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変換なしの雑食夢

ran

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不幸娘と三成 11

「畑、だね」
「うむ」



今日も今日とて4人の方が部屋に詰めていた。今は刑部様のみ。こうやって時々いなくなられるのだから仕事は大丈夫なのだろうけれども。…空気は頗る悪い。話をせずに座っているのだから恐ろしい。殿様はこの間の肘が当たる事件より出入り禁止になってしまったのでお弁当の空箱で生存確認が出来ている。今は静かにお茶を飲まれる刑部様からも近況は教えていただいている。
いや、それよりも





「これはなんだい?」
「人参です」
「ふーん。此れは?」
「生姜です。彼方は蕪」
「かなり本格的だね」
「有難うございます」
「やれ賢人。怯えさすでないわ」
「刑部様…」
「何で怯えるのか…僕にはわからないね。」
「元々主や太閤の前に行ける身分では無いくらい知っておろう?やれ、こちにきりゃれ」
「困ったな。たいそうお気に入りじゃ無いか」
「ひひひ。」
「見た所、取り柄もなさそうだけど…。ふーん」
「?!」
「飾ればそれなりかな?」
「半兵衛」
「ふふふ。すまないね秀吉。僕にとっては三成君は子供の様なものだからね。」
「我とて同じよ…おい」
「はいっ!」
「何故畑を作る?」
「は?え…」
「答えろ!」
「あの、私が此処に来た折より殿様と刑部様の食事は裏で噂になっておりました。…酷い時には何食も絶たれて。」
「ほんにあの折の食事は不味かった」
「偶々お召し上がって頂く機会がありまして…定期的に食べていただける様になってもらえて…もっと体に良いものと…其れがこの畑です」
「…」
「殿様と刑部様は大切な方ですから…少しでも手助けが出来たらと…申し訳ございません」
「…ふむ。」
「謝る理由はわからないけど…ねぇ、君は如何したいの?」
「え?」
「三成君に無理矢理側室にされただろう?本心は」
「…私は侍女ですから自分の意思は、考えたことがありません」
「ふーん」
「紹介状、本当にありがとうございました。新しい奥方様が来られた際に私は如何すればよろしいでしょうか」
「三成君がね、うんと言ったんだよ」
「…はい」
「其れなのに!ぐずぐずして!寝てもないんだよね」
「そう、ですか」
「君は直ぐに大阪を離れて欲しい」
「またしゃれ!」
「…と言いたいけど。吉継君や左近君まで怒り出しそうだね」
「いくら賢人といえども我は反対よ!此れがなければ三成は昔に逆戻りよ!」
「君も、そうだけどね」
「我とて同じ。…正室になれぬとも側になれぬ謂れはない。」
「正室に子が出来なくなってしまうよ」
「此れがいなくなれば自ずとそうなろう。やれ、太閤」
「…おい」
「は、い」
「貴様には力がない。その貴様が三成の足枷にならぬと言えるのか?!」
「…!」
「武田の姫は武にも秀でている。戦場にも駆けられる女傑よ」
「私は」
「貴様ではあれの支えにはならん!即刻出て行け」
「太閤!!!」
「良いね。伝えたよ。」
「…はい」
「やれ!」
「刑部様…」
「ぬしは…良いのか?」
「言われた通り、ですから。」
「暫しまたしゃれ!我とて納得いかぬわ!」
「刑部様」
「良いか、此処でまたしゃれ!間違っても短慮を起こすな」







不幸娘と三成 11








「おい!何処だ!!!」
「いたか?!」
「居らぬわ!この夜半に何処へ行った?」
「っ!」
「三成様!!!」
「探してくる!」
「其れは秀吉が許可しないよ!」
「半兵衛様?!」
「良いかい。君はこの豊臣を守る使命がある!女一人に現を抜かす暇なんてないよ!武田の姫に子供を産ませるのが君の使命だ!」
「です、が…」
「…秀吉とあの女どちらが大切なんだい?」
「?!」
「答えは決まっているね…良いね」
「…」

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