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変換なしの雑食夢

ran

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不幸娘と三成 8

御正室様がといえば、数度目を瞬いたあと恭しく頭を下げられた。「おめでとうございます」という彼女の表情は我らには判りかねた。
ちらりと三成の顔を見ると少し傷ついた顔をして「そうか」とだけ呟く。
上から決められた祝言。しかもあの武田との縁組。なにより受けてしまったのだ。それ以外に言う言葉はお互いに無い。



「…でだ」
「?」
「真田幸村がそれまで城に詰めることになった。一度、ここに呼ぶ」
「はい」
「良いな」
「殿様の御意志に逆らえません」
「いい間違えた」
「?」
「良いのか?」
「…否と申せません。ここは殿様の私室の一つでございます」
「違う!そうでは無い!」
「???」
「っち!もう良い!」
「やれ、三成?!」
「あーあ。いっちまった…あのさ」
「?」
「あんたの意志的に如何なの?」
「私の?」
「そ」
「私の意志として、何があっても。如何であっても。お伝えできませんよ」
「そりゃ」
「何より、殿様がお受けしたのですよ?私には到底考えも付かないよいご縁談でしょうし。」
「武田の姫君。」
「良く、わかりませんが…良いご縁談なのでしょう?」
「ああ」
「子のない側室ですから…寵が離れれば自ずと侍女に戻るだけです。」
「そ、なの?」
「はい。子を成して、食べさせるのが私の仕事です。」
「は?」
「ですが…子を成せませんし、食べられて居られるのかもわかりません。…御役御免ですね」
「何、だよ!それ」
「?」
「子を作る為みてぇな言い方!誰がしたんだよ!」
「刑部様ですけど…島様。側室というのはそういうものですよ」
「なっ!」
「私も村から来たばかりの時驚きましたもん。でも、そういうものなのですから仕方ありません」
「…」
「さて、と」
「?」
「荷造りしておきます。」
「ちょ?!」
「お気持ちを害された様ですし…何より御正室様がお嫌でございましょう。失礼します」
「ま?!ちょ!!!」
「やれさて困った、こまった」
「刑部さん!」
「こちらもこちらか…如何した?」
「荷物を纏めるって!」
「もとよりそんなに荷物はなかろうが…そうよな。賄い方に」
「刑部さん!!!」
「冗談よ冗談」
「洒落に何ないっす!」
「はて、さて」
「たのもー!!!!!」
「「?!」」









不幸娘と三成 8









「お口に合いますか如何か」
「羊羹で御座るな!んー!!!美味でございます」
「!」
「もしかして…お手前が?」
「はい。ふふふ」
「?!」
「もう直ぐ殿様も参りますので…もう一つ」
「頂きまする!」
「旦那〜他家の時は断る!」
「し、然し!誠に美味なのだぞ!ほら佐助も食え!」
「破片?!けち臭…あー!!!俺様の分!!!」
「五月蝿い」
「猿飛様も…真田様。差し出がましい様ですがまだございますので」
「誠か?!」
「はい…あ」
「何をしている!退がれ!!!」
「失礼致しました」
「…左近!近衛に。こちらの部屋に近づくな!菓子は他の者に」
「はい」
「あっ!ありがとうございます」
「?!」
「真田!」
「誠美味でござった!」
「…」
「?!」
「それでは失礼致します」
「え、ああ!はい!」
「っち!」
「何、あんたの側仕えの侍女?」
「可憐だ」
「旦那?!」
「あれは三成の側室よ」
「な?!」
「ま、それもいつまでか。ひひひっ」
「くだらん!」
「!?」
「早く話をしろ!」

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