忍者ブログ
変換なしの雑食夢

ran

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

曼珠沙華

「…」
「返り血をふかしゃれ」
「時間が惜しい」
「戦慣れせぬ女子に血は見れの顔を見せるつもりか?嫌われても知らぬよ知らぬ」
「?!」
「それでいい。手紙は?」
「書いた」
「ひひひ。マメよな」
「だま…」
「ん?」
「…」
「簪か?」
「いや、良い。直ぐ」
「似合いよるだろうなぁ」
「っ」
「土産を買うものも多い。此れなら日々つけれ様」
「主人はいるか!」
「ひひひ。」







ごしごしと廊下を拭いているとふと影ができるので顔を上げる。
見た事がある顔だった。たしかどこかの御家中の近習、だったはずだ。今ここには誰もおられませんが…と言えばにたりと笑われる。この顔も知っている。ただ、すごく嫌な意味で。




「どうせ、愛玩用なのだから。私がどうしようとも平気だろう?」





動けただけ御の字だったのかもしれない。ただ、声は出なかった。恐ろしい。気持ち悪い。頭の中にぐるぐるとその二言が回る。




「逃げるな!!」
「いやっ!誰か!!!」
「ここには誰もいない!下女のくせに!暴れるな!!!」
「ひっ!」
「っ?!いてぇ目に遭いたいらしいな!」
「ぐっ!」
「このまま首を絞められてが良いか?」
「か、はっ!」
「どうせあいつらにも抱かれてんだ!何日もいないのだから寂しくていけねぇだろ?俺が相手してやる!」
「っはっ!ごほごほ。やっ!」
「くそ!暴れるな!!!」
「帯を!とかなっ」
「此れで良い。大人しくするまで縛ってやる!」
「やー!!!」
「じっとしてな」
「つ、さま!」
「あ!?」
「三成、様!!!」
「うるせぇ!あの茶坊主のどこが良い!!!」
「っかはっ!」
「家柄も何もかも!俺の方が上だ!!!」
「あっぐっ!!!」







意識が遠のく。このまま蹂躙される位なら頸いてほしい。ただ、無事と書かれた手紙を思い出す





あの、優しい顔を思い出す。










「…みつ、なり様」
「っ!」






薄れゆく意識の中視界が赤く染まるのが分かる。








「っかは!」
「大丈夫かい?!」
「半兵衛、様?」
「意識は戻ってよかった。首を絞められていたの覚えてるかな?」
「いく、さ」
「早々と引き上げてきたんだよ。三成くんのお陰だね」
「みつ、なり様?」
「君を助けたのは彼だよ。今支度をしているから。」
「…」
「何もなくてよかった。すまないね。君を子供だと思ってばかりで…こういう肝心なことを忘れているなんて」
「三成様」
「ああ。泣かないで。直ぐに来るから」
「うう…」
「大谷君。ちいが起きたから。三成君に至急くる様に言っておくれ。ああ。血糊を退けてからだよ」
「あいわかった」
「大谷様」
「大変だったな。すぐ呼んでくる。またしゃれ」




スイッといなくなると私は半兵衛様を見る。困った様に私を見返してくるのでご無事で何よりですと告げると馬鹿な子だねと頭を撫でられる。
母をこの人は愛していた。母は死ぬまで信じなかったけれども。確かにそうだったはずだ。父から奪ってでも娶りたかっただろう。それをしなかったのはねね様のことだろう




「半兵衛様」
「ん?」
「美しく聡明で強いあなたに似ずにいる私を苦々しくお思いになってはいないのですか?」
「そうだね。君を嫌いになれたら楽だったんだけど」
「…あなたに似たかった。男に産んで欲しかった。ならばこんな惨めな気持ちにならずに済んだ」
「聡明な君らしくもない」
「豊臣の力と竹中の智略があれば私はあなたの錬金術で最高の作品でしたでしょうに」
「…君は確かに智略しかないね。顔は旭に似ているけど。ただ。忘れないで」
「?」
「僕はそんな事を考えて君を作ったわけではないよ。」
「はい」
「父、とは名乗れないけど。君のいく末を誰よりも案じているのだから」






そう言って再び頭を撫でられる。どすこい大きな足音が聞こえて私は入り口をみる。






「三成様」
「っ!ちい!!!」
「っ…」
「すまない。私が側にいれなかった間にあんな愚劣な男の侵入を許してしまった」
「三成様、みつ、なり」
「泣くな。いや、恐ろしかったな。ちい」
「…」
「側にいる。安心しろ。私がいる限り。あの様な目に二度と合わせたりはしない!」
「…おねが、いします」
「なんだ?」
「触れて下さい」
「?!」
「あの悍ましい腕ではなく。あなたに触れてもらいたい」
「僕はお邪魔の様だね。」
「は、半兵衛様」
「あ、そうだ。こんな時で申し訳ないけど。三成君とちいの間は公認だから。大切にして責任を持てるのならば君たちに任せるよ。」
「っ」
「あとここは人払いをするから。三成君あとは頼むよ。きっとちいはままごと的なものを思っているだろうけど君が抑えられるかどうかだね。まぁ。嫌われない様に」
「半兵衛様?!しかし」
「ヘタれないでくれよ。僕も早く孫の顔が見たいからね」
「っ」









曼珠沙華






「…」
「三成、様?」
「ちい」
「はい」
「今は戦帰りだ。気も高ぶっていて触れるだけではすまん。…あなたがどうこうというわけではなくだ。その。それだけでは私が堪えられないだけだ。」
「…」
「知識はあるか?」
「少し、だけ」
「恐ろしい思いをしたあとにその様な無体をしいたくない、が。」
「はい」
「あなたに触れたい」
「…そ、の」
「?」
「三成様」
「責任は取る。いや、元々あなた以外とそう言う事をしたいとは…いやすまん。そのだ。っくそ!あの愚劣な男と一緒ではないか」
「…違い、ます」
「?」
「私を愛玩用だからといって無体な事をしないです」
「…その様な事を?!」
「三成様」
「…?」
「貴方に触れてもよろしいですか?」
「!?」
「浅ましい女と厭われるっん!」
「…ちい」
「うっちゅ。あっふ」
「っ。覚悟はいいか。」
「はい」

拍手

PR