忍者ブログ
変換なしの雑食夢

ran

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

片思いの三成さん7

「おい!」
「はい」
「貴様は奥の妹と聞いている。」
「私は継腹ですから異母姉妹になりますが…そが何か?」
「あれの好みを言え」
「は?」
「好きなものだ!」
「え、と。姉様のですよね」
「知らぬのなら良い!他に聞く!」
「あ、旦那様!待ってくださいませ!!!」
「おい!奥馴染みはどこだ?!」
「お待ちくださいませ」






あれから一月して殿が大阪に行かれる。私はと言えばまだ体が本調子ではなく絶対安静を言いつかっているのでまだ療養中だ。些か仰々しいなぁと思えば医師にまで言われてしまう。相当今回の病は重かったのだろう。
何より、驚きなのが今回は大谷様が残っていらっしゃる事。もう逃げ出したりいたしませんよと笑えばここの拡張工事のためよと笑われた。城をより強固なものにするらしい。何より、太閤殿下が御越し遊ばせるらしくその御殿も必要らしいので大谷様は忙しそうだ。ただ。誰があの方の無精をお叱り遊ばすのだろうと、思っていたら顔に出ていたらしい。一通り笑いになって竹中様にお任せになったと言われ一安心だ。言う事を聞くという話ではない。





「奥よ」
「はい」
「主は何が好きか?」
「は?」
「意匠の好みよ。何か欲しいものはないか?」
「ああ。…特には」
「のようよの。我も聞かれて思いつかなんだ。」
「あまり興味がなくて…例えば花などは美しく思いますが手折るのは哀れですし…小鳥や猫や犬など飼うのも…私が居候のようなものですから」
「奥が居候なら他はどうなるか…」
「奥などと呼ばれる日もそう長くはありますまい。」
「…」
「大谷様?」
「…主は邪気なくそのように言うものだからなぁ。己が一身に寵愛を受けるように思わぬのか?」
「誰かと競ったりするのが苦手なのです。幼い折よりいろいろ見てまいりましたから。押し除けたり讒言したりするのはまた悲しい事です。あっ」
「何よ?」
「欲しいものありました…あ、意匠ではありませんが」
「良い良い。何よ」
「殿と大谷様と左近様が」
「ん???」
「日々安寧で健やかな事です。」
「…」
「殿はああですし。それにつられて大谷様も…。左近様は言わずもがな。」
「あ、ああ。主はそういう女だった。そうよ、そうよの。故に…だがなぁ」
「?」
「もっと何かないか?」
「皆様がご無事…」
「其処から離れよ。」
「んー…」
「ないか…主は本に」
「?」
「良い良い。もう寝りゃれ。やはり顔色が悪い」
「はい」







片思いの三成 7







「奥方様は元々殿によく似てよくの少ない方でございますれば食事も漫ろ、、睡眠も漫ろというのはよくある事でございます。すぐ体を…まさか?!」
「臥せっているが…故に治りが遅いのか」
「はぁ。御労しい。」
「貴様ら姉妹は佐和山に行け。私から側にいう」
「?!」
「故にあれの好きなものを言え」
「…紙と硯です」
「は?」
「有名な能書家なのですよ。あと、琴や笛も。此方はもう持って御いでですので紙や硯の方が」
「…わかった。だが手紙は」
「あの方の手紙は誰かが代筆しております。」
「な?!」
「昔御母堂様にお叱りになられて…殿」
「何だ」
「どうぞ奥方様を大事にしてあげてくださいませ。幼い折より舌筆しがたい事を経験している方ですので…ご自身は誰にも愛されないと思って御いでです。」
「?」
「もし、慈悲をお掛けされるのであれば御見捨てなさらないでくださいませ…どうぞ」
「そのつもりだ…おい」
「?」
「奥に贈り物をする。それを持って一緒に帰れ!」

拍手

PR