に」「半兵衛」「食事の時には話さないから安心して」「…」「私は…秀吉様の命に背く事は出来ません」「そう、ですか。」「はい」 PR