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変換なしの雑食夢

ran

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初恋と三成 9



「ん?!」
「シー!静かにしな」
「…」
「あんただろう?三成の野郎が惚れ込んだ女って!くくくっ!小生ついてるぜ!すまねぇがこのまま人質になってくれ」
「!」
「そうすれば小生は鍵を手に入れてあわよくば!」
「…」
「石田をギッタンギッタンにしてやって首も取れるし!何なら天下だって!!!」
「…」
「だからよ…ん?」
「今、石田様は療養中で御座いますし」
「静かにしろって!」
「その寝込みを襲うのですか?」
「あー…」
「卑怯者!」
「へ?」





取り敢えず私の口元を抑える腕を取って思いっきり投げる。巨体が宙を舞い、庭石が粉々になろうとも今は関係無い。ゆらりと火炎が体を纏う。
こいつは敵だ





「雪ちゃん!」
「手出し無用!!!」
「雪殿!?官兵衛!!!貴様!!!」
「み、三成!助けろ!!!」
「きぃさぁまぁぁぁぁぁ!!!!」
「よ、よく見ろ!一方的!!!」
「首を垂れろ!その首!」
「止められよ!三成殿!」
「何故止める!?」
「ああなった雪の邪魔はしてはああと面倒で御座る!雪!」
「兄様…」
「行け!甲斐武田が騎馬武者隊筆頭の本領!見せてこい!」
「げ?!お前さん!!!真逆!!!」
「覚悟!!!」




そうこうしているうちに騒ぎを聞きつけた刑部様と竹中様がいらっしゃる。頑丈な男はぐるぐる巻きに拘束したもののまだ話ができるようで…腹がたつ。そう口に出せばそれしか取り柄が無いということ。確かにと納得してしまう



「馬鹿だろねぇ。官兵衛君も。この僕がいて何も策を講じてないはずはないなろう」
「だけどよ!!今なら石田の奴も弱ってるって思ったのによ!!!」
「言いたい事はそれだけですか」
「ひっ!」
「まだ足りないのならお相手しますが!」
「まままままままてって!勘違いだ!!!」
「…石田様の寝室の前で寝首やら天下やら言っていた癖に。女々しいですね!」
「まっ!それは!!!言葉のあやだ!刑部!!!半兵衛助けろよ!!!!!」
「いやぁ、真田よ。雪殿は徒手も嗜むか」
「いかにも。雪は甲斐武田の武者でござれば。武具なくしても戦さ場を駆けられまする!」
「雪殿」
「石田様は其方でお待ちくださいませ!この不届き者の首必ずや」
「ぎゃー!!!!!!」
「あーあ!不運だねぇ」







気がすむまでには及ばないけど刑部様があとはまかされよとおっしゃるので渋々了承する。するといつの間にか横にいた石田様に名前を呼ばるのだから私は驚いてお顔を見る。怒っているような辛そうな。真逆熱でもと思い駆け寄って額に手を当てる。熱は無いようだ…





「雪殿」
「はい」
「怪我は?」
「無いですよ」
「…手を」
「?」
「腫れている…暗め…私は決して許さない」
「駄目です!」
「な?!」
「今度こそ首をとりますから。ね?」
「…だが」
「石田様の首を取ろうとしたのですから」
「しかし」
「大将格がそうやすやすと動いてはなりません。何より今は療養中。お加減は?」
「私よりまずはお前の方だ。包帯を」
「ほって置けば治ります」
「雪殿」
「?」
「今、私の五臓六腑は煮え繰り返る程怒りに満ちている。私は大切な者に傷を負わせて平穏にいられる程おとなしくは無い。本来なら今すぐ暗の五体を切り刻みたいが…まずはあなたの手当てだ」
「なら、自分で」
「手を」
「嫌です」
「雪殿!」
「だって私の手」
「?」
「美しくありませんもの」
「は?」
「所謂白魚の手ではありませんし…石田様?」
「くく…」
「笑わないで」
「すまない、が。私にとっては美しい。」
「!」
「手を」
「…はい」
「痛いか?」
「いいえ、石田様?」
「何だ?」
「ふふふ」
「?」
「もし、ですよ」
「???」
「戦さ場に立つような奥方なら、」
「!」
「如何いたしますか?」
「…如何もしない」
「え?」
「先程のやり取りで実力はよくわかった。あなたの性格上待っていろと言っても頷かないだろう。」
「そう、ですね」
「ただ」
「ただ?」
「こうして手当てするのは私の仕事だ。緊急時以外、それは譲らない」
「!」
「何だ?」
「石田様はやっぱり優しい」
「雪殿だけだ…その」
「?」
「申し出を受けてくれるのか?」
「もし、武田と豊臣が敵同士になれば」
「その時考えればいい。そうならないよう最善を尽くす」
「!」
「?」
「刑部様にも言われました」
「なら安心しろ。そうはならん」
「はい」
「おい」
「はい?」
「答え、は?」
「ふふふ!」
「顔が赤い。落ち着け」
「落ち着けられません。それに石田様だって」
「落ち着いていられるか」
「ふつ、ふつつ」
「雪殿」
「…不束者ですがよろしくお願いいたします」
「!」
「ただ、」
「?」
「佐助兄様が」
「忍びが?」
「面倒なのです」








初恋と三成 9








「一年、だと」
「そうよな。一年よ」
「何故!すぐに!」
「石田様、落ち着いて!!!」
「支度にその程度はかかるんだもん!俺様だってもう少し時間欲しいくらいだよ!」
「何?!」
「大体!行儀作法もちゃんとって言ってんの雪ちゃんだしね!」
「…本当か?」
「はい」
「そんなもの」
「ちゃんと、しておきたいのです。あなた様の妻になるのなら…一層」「?!」
「一年よ、一年」
「長い!」
「手紙でも何でもすればよかろう?それでなくとも確かに期間としては短い」
「刑部!!!」
「お願い致します」
「…ぐ」
「駄目、ですか?」
「私は」
「できるだけ頑張ります。1日も早く帰ってこれるように」
「っ!」
「その時はあなた様の妻にしてください」
「その、だ。…わかった。但し」
「?」
「できるだけ早くしてくれ」
「はい」





「あの、三成くんが折れた!」
「ひひひ。やはり作戦勝ちよな」
「さて、佐助」
「はいはいっと」
「明日には我らは引き上げまするが…すぐに使者を。婚儀の話を煮詰めましょう」
「本人は早く早くというけれどね。本当に短い期間だよ。」
「何とかするのも我らの力量よ」
「本当にね」

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