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変換なしの雑食夢

ran

好みではない夫の三成 2

「貧相だな」
「貴方様に言われたくはありませんが、豊満なのが宜しければ私など抱かなければよろしいのですよ」
「黙れ」
「真昼間から人を押し倒して好き勝手した挙句の台詞が貧相なのですから。まだ優しい方でございましょう。今、何時かしら?」
「?」
「侍女を呼んで髪を直します。貴方様は豊満の方の元へでも行かれますか?」
「夕刻だ。必要ないだろう。食事もここで取れば良い。」
「…」
「何だ?」
「まさか共に食そうなどと思っておられませぬな」
「ここは私の部屋でもある。」
「左様でございますか」
「おい…どこへ行く?」
「太閤殿下から下賜された自室に向かいます。」
「は?」
「誰か。」
「…何が気に入らない?!」
「?」
「嫁いでこの方共に食したことがないのはおかしいと言われた」
「宰相様にでございますか?」
「…」
「寵愛の薄い室など婚儀の際に顔を会わして終いなどざらにございます。些かもおかしいところはないかと」
「っち!」
「では失礼いたします」
「とっとと去れ!」
「言われなくても」









部屋から出ると脇息が投げられて庭の石に当たって粉々になったらしい。勿体無いと口に出して言えば侍女に手を引かれる。急いで退散しないと命が危ないらしい。短気は損気よねと言ってくつくつ笑えば呆れたような顔をされる。






「やれ奥よ」
「あら、大谷様。」
「今から主のせいで曲がった臍を直しに参るのよ」
「宰相様が要らぬことを仰ったからですわ。」
「共に食したくはないということか」
「お互いのためですわ」
「ひひひ。あれでも色々考えておるのだがなぁ」
「空回りもすぎますわ」
「左様か」
「私の役目は人質でございましょ?」
「正室は人質ではあるまい」
「という名の…まぁ良いです。それよりよろしいので?」
「良くはないが…我とて草臥れる」
「明日の菓子は奮発しておきます」
「左様か…ではなぁ」









好みではない夫の三成 2








「あ!三成の」
「これは徳川様」
「久しいな。三成は?」
「さぁ?私は自室に向かう途中でございますので」
「そうか…」
「何かご用でも?」
「いや何。急ぎではないのだがな。ああ!そうだ。奥方から」
「…」
「露骨に嫌そうな顔だな」
「こういうものは大谷様にお願いした方がよろしいかと」
「そうか…なぁ」
「?」
「上手くいっているのか?その」
「英雄色を好むのは彼の方だけではありませんでしょ?お噂はかねがね」
「いや?!その…すまん」
「私に謝られても」
「これは致し方ないというか…そのだ」
「ふふふ」
「?!」
「貴方様に抱かれる女子は一時でも安寧の中にありましょうね」
「な?!…奥方」
「それでは失礼…」
「いえやすぅぅぅぅ!!!!!」
「ひっ?!お、奥方様!」
「三成?!」
「この売女!!!貴様誰に嫁いでいると思っている!」
「三成?!お前!自分の奥に!!!」
「…私は家のため豊臣に参りましたので誰でも良いのです」
「な?!」
「太閤殿下が貴方にとおっしゃるから貴方様に嫁いだまでの事。お互い、そうでございましょ?」
「この?!」
「三成!やめろ!!!」
「…失礼致します」
「お、奥方?!」
「?!」






「腹の据わったというか…流石お前の奥方だな」
「っち!」
「首筋に刀を…いや、そんな顔で見るなよ」
「黙れ!大体!!!!!」
「わ、わしのせいか?」
「死ね!!!!」

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