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変換なしの雑食夢

ran

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真を芯とて芯して進す

「侍女頭様」
「はい…あら、左近様?如何致しましたか?」
「良かった!見つかった!!」
「?」
「三成様がまた食べないんっすよ!刑部さんが侍女頭様を呼んでこいって!すいませんが良いっすか?」
「はい。わかりました。あ、お初とお松。私の代わりに各部屋の掃除の状態を確認してください。終わりましたら私は衣装部屋へ参りまして太閤殿下と竹中様の明日の支度を致します。夕餉前までに現行の仕事と並行して行ってください」
「「はい」」
「ではお願いいたしますよ」





そう言うと皆自分の持ち場に歩いていく。私も確認後には書類の整理と思っていたけど無理らしい。1日に三度の食事を3日まともにお召し上がりにならないと何故か私に声がかかる。何故かはわからないものの必ずなのだから逆に予定も立てやすい。
石田三成様とは大阪城に上がった折よりのご縁。いつの間にかお互い出世したけれども根本は太閤殿下の為、人命を賭す同士なのだと勝手に思っている。






「失礼します」
「?!」
「やれ、きよったか」
「な?!刑部!」
「主も忙しそうよの」
「お忙しいのは御二方様でしょうが、末座ながら太閤殿下の御為に尽くさせていただいています」
「何を言っている?貴様はこの大阪城になくてはならない女だろう」
「あら、嬉しい」
「…何の用だ」
「昼餉のお誘いです」
「私は」
「お弁当にしてもらいましたから庭を見ながらいただきましょう」
「おい!」
「刑部様も」
「いただこう」
「刑部?!」
「はてさて。三成が要らぬというなら我と二人きりよなぁ」
「それは!」
「逢い引きみたいですね」
「……食べんとは言っていない」
「はてさて。主はいつもこのやりとりで食らうなぁ。」
「戯言でも言うな」
「ふふ。本に仲が良いことで羨ましゅうございます」
「いや…そのだ」
「ご心配には及びませぬよ。石田様から大谷様を奪おうなど思っておりませぬから」
「ひひひ」
「ぐ…ちが、いや…いい。弁当を出せ」
「はいはい」



そう言って私はお弁当を縁に持っていく。暑い日が続く中ではあるものの今日は風が出ていて涼しい。何より、石田様の部屋は庭の木々のお陰で木漏れ日程なのだ。やはりここは過ごしやすいですねといえばふんと鼻で笑われる。



「にしても」
「はい?」
「主はいくつになった?」
「あらいやだ。女子には歳を聞かないのが礼儀ですわ」
「はてさて。ひひひ。そんな礼儀があったか?」
「そう言うものですわ。大体、私の歳を知らぬ仲でもありませんでしょ?」
「三成より1つしたか?」
「そうだ」
「今年で良い年になりました。」
「太閤と賢人が心配しておったよ。主ほどの器量好しが嫁がぬのもまた不思議とな」
「な?!」
「私より先に皆様方でしょ?太閤殿下も竹中様も。勿論あなた方お二人も」
「ひひひ。藪蛇か」
「ふふふ」
「私は、」
「石田様?」
「…心に決めた女がいる」
「まぁ!」
「…貴様は?」
「私でございますか?」
「ああ」
「太閤殿下の御心によります。此処で仕えろと言われれば仕えますし、何処ぞへ嫁げと言われれば嫁ぎまする。」
「相も変わらず私心のない話よ」
「好いた惚れたなど…太閤殿下に比べれば。私の望みは太閤殿下の為生きて死ぬことですから」
「本に、主らしい」
「石田様ほどお役には立てませんが…石田様?」
「何だ?」
「美味しいですね」
「ああ」










真に芯を清して進す









「おい」
「はい…あら?石田様」
「明日、急だが客が来る」
「お武家ですか」
「ああ」
「これならば…部屋はいつものところでよろしいかしら?竹中様は何と?」
「いつも通りと仰っていた」
「そうですか。」
「…おい」
「はい?」
「私は私の城より整然とした大阪のこの城が好ましく思っている」
「太閤殿下のお陰でございますね」
「いや、それは当たり前だが」
「?」
「裏方のお前のおかげだと思っている」
「あら」
「働きやすく整えてくれて感謝する。…これからも頼む」
「はい。太閤殿下の為、尽くしましょうね」
「ああ」

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