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変換なしの雑食夢

ran

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死屍累々 9

「…」
「おい」
「はい?」
「調子はどうだ?」
「もう完治してます」
「医師」
「まだまだです!」
「…」
「貴様は!何度言えばわかる!!!」
「飽きたのです」
「貴様!!!!!」
「やれ、はい…何を叫んでおる三成よ」
「刑部!こいつが私に!!!」
「飽きました」
「可愛くねだりしゃれ」
「…」
「…」
「治りました」
「何も変わらん!」
「ひひひ。無理か、無理よな」
「刺繍糸でも頂けたら」
「そうやっているから熱が下がらんのだ!!!学習しろ!」
「…」
「飯も食えずにいるだろう!」
「やれ、奥方。ああ、そうよ。三成。毛利がまた来ているが」
「何?!」
「松寿丸様が?」
「通しゃるか?」
「許可しない!!!!!!」
「…」
「無表情でみりゃるな」
「…」
「な、にかいえ!」
「…」
「黙って寝るな!」
「…」
「っち!好きにしろ」
「良いようよ。」
「姫!」
「松寿丸様」
「労しい…我の元にいたらこんなことにはならない!やはり我のところに」
「風邪がうつりますよ」
「うつるものか!」
「貴方らしい」
「頭か?胃か?」
「…」
「頭だな。おい!大谷、医師に頭痛薬を持って来させろ」
「あいわかった。にしても襷とは何事よ」
「手拭いも…きちんと変えろと言うておるのに。乾いておる」
「面倒で」
「相変わらずよ…水指しはどこだ」
「…」
「貴様ら!!!揃いも揃って何をしている!!!!!」
「黙れ!」
「姫を殺す気か!看病もせずただ見ているだけとは!」
「松寿丸様…落ち着いて」
「姫!我の策に抜かりは無い!早々に治してやろう」
「貴方様も大国の主。そう長々と国元を離れてはなりませぬよ」
「な?!」
「ひひひっ。ぬしが女に尽くすとは」
「姫だ!」
「姫は姫和子と妹ですよ。私は野武士とか護衛と言われていたではありませんか」
「馬鹿を言うな。我は一度も言ってはおらぬ。そなたは我の姫君よ」
「お戯れを」
「…薬を飲んで寝ていろ!不愉快だ!」
「旦那様」
「やれ、三成よ」
「ふん」
「貴様などどうでも良い。姫、味噌汁を作ってきた。」
「あら…懐かしい」
「!!!!!」






死屍累々 9









「もう安静にしていたら2日3日で完治ですね」と医師に言われてわたしはほっとする。漸く溜まった仕事ができると思いつつ看病して下さった松寿丸様を見る。よかったなと言われるので私も静かに頷く。




「無理は禁物ぞ」
「はい」
「…やはり妻になってほしい」
「奥方様がいらっしゃるでしょう?」
「あれは」
「正室は家と家との結びつきと良く母が言っていました。己の好き嫌いではどうにもならないと」
「…」
「其れが理解できていない貴方様ではありますまい」
「だが…幼き時の約束は忘れたわけではあるまい」
「忘れておりません。…忘れられるはずもありません」
「姫」
「私は其れだけで生きていけます。もう貴方様も私も昔とは違うのですから」
「…」
「もし、ここで死んだとしても私は誰も恨みませぬ」
「石田とは…」
「…良く、わからないのです」
「?」
「厭われておりましたのに…急に側に来られるようになりました。」
「そうか」
「これも嫌がらせの一環か否か、私にはわかりかねます」
「…もし」
「?」
「何かあれば我のところに来い。」
「…はい」
「姫」
「松寿丸様?」
「愛しておる。愛しておったとは 言い辛いが」
「私も」
「このまま安芸に帰る。息災でな」
「貴方様も」

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