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変換なしの雑食夢

ran

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元就短編の10年後 元親と幼女

おじさんだあれ?とあどけなく聞くその姿は、懐かしい彼女のそれではなく、憎々しいまで涼しい顔をしたあの男にそっくりで苦々しいことこの上ない。只目元が彼女に似ていて憎むに憎めない自分に笑ってしまう。
遠い昔に手を離してしまった女。いや、差し伸べられた手を見て見ぬ振りをして好き勝手した代償だ。誰でもなく自分が悪いのだ。

「真っ白ね」
「ん?ああ」
「私は黒いの」
「綺麗な髪だ」
「父様にも言われる」
「親父さんの事好きか?」
「勿論!」
「怖いって噂だぜ」
「家族にはすごく優しいの。悪い事したら怖いのよ。でも母様の方が怖いわ。」
「本当かよ」
「本当よ。」
「なら」
「母様も好きよ。悪い事する私が一番いけないのよ。」
「そうか。」

そう言うと黒曜石の瞳がキラキラとこちらを見る。無垢で優しい瞳だ。男ばかりの息子たちと違って可愛らしいと頬を緩ます。
釣りをしてたんだよと言えば納得がいったのかまた笑うのだ。

「良いのかよ。」
「いいの」
「親父さんに叱られるぜ」
「私、会いに来たんだもの」
「何に?」
「貴方」


は?と息を飲めばくすくす笑うこの娘の血が侮れない事を思い出して頭を抱える。

「いつ気がついた?俺が西海の鬼だって」
「私は名乗っていないのに父様と母様を知っていたでしょ?」
「餓鬼だとおもってたら。やっぱりあの野郎の餓鬼だ」
「甘いから母様を父様にとられてしまうのよ。」
「ぐ」
「まぁ。そっちの方が母様も幸せだろうけど。」
「クソ餓鬼」
「父様曰く白髪の大男で釣りをしていたら、大空けだ」
「あの野郎」
「バカが移るから近づくなって」
「…」
「嫌われてるね」
「あんな奴に好かれたくねぇよ!」
「母様も」
「あいつまで?!」


そういうと可愛い餓鬼改クソ餓鬼はすくりと立てって駆け出す。


「おいっ」
「母様ねー!」
「ああ?!」
「いい人だから子供に意地悪しないわって!本当ね!」
「…」
「会ったらありがとうってー!」
「はぁ?」
「伝えたよー」
「おいっクソ餓鬼!」
「なーにー!!!」
「あいつにあったら言ってくれ!!」



愛してるって!そのうちクソ餓鬼共々さらいにってやる!


そう叫ぶとクソ餓鬼は彼女の様に笑うのだった。



積み木崩し

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