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変換なしの雑食夢

ran

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秘密を抱える三成 2

「なぁにしてんの?」
「いやぁ…日光浴です」
「サボりだろう?」
「三成様誘ったんですけどねぇ。忙しいって剣もほろろに断られました。」
「そりゃあ、なぁ」
「今日はお客様が見えてましたから、疲れたのですかねぇ。」
「あー…」
「あんなハイテンションな三成様は不気味以外のなにものでも…」
「おまっ?!」
「にしても美人でしたねぇ。」
「気になる?」
「いや、全然。あの人パッケージこそ三成様だけど。中身は間違えなく、大谷様でしたもの。君子危うきによらずと言いますし…ありゃ」
「ベルの音だ」
「っち!面倒くさい」
「お前、もっとオブラートに包もうよ」
「最近の落としまくるんですよ。嫌がらせかよって思っでも一応雇用主だし。面倒くさいです。面倒」
「って言いながら手洗ってんだな」
「忠実なメイドですから。そして今日のお菓子はクロカ…クロカン?」
「何?黒田官兵衛の略?」
「…」
「?」
「ちっちゃなシュークリームのタワーです」
「名前くらい覚えようよ」
「えー…面倒くさい」
「本当にメイドかよ」




メイドですよぉ〜と言う時には三成様の部屋の前である。プレートはないので、ノックをしてみると入れとのこと。お呼びでしょうかご主人様と言えば今世紀最大の「珍獣発見」に立ち会った人の如く目を大きく見開いて悪いものでも食べたかと言われる。本当にこいつはと顔に出しながらお茶の時間で良いですかという。御茶菓子が食べたいんですよと付け足すといつもの顔に戻って持って来いとのこと。何だかなぁ。





「不服か」
「忠実なメイドの体で行くと三成様には珍獣扱いされるし、大谷様には盛大に引き笑いされるし、横の人には胡散臭い顔されるし…踏んだり蹴ったりですよ」
「ちょ?!名前言って!!!!!」
「えー…面倒くさい」
「たった3文字だろう!様つけても横の人と同じ!」
「そういうとこがうざったいんですよ」
「左近、黙れ。」
「は、はい!」
「大体、貴様は変人のメイドだ。普通にしていて変人なのだから仕方がない」
「物事を深く考えない性質なんですって。はいどうぞ。左近様は?」
「左近は構わん!」
「三成様ぁ〜」
「えー…私は?楽しみにしていたのに!」
「?」
「???」
「飲むのだろう?飲め」
「近習が飲まなくてメイドが飲むんですか?」
「貴様は頭が空っぽで、変人の珍獣メイドだが」
「かなり蔑んでますね」
「これはかなり気に入っている」
「はぁ」
「私と己以外に飲ますな」
「えー…」
「拒否は認めない!」
「今日のお客様と大谷様は?」
「…」
「…」
「あと、一方いらっしゃる。その方を含め3人は例外だ」
「へいへい」
「きちんと返事くらいしろ!」
「それよりクロ、クロカン?」
「なんだ?暗の名か???そんな不幸じみた食べ物はいらん!」
「…」
「…」
「シュークリームのタワー食べましょ!」
「貴様…名前くらい覚えてこい!」
「だって!見てくださいよ!この可愛さ!不幸の片鱗もありません。今のご時世、なかなかお目にかかれませんよ」
「そうか…」
「お茶もはいったし。食べましょう」
「もっと食べろ」
「嬉しいですけど半分こです」
「それでもかなりずーずーしいよな」
「まだ居たんですか?」
「おまっ?!俺の方が身分高いのわかってんのかよ!」
「えー…。大谷様くらいになってから偉そうにしてくださいよ」
「俺だってなぁ!お前の知らない三成様の秘密を…」




うざ左近様が何かいいかけた瞬間、ドスッという音がする。明らかに何か投げたのは三成様だし。何かは右手に持っていたナイフだろうし。うざ左近様の顔の横切れてるし、みつなりの顔、魔王だし。
とりあえずやナイフは投げつけるものでもないですし、ハイティーは優雅に食べるものですよと言えば、鼻で笑われるが目線、うざ左近様。表情魔王のままである。




「三成様」
「…」
「お顔が魔王に成ってます。うざ左近様がうざったいのは今に始まった事ではないのですから、座って食べましょうよ。」
「仕置きが必要だ」
「後にしましょうよ〜。三成様食べないと私食べちゃいけない事になってるんですよ!大谷様が言ってたでしょ!」
「おい…」
「すっごく楽しみにしてたんですよ!お仕置きなら今日のうざ左近様の食事に雑巾の汁入れておきますから。ねっ!」
「お前、俺の事嫌いだろ!」
「今はすごく嫌いです。シュークリームのタワー食べさせてくれないのなら、みつなも同罪です!」
「なっ?!」
「私、凄く、食べたいんです!」
「っ。わかった。」
「!」
「食え。話はそれからだ!」
「え?!」
「わーい」
「俺、まだ助かってないじゃん!」
「おいしぃー!!!凄い!美味しいです!!!」
「そうか」
「幸せ〜。」
「…」
「三成様も!はいあーん」
「ん…」
「美味しいですね!」
「甘い」
「当たり前ですよ!だから幸せなんです〜」
「…そうか」







秘密を抱える三成 2








「何してんですか?」
「仕置きだ。」
「暗闇で追いかけっこしないでくださいよ」
「貴様こそ、それはなんだ?!」
「いや、最近物騒だから。盗賊なら危ないし」
「好き好んで此処にはこん」
「そうですか?まぁこの辺りは人攫い少ないですけどね」
「人攫い?」
「最近美女が攫われてるんですよ!きっとエロ狒々爺です。」
「貴様は大丈夫だ」
「暗に美人でない事実を突きつけてますよね!」
「…」
「否定して!」

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秘密を抱える三成 1

朝である。健全な人間なら起きる時間だろうけど、ここの主である三成様はまだ寝ていない。というよりもこの人は寝るつもりはないのかもしれない。今も書斎で何かをしているみたいだけれども…『立ち入り禁止』と達筆で書かれたプレートを表に出している時は入ってないけない事になっている。以前入ってしまったメイドは即刻解雇になってしまったらしい。何を、しているのかは興味深いけれども今は衣食住の方が勝っている。ので、静かに銀食器を磨いているのだ。本当にやる事の少ない屋敷である。何でも、名家で資産家であと何だったっけ?働かずして生きていけるのだから羨ましい。私は生まれた時からその日暮らしだから、三成様のような境遇はよくわからないのだけれども、苦しくはなくとも楽ではないらしい。




「旦那様がお呼びですよ」
「えー…」
「えーではないです。早く手を洗っていきなさい」
「はーい」




ベルの音がしたらしいので私が呼ばれる。三成様付きのメイドは一人で皆、数ヶ月持たない。辞めるのではなく配置換えが殆どだ。些か面倒くさい人だから仕方がないけど、何故か私は2年もっている。奇跡と言われたものの決して気に入られているわけではない。神経質すぎる三成様にズボラすぎる私で丁度いいと言ったのは確か、大谷様ではなかっただろうか?

言えてて妙だなぁと思いながら扉の前に立つと、いつもはなくなっているはずのプレートがまだあって首をかしげる。




「三成様ぁ」
「な、何だ!」
「ベルの音したみたいですけど」
「お、としただけだ!そうだ!落としただけだからまだ入るな!!!」
「わかりました〜。」
「向こうへ行け!」
「あら、酷い」
「何が酷いものか!」
「だってベルが鳴ったらやって来る忠実で真面目なメイドですよぉ〜」
「…もう良い!本当に向こうへ行け!!!」
「はいはい。あっ!」
「何だ!!!」
「三成様ぁ〜」
「だから!何だと聞いている!!!!」
「後でお茶にしましょうね〜。マフィン上手にできたんですよ〜」
「…わかった!!!!!だから」
「では、また後で」





そう言って部屋から離れる。にしても何をしているだろう?珍しく言い澱んでいたし。ま、良いかと思いながら今日のお茶は何にしようかなぁと呑気に歩いているとふわりと大谷様が現れる。一応一礼すると凄まじく引き笑いされる。曰く、メイドのふりをせずとも良いということ。失礼な私、忠実なメイドですわ!と言えば益々笑われた。





「やれ、主は相変わらずよの」
「しこたま笑って言う台詞ですか?」
「大体、メイドは客の前に現れぬものよの」
「あー…んー…大谷様は特別なのですよ。私のようなホームキーパーの妖精が見えるのですから」
「妖精のう…にしては随分とまぁ」
「ええ。随分とまぁでも妖精は妖精ですから」
「主らしい事よの。で、三成は?」
「お部屋にお籠りですよ〜何してるか知りませんが…まぁ三成様も男ですから色々ありましょうよ」
「主は適度に耳年増よなぁ。健全と言えば健全か」
「だって女っ気ないんですもん!そっち系かと思えば、すごく怒られるし!」
「…怖いもの知らずよのぅ」
「私にだって怖いものの一つや二つ…っち!三成様だわ」
「舌打ちするでないわ。本に主は」
「大谷様も行きますか」
「…」
「今日のお茶はお取り寄せしてみたんです。ここ、鬱屈としてますから華やかなお茶ですよ〜」
「左様か」
「なんか嫌そうな顔をしてますね。」
「主のどこが良いのかと思うてな」
「全体…?ですかね」
「言うなら言い切りゃれ。」
「いやー…謎ですから」
「そうよなぁ」
「ですよね〜」
「…」
「?」
「主は、本に頭が悪そうよのぅ」
「否定はしませんよ」
「だが、」
「大谷様?」
「実に興味深い」
「???」
「あー!きちゃったの?!もう来ちゃったの???!」
「あー…うざい左近様だ」
「ひでぇ!」
「あ、すいません。間違えました。うざったい左近様だ」
「もう良いよ…あんたってそういうやつだもんね」
「ひひひ。もう良いのか?」
「いやー…途中でベル落としたみたいっす」
「またですか?」
「「また?」」
「さっきも。まぁ良いか。後で来ますね。」
「え?!あーっ!行っちまった」
「やれさて。あの三成にしては不用心な事よの。…如何したものか」
「さぁ。如何したもんっすかね」







秘密を抱える三成 1









「薔薇ですよ。薔薇!私が唯一、仕事をする薔薇です」
と言ってテーブルに置くと至極嫌な顔をされる。あれ?薔薇嫌いですか?と尋ねればバンバンとテーブルを叩きながら貴様の仕事は私の身の回りの世話だろう!と叫ばれる。頑丈なテーブルでよかった。でないとぶっ壊れているところですよ。




「大体貴様は!」
「これは薄紫でですね、三成様に似てるんですよ〜」
「は?!」
「ね!」
「…」
「歯ぎしりしないでくださいよ〜。若いうちに入れ歯になりますよ!」
「黙れ!」
「では、黙りますよ。良いですね!私が喋らないとここはゴーストハウスになりますよ!静かで鬱蒼と」
「もう良い…大人しく茶を飲め」
「良いんですか?!私も飲んで!」
「元よりそのつもりだろう。」
「いやだって。大谷様すぐ帰っちゃうんですもん!せっかく用意したのに」
「刑部は多忙だ。貴様のように暇ではない」
「えー…。まぁ良いや」
「今日は済まなかった」
「?」
「何度もベルを落としてしまった」
「あー…良いですよ。別に」
「何があってもプレートのあるときは部屋に入るな」
「わかってますよ〜。私だって無職嫌ですもん!それに」
「意外と気に入ってるんですよ此処」
「そう、か」
「幾ら、三成様が変わり者で面倒なやつでもこれだけ自由にできる場所はそう多くないですから」
「…おい待て!貴様…変わり者はお前だろう!」
「私は変わり者ではありませんよ。ただ気にしないだけです」
「…」
「お茶のお代わり、如何ですか?」
「…」
「?」
「…頂く」
「はい」





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