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変換なしの雑食夢

ran

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落乱 雑渡

「何、それ?」
「ひ、姫様?!」
「いい?もう一度だけ聞くわよ。それ誰がやったの?」
(内容変わってるぅぅぅぅぅ!!!)
「手出し無用、との事です。」
「陣内さん。」
「もう高坂が」
「ああ。なら、いい。」
「あ、の。姫様。お座りになったほうが…」
「尊ちゃん」
「ひっ」
「雑渡さん死なないよね。大丈夫だよね。」
「あ、当たり前です!小頭が…。陣内さぁぁん!」
「大丈夫です。…泣くな尊奈門!お前が泣くと鬱陶しい!!!」
「「わぁぁぁん」」








パチリと目を開けると苦しそうに唸っている雑渡さんがいて我に帰る。尊ちゃんは今、薬を煎じているのだろう。ゴリゴリという音が聞こえる。ずれた手拭いを取って冷やし直しながら水を変えないとなと気がつく。血と体液と汗と。此の我慢強い人が此処まで苦しむのだから相当なのだろう。


「ん、」
「…」
「っ…」
(痛いよね)



それでも声をあけずにいるのは彼が忍びだからだろう。使い捨てと父上様が言う。忍びは使い捨て。だから私が看病する事はならないと母上様はいい、此処に来るのも嫌がったのだ。ただ使い捨てといった父上様は違っていたようだ。構わぬとだけ仰った。ただ、それを言葉通りに受け取ってはならないのが私の父上様の嫌なところだ。此の言葉の根底に何があるのか。私にはわからない。だが、私にも引けないところがある。曲者の灰汁の強い父上様の一人娘。唯一我儘を言える立場の女なのだ。必要なカードは全て使う。此の男を守れるならば、私はいくらでも卑怯になれるのだから。


「姫様。」
「しぃー」
「小頭は?」
「寝てる?」
「私にも小頭が寝ているかどうかわからないです。」
「なら私には絶対無理ね。」
「…帰らなくていいんですか?」
「うん。」
「殿は?」
「意外と雑渡さんの事気に入ってくれてるみたい。渋ったけど良いって。」
「し、渋ったんですか?」
「うん。なら父上様と二度と口聞かないって言ったら許してくれたよ。」
「…」
「あとさぁ」


じっと天井を見る。キョトンとこちらを見ている尊ちゃんを尻目に私は言葉を続ける。経験則とは恐ろしい。が多分ここいらで来るはずだから。


「雑渡さんに何かしようと考えてたら、私が此の場で死ぬわよ。」
「は?」
「父上様に伝えておいて。私は私の玩具を取られたり壊されるのが大っ嫌いなの。本当に口聞かないって。」
「お、玩具って!」
「これから雑渡さんの口につけるもの、身に触れるものは全部私が使うから。」
「は?」
『姫様が毒見役をなさるつもりですか?』
「えぇ?!!」
「ええ。その通り」
『殿が卒倒いたします』
「此の声は…お頭?!」
「伊達や酔狂で此処にきたわけじゃないわ。雑渡さんが治るまで。私と尊ちゃんは看病します。」
『十四の何も知らない娘や十やそこらの童では無理です。』
「それは父上の言葉かしら?」
『…』
「私を軽んじましたね。見てなさい。十四には十四の意地があるのよ。」




そう言うと溜息が聞こえて居なくなってしまう。きっと父上様に言いに行ったのだろう。ふーと溜息をついて尊ちゃんをみると少し怒ったようで私も溜息をつく。手を出してと言えば渋々という感じで出してくれるので以前二人で作った暗号を書く。ごめんね。うそ。雑渡さんと尊ちゃん。陣内さん。高坂さんがすごく大事。すると、解ってるけど腹がたつ、とぶすーとした顔をされる。


「水を変えないと」
「いってくる。」
「気をつけてね。」
「うん。」


そう言うと出て行く尊ちゃんを見つめたあと雑渡さんを見る。きっと寝ているのだろう。そうであって欲しいと思うのだった。





螢火

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