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変換なしの雑食夢

ran

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十二国

「…」
「起きたか?」
「な、しゅ」
「真っ赤だな」
「っ」
「何時迄も初々しい奴だ」


眼が覚めると主上がこちらを見ていたので驚きつつも、繋いだ手に思わず赤面する。離そうとしてもあちらの方が大きくて、離すことが出来ない。ちらりと見つめると離すなと言っただろうという事。益々持って居た堪れない


「如何した?」
「恥ずかしいのです」
「そうか?あの後自分から」
「しゅ、主上!」
「…」
「?」
「それは止めろと言っただろう?」
「…尚隆様」
「それで良い」
「今何時ですか?」
「ん?」
「そろそろ起きませんと…」
「起きられそうか?」
「知っておいででしたね」
「お前のような細腰に無理をさせたら誰でもそうなる」
「きゃあ」
「美しいなお前は」
「貧相な体ですが」
「そういじけるな」
「だって」
「なぁ」


そう言うと背中に口付けを落とされる。ぞくりと体を震わすとくくくと笑われるものの仕方がない。じとりと見つめると名前を呼ばれる。

「此処から出たくなくなるな」
「御冗談を」
「ん?」
「だって」
「本当にお前は」
「見ないでくださいませ」
「泣くな」
「…だって」
「お前だけだ」
「と言いながら美しい人の元へ参るのでしょう?」
「…」
「尚っんー!!!」
「可愛い」
「何を」
「お前だけなら良いのにな」
「?」
「そうすればこんなにお前を苦しめずに済む」
「…本当に?」
「嘘は言わんさ」
「…」
「お前ももっと甘えろ。そんなに頼りないか?」
「いいえ。だってあなたは私だけのあなたでは」
「王だからな。だがなお前我儘位聞けるし聞きたい」
「…」
「俺はお前の夫なのだからな」
「もう少し」
「ん?」
「もう少しだけで良いですから王宮に居てください」
「ああ」
「たまにこうしてあなたの顔を見て目覚めたいです」
「うん」
「あなたの妻でずっといたい」
「勿論だ」


そう言って私は泣きじゃくるのだ。抱きしめてくれる腕も何もかも偽りではないのが嬉しくて縋って鳴くのだ



愛しい野薔薇と風

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