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変換なしの雑食夢

ran

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十二国

「…」
「ん?」
「主上?」
「夢ではないぞ」
「の、様でございます」


目を覚ましたら主上がいて思わず固まってしまった。すると面白い玩具を手にした赤子の様に屈託無く笑うものだからこちらが困ってしまう。

「何を驚く」
「いえ」
「昨晩帰ってきたら寝ぼけていたな」
「お恥ずかしい限りです」
「ん?」
「急な御帰還如何致しました?」
「当分玉座を温める」
「…」
「なんだ?」
「いえ」
「如何やらお前の俺に対する信用は地の底らしいな」
「そう言うわけではありませんが」


そう言って寝台から抜け出そうとすると腕を掴まれる。どきりとする。この方の体温自体を感じるのすら久し振りなのだから

「また痩せたか?」
「?」
「手首が細いな」
「貴方様に比べたら」
「いや…」
「誰とお比べですの?」
「…昔のお前だ」
「…」



痩せたなと小さな声で言われるものだから居た堪れない。


「もう少し食べろ」
「余り食べたくないのです」
「幾ら死なぬと雖も動けなくなる」
「私のことよりも」
「今はお前の話だ」
「主上」
「延王としてお前を筆頭とするわけにはいかぬが俺個人としてはお前が一番大切だ。」
「…」
「何故額に手をやる?」
「いえ、お熱があるのかと」
「お前なあ」
「無理をなさらずともよろしいのでございますよ」
「無理なことあるか」
「主上」
「俺は」
「?」
「お前を娶ってよりどれだけ無理をさせてしまったのだろうな」
「…」
「此処まで痩せるのに気が付かなかった自分に愛想が尽きる」
「主上」
「なんだ?」
「お褥を」
「ん?」
「下がらせてくださいませ」
「…」
「愛妾をおつくりくださいませ。私には」
「それ以上言うな」
「貴方のお相手が出来かねまする」
「言うな!!!」
「っ」
「…すまぬ」
「いえ」




そういって主上がベットから抜け出す。そして少し悲しそうな顔をして名を呼ばれる


「朝議の時間だ」
「主上?」
「少し休め」
「…」


また後でくる。そういって立ち去られるのだ



孤独な野薔薇

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