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変換なしの雑食夢

ran

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日常 10

夕餉を食して、布団をひくと治部様は私に横になれというので丁重にお断りする。私が寝るより治部様にお休みいただきたい。そういえば治部様はぎりぎりと歯ぎしりされる。お怒り頂いたとしても従者が主人を差し置いて横になるわけにはいかないのだ。それをそれとなく伝えるとなぜか横の老夫婦に笑われた。曰く、今日のような寒い夜は独り寝が身に堪えるということ。他の者もみな同衾している事。それを譲り合うのだから可笑しいと。何より早く横にならないと皆休めないということ。
…夫婦なればそれでいいのだろうけどと思いつつ困っていると早く寝ないとお化けが来ると脅されてしまった。



「佐吉、様」
「横になれ」
「では半分こいたしましょう」
「な?!」
「なれば」
「わかった!」
「ふふふ」
「何がおかしい?」
「童に帰った気がします」
「っ?!」
「佐吉様?」
「黙って寝ろ」
「はい」
「(人の気も知らんで)」
「お休みなさ…佐吉様」
「?」
「今、外で人影が」
「何?!…木だな…りく」
「…は、い」
「はぁ」
「…」
「こちらによってこい」
「?!」
「無体はしない!…近くにいれば恐ろしくないだろう。」
「!」
「助けてやると言ったからな」
「佐吉様ぁ」
「ぐ…」
「手、を繋いでもよろしいですか?」
「もう、好きにしろ」
「ふふふ」
「一つ聞く」
「?」
「幾つになった?」
「あら、女子に年を聞くなんてはしたないですよ」
「…りく」
「1…8ですね」
「本当か?」
「はい。お仕えして10年ですもの」
「…」
「如何致しましたか?」
「少しは危機感を持て」
「?」
「私は男でお前は…いや、何を言っている。」
「大丈夫です」
「?」
「貴方様は無体をする方ではありませんから」
「…」
「佐吉、様?」
「もう、いい」
「眠い…です」
「このまま寝ろ。怖い夢も何もかもから…守ってやる」
「ふふふ」
「っち。寝たか…」
「(あらあら。初々しい。殿方が紳士ね)」
「(ありゃ、生殺し以外の何物でもねぇな)」





日常 10






「ん…」
「…」
「父、うえ」
「…りく」
「…ふふ」
「私はお前の父親ではないぞ」
「父」
「愛おしい…」
「うふふ」
「っ。すり寄って?!…っち」
「(本当に生殺し以外の何もんでもねぇな)」

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