忍者ブログ
変換なしの雑食夢

ran

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

暗の妹と三成 5

あの後、刑部様と侍女頭様にご相談したら朝夕は治部様付き昼は今まで通りで、治部様主体の侍女になる様に仰せつかった。治部様の侍女がいない事と昼間は基本今まで通りに成ろうということでこの配置らしい。出世したのうと刑部様に言われてもピンと来なかったのは治部様の筆頭侍女と雖も一人であることとあまり出世に興味が無いせいだろう。



「治部様」
「?!」
「お召し物をお持ち致しました」
「な?!」
「?」
「何故、お前がいる?」
「え?刑部様から御聞きになっておりませんか?」
「刑部?いや…何も聞いていない」
「今日から朝夕は治部様付きの侍女になりました。昼は今まで通りですが…」
「?!」
「よろしくお願いいたします」
「あ、ああ」
「御召し替え手伝います」
「頼む」




そう言ってしゃがむとひしひしと視線を感じる。不意に顔を上げると治部様と目があったので如何致しましたか?と尋ねると眉間の皺が深くなっていく。不手際があったのだろうかおどおどしてしまうと不思議そうに見られた。



「不手際がありましたか?」
「いや、無いが?」
「至らぬところが有りましたら仰って下さいね」
「無い。」
「治部様」
「そもそも私は遠慮なく直ぐ言う。」
「なればいいのですが」
「?」
「眉間の皺がひどくなって御いででしたから」
「?!」
「きつくありませんか?」
「あ、ああ…その」
「?」
「刑部の悪癖を思ってだ。お前では無い」
「ふふふ。刑部様もお忙しいですから。お忘れになったのかも知れませんよ?」
「そう思うか?」
「ふふふ」
「おい」
「はい」
「…嫌ではないか?私付きなどになるのは」
「私がですか?」
「ああ」
「嫌ではありませんよ。何より治部様」
「ん?」
「衣食住を整えるものがいなければ治部様も大変でございましょう?」
「それは、そうだが…」
「刑部様のように治部様も豊臣になくてはならない方なのですから。精一杯お役目果たさせていただきます。刑部様が寝込まれたら手伝いに行かないといけませんのでそれだけはお許し下さい」
「…ああ」
「目下、きつかったり緩かったりしていませんか?」
「丁度良い」
「良かった」
「っ」
「お食事は刑部様のところでなさいますか?」
「あ、ああ」
「治部様?」
「聞きたい事がある」
「?」
「私はお前を何と呼べば良い?」
「?」
「黒田は暗を思い出すから…違うものが良い」
「ならばここに上がった折に立川と名付けられましたが」
「いや、そうではなく」
「?」
「名前をだ。まだ聞いていなかった」





「三成!!!!!!テメェ!!!!小生の妹を!!!!」







「…」
「兄上!?」
「暗…貴様」
「おい!うちの可愛い妹に何しようとしてんだよ!」
「兄上!朝から何を…」
「お前もお前だ!態々志願しやがって!!!こいつはなぁお前かへぶし!」
「はてさて騒がしい限りよなぁ」
「刑部!」
「ひひひ。朝から良い思いができたであろう?」
「…早めに言え。」
「驚きもたまには必要よ。なぁ、暗」
「うるせぇー!!!」
「兄上」
「大体!お前かいけねぇんだ!小生に相談なく!!!」
「兄上は数日行方不明でしたから」
「ぐ…それでも待つのが妹だろう!」
「…」
「そもそも大阪にも勝手についてきやがって!」
「おいっ!」
「ひひひ。ちと三成またしゃれ」
「何がだ!」
「こんな事なら又兵衛にでも頭下げて押し付ければ良かったぜ」
「…」
「お前さんなんて兄でもなけりゃ妹でもねぇ!!!とっとと播磨に帰りやが…」
「わかりました」
「れ?!あれ?」
「もう兄でもなければ妹でもないのでしたら態々播磨に帰る必要はありませんね。義姉上にはおって文を書きます。」
「いや?!待て!!!!これは言葉の」
「刑部様」
「はてさて?」
「黒田のものではありませんので…大阪において頂けますように竹中様にお願いしてもよろしいでしょうか?」
「必要なかろう。主の三成付きは太閤たっての命よ。縁は切れても出自は変わらぬでなぁ」
「ですが…治部様にご迷惑が」
「私は構わん。お前が付いてくれるだけで良い」
「ふふふ」
「お、おい!」
「…」
「す、すまん!」
「あら、黒田様」
「「?!」」
「如何致しましたか?」
「ひひひ」
「御用でございますか?」
「い、いや」
「なれば失礼致します」








暗の妹と三成 5







「時折あるのよ。前は何時だったか?」
「刑部様が身体を壊されて寝込まれた折です」
「ああそうよそうよ。あれは阿呆にも通夜と言いよったのよなぁ」
「?!」
「やれ色めき立つでないわ。随分と此れが怒ってなぁ。あれも過ぎた冗談だっただろうに」
「知りません。言って良い冗談か否かわからない年でもありませんでしょうに」
「言うてやるな。だから阿呆なのよ」
「…お茶のお代わりは?」
「頼む」
「ひひひ」
「怒るな」
「すいません…」
「いや、あれを怒るのは仕方ないが…」
「?」
「お前に眉間の皺は似合わない。」
「!」
「わざと難しい顔をしなくて良い。」
「…お気付きでしたか?」
「ひひひ」
「ですが。ああでもせぬと兄上はもっと酷い事になりますから…申し訳ありません」
「構わない。ただ」
「?」
「…いや、いい。不具合があればすぐ言ってくれ」
「ありがとうございます」
「ひひひ。」

拍手

PR