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変換なしの雑食夢

ran

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銀英伝

もし何かあったらミュラー提督を頼れ

パチリと爆ぜる暖炉の前でそう言われて、私は横に座る夫を見る。
微動だにせずただ真っ直ぐと火を見ながら何かを考えている彼の頭の中はどうなっているのだろう?私にはわから無い。
どうしたと言われて泣いていることに気がついた。困ったような。呆れたような。そんな顔をしてパウルさんは涙を拭う。


「私に飽きたのかな?とか」
「違うな」
「別れたいのかな?とか」
「もしそうならそう、言う」
「そんなことより。」
「如何した?」


貴方にもしもが在るのが嫌という。そういって両手で顔を覆って泣いてしまうとため息と共に頭を撫でられる。


「あるだろう」
「ないようにして」
「無理を言うな」
「無理を可能にするのが仕事でしょ?」
「…違うな」
「…そうか」
「ああ」



犬にするような撫で方をやめ髪をすかれる。
初めてのことで驚いてしまうものの其れだけ事態が逼迫しているのだろう。私の是非でどうにかなるのならこの人がどうにかしている。それがどうにもならないから今言ってくれているのだろう。


「愛してるわ。ずっと」
「死んだら愛さなくていい」
「無理ね」
「おい」
「新しく結婚したとしても貴方を忘れることはできないわ。」
「…」
「貴方が居なくなってもきっと貴方の匂いと声と温度は忘れられない」
「そうか」
「それでもいい?」
「お前が苦しくなければな」
「苦しいわよ。絶対」
「後は追うな」
「寂しくない?」
「無駄だからな。」
「そうかぁ」
「提督には言ってある。」
「準備万端じゃない」
「あれには」
「鶏肉でしょ?」
「ああ」
「みんなそのままに出来るところまでそのままにして置く」
「それで良い」



抑揚一つ変えずに火を見るパウルさんを見る。
視線に気がついたのだろう?どうしたと言って涙に濡れた頬に触れる。
冷たくて暖かい。厳しくて優しい。

私だけの指。



「ねぇ」
「?」
「ありがとう」
「礼を言われるような事は何もしていない。」
「愛してくれて」
「…」
「私を慈しんでくれて」
「ああ」
「幸せだわ」



そうかと言って頬にキスをされる。
後どれくらいだろう。こうしていられるのも。こう、愛しているのを伝えられるのも。


「寝る?」
「ああ」
「寝かせないでね」
「お前」
「其れくらいサービスしてよ」




でもこの人を選んで後悔などない。




別れまでのカウントダウン

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