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変換なしの雑食夢

ran

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勝手過ぎる三成 11

「…」
「目が覚めましたか?」
「ゆ、き?」
「まだ熱が高いですね…そのまま。お水」
「ん」
「スープ、飲めそうですか?」
「ああ」
「それを飲んだら着替えて下さいね」
「…」
「石田さん?」
「お前を、大切にしていれば。こういう風に夫婦としていれたのかもしれないな」
「は?」
「…」
「寝ぼけてますか?」
「幸」
「っ?!い、石田さん?!」
「何もしない…唯少しだけ」
「抱きしめ?
「幸…」
「っ」
「…懇願する。如何すればあの時に戻る?」
「落ち着いて?!何を言っていらっしゃるのかわかりません」
「幸…」
「と、取り敢えず何かお腹に入れてください。お疲れなのですよ。お食事して、薬飲んで寝てください。そうしたら」
「っ」
「石田さん?」
「すまない…」
「いえ。熱もまだ高いですから。スープとってきます。その間に着替えて下さいね」
「ああ」





そう言ってそそくさと部屋を出る。本当にびっくりした。いきなり抱きしめられるだなんて思いもしなかった。
忙しいと聞いているし熱で錯乱していたのだろう。ふーっと息を吐いて部屋をノックする。変な事にはならないだろうけど一応用心しておいたほうがいいかもしれない。


「着替えられましたか」
「あ、ああ」
「スープ」
「ありがとう」
「いえ」
「すまない」
「!」
「その、だ。抱きしめてしまった」
「いえ。びっくりはしましたけど。」
「寝ぼけていた訳ではないが。すまない。気分を害しただろう」
「お疲れになっていたんですよ。飲めそうですか?」
「ああ」
「…」
「美味い」
「ふふ」
「?」
「佐吉にそっくりな食べ方だろと思って」
「佐吉にか?」
「ええ。猫舌だから。ふふふ」
「そうか」
「背を丸めている具合がそっくり。…覚えてはいないのですけどきっとあの子の父親があなたのように食べていたのでしょうね」
「ああ」
「石田さんも奥さんがいるのでしょ?」
「な、ぜ?」
「指輪」
「これは…ああ。誰よりも大切な女だった。私のせいで傷付けて出て行ってしまった」
「そうですか」
「許しを乞おうと思った途端にまた居なくなってしまった。…相当嫌われているのはわかっているが。手を離してはやれないのだ」
「そうですか。よく謝って差し上げたら如何ですか?」
「それで許してくれるだろうか?」
「よく話し合う事ですよ。それでも無理なら無理かもしれませんけど話し合ってもいなさそうですから」
「話し合いにならない。嫌がるんだ」
「忍の一文字ですよ。如何すれば許してもらえるかしっかり聞いてくださいね」
「ああ」
「でも私がいてはいけない気が」
「いてくれて構わない」
「でも」
「…かまわない」
「石田さん?」
「すまない…手を握っていてくれないか?」
「そんなとこまで佐吉にそっくり」
「羨ましい」
「そうですか?」
「私が欲しかったものをあいつは得ているのだな。」
「大層なものではないですよ」
「私がずっと欲しかったものだ」
「ふふふ」
「幸」
「今日は手をつないでいますから。寝てくださいね」
「ああ」
「石田さん?」
「愛している…幸」
「は?!え??!!!」
「…すぅ」
「寝息?!寝言??」
「ゆ、き」
「勝手な人ね…ふふふ」




勝手過ぎる三成 11







「もう少しで下がりそうですね」
「…」
「貴様…よくも母に」
「佐吉?」
「母と手をつないで寝られるのは私だけだ!」
「な?!」
「ひひひ。随分と語弊のある言い方よなぁ。佐吉。落ち着きゃれ」
「私の母に!」
「佐吉…」
「軽々しく私の名を…ん?」
「お客様かしら」
「…ここにか?ちとまたしゃれ。我が行く」
「え?」
「母はここにいろ!」
「でも」
「…入るな!!!」
「?!」
「ゴホッ。」
「い、石田さん?!急に叫んで如何したんですか???ああ。咳き込んで」
「ひひひ。」
「刑部…」
「主のおかげですぐに帰った。」
「そうか…書類か」
「ああ」
「ここのセキュリティを変えろ。頼むぞ」
「あいあい」
「???」







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