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変換なしの雑食夢

ran

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死屍累々 19

「奥」
「…」
「手を出せ」
「?」
「…」
「わ…」
「…奥はいつも花を見ているからな」
「似合いません!こんな可愛らしい櫛」
「似合う」
「似合いません!」
「…ほら、似合う」
「?!」
「着物も見繕うぞ!秀吉様の許可も頂いている」
「わ、私は」
「そういう色も似合うが…淡い色も似合うだろう。」
「似合いません…」
「奥」
「皆にそう言われていましたし」
「皆が誰か知らんが!私は讒言は好まん。…似合うものははっきり言う」
「っ」
「行くぞ」
「あ、う…」









太閤殿下曰く何時もの礼とのこと。確り見繕いましたと言って広げられる夥しい反物に慄きながら手を引かれる。その先には困った顔の大谷様がいて諦めよと言われてしまった。



「此れも似合うな」
「やれ三成、その色はいかぬいかぬ。伊達の色よの」
「…誰だ?」
「ひひひ。こちは如何か?」
「藤色ばかりになる。」
「主の色故なぁ」
「淡い紅色はあるか」
「ああ、愛らしい」
「…う、あ」
「ひひひっ珍しく主がたじろいでいるなぁ」
「似合いませんもの!助けて下さい」
「三成よ。そこの絞りをとらしゃれ」
「ん?これか…」
「旦那様?」
「よく似合う」
「っ?!」
「お前のことだ。いつもというわけにはいかんだろうが着飾ることを厭うな」
「ですが」
「似合っている。嘘は言わん!」
「たまには城下でもいかしゃれ。主とて城外はまだよなぁ」
「ですが」
「太閤もそうせよと言っておる故。この着物が出来ればゆるりといかしゃれ」
「…旦那様」
「行かぬ気か?」
「い、え…」
「私は行きたいと思っている」
「?!」
「如何した?」
「いや…如何すれば良いのか戸惑っているだけです」
「戸惑うな」
「慣れませんもの」
「慣れろ!私は」
「?」
「貴様が如何思おうとも貴様の事を…愛しく思っているからな!」
「…」
「おい!これに合わせて帯小物を整えておけ」
「はい」
「刑部」
「今日の仕事はもう済んでおるゆえ。安心いたせ」
「?」
「行くぞ」
「え?あの」
嫌なら断ってくれても構わん」
「?」
「名実ともに私の妻になってくれ」
「……は?」
「ダメか?」
「お待ちください!?何が何だか」
「…お前は寝ていれば良い」
「っ」
「出来るだけ、善処する」










死屍累々 19







「…」
「ん?」
「…」
「おい」
「お、」
「お?」
「お気遣いなく」
「…脱がせれん!」
「いえ、お気遣いなく」
「逃げるな!」
「逃げておりません」
「奥」
「ひっ?!」
「?」
「あ、う」
「落ち着け」
「…」
「無表情故、お前はわかりにくい」
「そう、でございます」
「が、」
「っう!」
「嫌なら断ってくれ」
「…旦那様」
「私にしては、かなり我慢をしているが…お前が、怖いのなら」
「怖いというより」
「?」
「は」
「は?」
「恥ずかしい…」
「は?」
「後生です」
「おい」
「は」
「恥ずかしいのだな」
「う」
「嫌でも怖いでもなく」
「う…?」
「…」
「(嬉しそうに笑ってる?)」
「そうか」
「?」
「なら」
「ひやっ」
「じき、わからなくなる」

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