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変換なしの雑食夢

ran

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蛍火

「…」
「嬢…」
「…え?!」
「失礼します。」
「陣な…って何してるの?!」
「…」
「山本さん?」
「はぁ。少し待っていてください。高坂、体温計取ってこい」
「わかりました。」
「?」
「…体温計?」
「ひどい熱ですね。うちの下のが熱出した時の顔とよく似てます」
「嬢??!!!?」
「熱測れますか?尊!毛布持ってこい。それと高坂、善法寺にも連絡してくれ。」
「はい!」
「ポカリも持ってきます。冷えピタは有ったかな?」
「氷にしろ。かぶれたら殺されるぞ」



ぼーっとそのやりとりを見ていると機械音が聞こえる。取り出して渡す。おずおずと山本さんの顔を見ると怖い顔になっているので相当高かったのだろう。何度ありましたかと尋ねると39.5度らしい。そりゃ酷いと他人事のように言うと停止していた雑渡さんがすごい奇声をあげて動き始める。壊れたロボットみたい。
尊君が持ってきた毛布をぶんどってぐるぐる巻きにされる。息苦しいと言いたい所で山本さんが直してくれる。首を横に 振ると言うとオプション付きで。
そして高坂さんに電話をもたせて(通常モード)善法寺さんに何かを訴えている。煩いし、頭が痛い。



「直ぐ連れてくから。うん。頼むよ」
「山本さん、雑渡さんの午後からの」
「隅田のは代わりに行け。岡田は俺が行く。高坂は運転しろ。あの人が飛ばせといっても飛ばすな。雑渡さんも」
「なに?!」
「安全運転を厳守してください。あと声も。嬢の熱が上がりますから。」
「…」
「あたま、いたい」
「うん、うん。直ぐ伊作君の所に連れて行ってあげるから」
「う、ん。」
「辛くない?飲めそう?」
「欲しくない」
「陣左は?」
「車回してきています」
「あと頼んだよ」



そう言うと雑渡さんは私を抱き抱えて外へ向かう。減らず口も叩かず、終始焦っている。その理由がこのあいだの話なら少し嫌だなと思う。ずっーと昔の私に嫉妬しているだなんて、すごくバカらしいけど。





蛍火





点滴嫌だなと言えば、笑顔の善法寺さんに大人しく腕を出すのと羽交い締めで無理やりやられるのどっちが良いと言われたので大人しく腕を出す。この人顔の割に怖いんだよねと思えば、痛い方で良い?と尋ねられるので謝る。曰く顔に出ているらしい。
雑渡さんはと尋ねるとあの人はあなたに甘いから外で待たせているとのこと。甘いのかなといえば、注射を打つ時に銃口が向けられるらしい。甘いのでは無く過保護だねと笑いながら言う時には処置が終わっていた。



「前世」
「え?」
「信じます?」
「信じるも何も…」
「善法寺さんとも知り合いでしたか?」
「うん。ただ、あなたと違って因縁じみているけどね。」
「へー」
「君は?」
「どうだろ。覚えてないから」
「不安?」
「凄く」
「前の君は愛されていたからね」
「へー」
「会いに来るのもあなたの話をするためだもん。」
「幸せだったのね、昔の私に」
「如何だろうね。心の内まではわからないけど。今は?」
「延長的な?」
「ふふふ」
「善法寺さん?」
「あの極悪非道が服着て歩いている人が君が熱出たくらいで慌ててくるんだよ。延長的なものでは無くて君そのものが大切だって思わない?」



そう言って善法寺さんはパイプ椅子に座る。安心して、彼は君を愛しているよと言われても素直にうんと言えない。だって、と思案して頭が痛くなるのを感じる。


「無理しない」
「はい」
「あ、そうそう」
「?」
「雑渡さんね、君の名前呼んでたよ。すぐに治してくれっていいながら。」
「…」
「小さい時からよく熱出してて、最近油断してたって言いながら。私さ、ふと思って聞いたんだよね」
「何を?」
「昔の二の舞は嫌ですかって」
「…悪趣味」
「ふふふ、ならあの人如何なったと思う?一旦停止してそう言えば!って。笑ったよ。昔死に目に会えないって散々後悔したのに忘れてるんだもの」
「…」
「それ位に君が大切なんだよ」



そう言うと私のおでこに手を乗せて、うん。可愛いと言うと席を立つ。如何いうことだろうと再び思いながらドアを見ると心底心配してくれている雑渡さんの顔が見えて、より深く愛しくなってしまったのだ

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