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変換なしの雑食夢

ran

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日常 4

「あっ」
「げげっ?!すまん!相模!!!」
「いえ、いいのですよ。お怪我は?」
「小生はぴんぴんしているが、お前さんの櫛を潰しちまったな。お前さんはどうだ?怪我でもしてねぇか???」
「ええ。櫛は落としてしまったところでしたし私は何も」
「見事に粉々だな…すまん」
「支給されているやつですもの。お気になさらないでくださいませ」
「すっげぇ絵が描いてあんぞ?」
「ああ。私が描いたものです。また描きますので本当に大丈夫ですよ」
「すまねぇな」
「いえいえ」








ということがよくあった。黒田様は不運の星の下にお生まれ遊ばしたと言われても否定できない方だ。有能で優しい方なのに。今日も今日とて刑部様にからかわれているのだろう。





「相模」
「はい」
「櫛はどうしたの?」
「ふふふ。黒田様のいつものやつですわ」
「あら。怪我は無い?」
「ないから大丈夫。あ、それより。この間仰っていたご縁どうなりました?」
「ふふふ。先に抜けさしていただくわ」
「まぁ!おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「優しそうな方なのでしょ?」
「ええ。父上様の知り合いで幼い時から知っているから」
「筒井筒ね」
「業平様のように美しくはないわよ。」
「どの様な方なの?」
「ふふふ」
「?」
「黒田様」
「え!」
「先ほど貴方にぶつかる前私のところに来ていたのよ。これ」
「まぁ素敵」
「あの人ああだけど手先器用で。綺麗な玉を見つけたからって」
「素敵ね」
「顔は好みではないのだけどね」
「ふふふ。貴方は優男が好きだから」
「でも、熊みたいで可愛いでしょ?」
「…ええって私が言っていいのかしら?」
「気は優しくて力持ち。いい旦那になってくれるわ」
「貴方幸運だから二人でいて丁度いいのかもしれないわね」
「ほんと。覚悟しておかないと」
「ふふふ」
「相模様ぁ」
「あら?」
「呼んでるわよ」
「何かしら?」
「声に泣きが入っているわね。…治部様かしら?」
「今日は執務室にお籠り遊ばされているのよ?お茶くらいしか」
「…まぁ貴方は猛獣使いだから。」
「???」
「相模様ぁ!」
「如何しましたか?」
「治部様が」
「ほらやっぱり」
「何か粗相を?」
「お茶を撒いてしまって…書類は無事だったのですが。佐渡様が相模様と代わる様にと」
「あいわかりました」








日常 4









「失礼致します」
「…」
「お茶をお持ちいたしました」
「…」
「(座布団を八代に渡して。あとは書類を整理して)」
「!」
「(ついでに羊羹をお持ちしようかしら)」
「相模!」
「はい?」
「…いた、のか?」
「はい。」
「…」
「?」
「いたなら、いい」
「はい」
「…」
「(少し寒いわ。掛物でもお持ちしようかしら?)」
「おい」
「はい」
「髪」
「?」
「いつもつけている櫛」
「ああ。ふふふ」
「?」
「先ほど壊れてしまって」
「は?」
「いえ。落としたところを踏まれてしまって。後で予備のものを見繕ってまいります」
「…左近」
「はいはいっと!あ!相模様こんにちわっす」
「こんにちは。治部様?」
「小間物屋を呼んでこい」
「は?あー…すぐ連れてきます!」
「???」
「いつもの礼だ」
「治部様」
「…何だ?」
「そういう事は許嫁様にしてくださいまし」
「そういう者はいない」
「なら私の様な者に私だとなると…」
「構わん」
「…」
「礼、だ。他意はない。素直に選んで受け取れ」
「ふふふ」
「何だ?」
「申し訳ありません。徳川様が」
「家康が?」
「万を…その手付けにした時のやり方と似ておりましたから」
「?!」
「しかし失念いたしておりました。治部様はその様な無体いたしませんし侍女に邪な感情など抱かれませんものね」
「…」
「三成様〜」
「ああ。帰ってこられました」
「…ああ」
「ではお言葉に甘えて」

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