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変換なしの雑食夢

ran

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言えない三成 10

刑部様が石田様をお怒りになっているのを尻目に私はせっせと草抜きをする。この時期の雨はありがたい反面雑草が生い茂って嫌になる。
ひと段落をつけて体を伸ばしたときでもあちらはまだ終わらないらしい。



「くどい!」
「我とて言いとうないわ!」
「ぐ…」
「本にぬしは言うに事欠いて!何故素直に言わん!」
「失礼します」
「おお!ぬしもちと言ってやれ!」
「お、落ち着いてください。大谷様。ぐるぐると後ろの鉄が回っております。石田様…何を此処まで大谷様を怒らせてしまったのですか。」
「刑部はいつもこうだ」
「三成!」
「石田様…何を拗ねておられるのか知りませんがご友人に対してそのような態度は如何かと思います。大谷様はいつも優しく親切ではありませんか」
「姫っ!やはり我が三国一の婿を探してこよう」
「刑部!」
「ふふふ。まぁ一服なさってください。」
「…茶か。あいすまぬ」
「…」
「石田様?」
「三成?」
「私は」
「「?」」
「お前のこういうところが好ましい。」
「は?!」
「日常を彩ってくれる。華やかでもなく飾り立てるわけでもないのに…」
「…」
「お前がいて刑部がいれば私人としての私は満たされる。そう、お前が臆せずかと言って媚びず美しい笑みを浮かべて私の名を呼んだときそう思った」
「…石田様?」




そう言うと指先を持たれる。この時、こんな感じに触れられること自体初めである事を気がつく。



「ずっと言いたかった」
「…は?」
「私は言葉が足りない」
「はい」
「否定しろ」
「ふふふ」
「…」
「石田様?」
「私はお前の笑顔が好きだ。」
「え?」
「私の横で、そう笑っていてくれ」
「…」
「おい」
「もし私が兄様の妹ではなかったら」
「?別に今でもどうでも良い。大体姫のふりをしているお前は好ましくない。抑揚のないつまらないといった声は聞くに堪えん。」
「そうでしたね。石田様の姫嫌いは有名でした。」
「すべて捨てて私の元に来い」
「…兄様も?」
「秀吉様は崇拝しろ。…おい、笑うな」
「刑部様…くくく」
「ひひひひひひ」
「おい!」
「お腹が痛い!」
「我もよ。本に言葉が足りない」
「?」
「声をかけられた瞬間に一目惚れよ」
「そう言っているだろう?」
「わかんな…くくくくく」
「笑うな」
「ふふふ。私、綺麗でもないし朴訥ですよ」
「誰が言った!!!お前は何よりも美しい」
「ぬしよ。ぬし」
「…言ったか?それで怒っていたのか?!」
「ふふふ。今はもう」
「笑って言うな」
「拗ねないでください」
「拗ねていない!」
「お嫁さんにしてください」
「笑う…は?」
「お嫁さんにして下さい」
「嘘ではないな」
「嘘で言いませんよ」
「…刑部」
「本に疑り深い男よ。」
「っ!?」
「顔真っ赤ですよ」
「お、お前が!」
「?」
「…いや、いい。刑部?どこへ行く?」
「保護者会よ」
「「?」」






言えない三成 10











「新居は此処でいいです」
「だがのう。狭い」
「勿体無いし…戦にお金入りますから」
「ぬ…」
「石田様は?」
「同じ事を言う」
「ふふふ」
「いやはや。如何するか」
「此処にいたら孫の顔見れるといえば決着つきますよ」
「左様か」
「あら、石田様?」
「おおおおおおおおお前は!」
「何やら叫んでおりますよ」
「はてさて」
「まままままままご!」
「ああ。いつかは子が欲しいでしょ?」
「…」
「どちらが初心かわからんなぁ。」

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