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変換なしの雑食夢

ran

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言えない三成 2

頭でっかちと言われる姫の私は、確かに頭でっかちなのだ。四角四面の回答を述べて竹中様の問いを逃れながらそう思う。御簾越しに見る石田様は本当に私(姫)が嫌いらしい。声を出せば憎悪の塊で見られる。竹中様には羨望の眼差しを向けていらっしゃるのに。




「すごい顔色だね」
「ははは」
「習い事を詰めすぎたかな。」
「ふぁー…。ああそうだ。野菜食べます?」
「ああ。戴くよ。で、三成君は気づいたのかい?」
「いいえ。授業で知ってるでしょ?」
「まぁ、ね。」
「如何してこうなったのかしら?覚えてる?」
「そりゃ僕のせいだからね。」
「は?」
「覚えてない?僕が君を婢女の一人として紹介したんだよ。」
「…また半兵衛のせいか!」
「まぁ。僕のせいだけどね。」
「もう、いいわ。」
「ふふふ。君も大変なのに好かれたものだね。」
「はぁ…」
「ああ。今から畑?」
「着替えてね」
「気付かれないようにね」
「如何して?」
「彼は裏切りや嘘を嫌うからね。バレたら斬殺されてしまうよ。」
「?!」
「良い?ばれないように」
「…着替えますから出て行って」
「はい。よく出来ました」





嫌な大人の代表だと思う。鍬を片手に田に行くと石田様がいて心の臓が止まるかと思った。嫌な時に現れると思いつつも、それもまたいつものことかと思って声をかける。今日は長く居座る気だ。夕飯時まで畑にいると言ったのを漏らさず聞いていたらしい。




「竹筒までお持ちですか?」
「ああ。菓子もだ。」
「お餅?」
「恐れ多くも秀吉様に賜ったのだ。二つあったのを…おのれ…家康!」
「食べられたのですね」
「仕置きはしたが…気に入らん!一つはお前にやろうと思っていたのだ」
「は?」
「?」
「で、怒っているのですか?」
「ん?」
「…」
「い、え」
「食え」
「駄目ですよ!石田様が頂いたものですから!」
「だからだ。…婢女の仕事は大変だと聞いている。少しはマシになるはずだ」
「…石田様も激務ではありませんか」
「私はいい」
「で、も…あ!」
「如何した?」
「半分こにしましょ」
「いや、だが。」
「石田様も元気な方が良いではありませんか。はい、あーん」
「っ?!」
「?」
「…ん」
「私も。」
「よこせ!口を開けろ」
「え?あーん…?」
「っ!」
「石田様?」
「いや、いい。」
「おいし〜!」
「そうか」
「ありがとうございます。石田様」











言えない三成 2







「やれ」
「あれ、大谷様。」
「ひひひ。ぬしの親族は何処にある?」
「わ、たしのですか?」
「左様左様」
「ちょっと…竹中様に聞いてください。私はいきなり連れてこられた身ですから。でも、なんで?」
「いやはや。気になさるな。にしても」
「?」
「顔色が良くない。寝ておるか?」
「ええ!」
「ぬしには息災であっていただかなくてはなぁ。」
「はぁ。」
「なんとも気の抜けた声よの」
「いえ…私より大谷様が元気で居てくれればいいなぁと」
「ひひひ。良い子良い子」

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