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変換なしの雑食夢

ran

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振られる三成

三成さんは優しい。優しくて怒られたこともない。忙しくてもきっちりと記念日をしてくれる。だけど、そう言う時は顔色が悪い。だから顔色が悪くて心配しても平気ですといわれてお終い。敬語と敬語の会話。左近君との対応との対応の違いが悲しかったりして。いや、わかっている。私が我儘なのだ。すごく優しい彼氏に不満を持つなんて。
でも、「私のどんな所が好きなのですか?」と尋ねた時、なんでも良かったの。取るに足らないようなことでも何でも、本当にどんなところでも良かったのに「秀吉様の御親類ですので好きです」と言ってハッとした顔が忘れられない。そのあと幾ら性格や仕草について言われたとしても吐いて出た真実は変わらない。ポロポロと涙は出た。けど必死に笑って「別れましょう。今までご迷惑をおかけいたしました」と言って走ってきたのだ。私は、取るに足らない人間だ。取り立てた才があるわけでもない。美人で気立てが良いわけでもない。ただ、叔父様が偉大すぎるのだ。其のコネで今の仕事にありつけているし、人並の生活もさせてもらっている。恨んではいない。叔父様もすごく優しいから。
でも悲しくて、悲しくて。泣いて泣いて泣き止んでベッドに沈むとけたたましい音が聞こえる。はっきり言って出たくないけど上司からだから出ないわけにはいかない。大谷部長と書かれたディスプレイにため息を吐く





『やれ、出よったか。出ぬと思ったが』
「仕事用の電話ですから。何がありましたか?」
『有ったのは主等よの。…何があった?』
「プライベートの事ですから。明日からは普通に致しますのでご安心を』
『ぬ…其のような事を聞いているのではない』
「仕事でなければ失礼致します」
『やれ、待たれよ!主は三成の何が気に食わぬ?!』
「何故、プライベートの事を部長に言わないといけないのですか?」
『そう言うな。我とて、三成の友として聞いておるだけよ』
「部長の至極プライベートな話を仕事に持ってこないでください。プライベート用の番号を知っている方の言うセリフではありませんよ」
『其れは、主がな出ないと思ってだ。…許しゃれ苦肉の策よ』
「貴方ほど仕事のできる方のセリフとは思えません。失礼します」
『答えは?』
「お答えできません』





そう言って電話を切る。またかかってくるだろうかと思いつつもあの人の性格上あり得ない話だ。にしても情報の早い。このままでは叔父様や半兵衛さんの耳には入っているだろうなという事実に嫌気がさす。三成さん…いや石田部長の事はきっちり忘れないといけない。…そうだ。寝てしまおう!そう考えてベッドに入るのに一睡もできなかった。







「おはよー」
「おはよう。鶴ちゃん」
「酷い顔ですよ?!如何したんですか?」
「昨日寝れなくて…あ、さやかさんもおはよう」
「…大丈夫か?」
「はい。昼休みに沈没してたら起こしてくださいね」
「其れは良いが…何かあったのか?」
「喧嘩でもしました?」
「あー…うん。別れましょうって言いました」
「「は?」」
「あ!あちらが悪いわけではなくて私が子供のせいですよ。だから」
「いい。それ以上は聞かないが…大丈夫か?」
「はい。」
「何かあったら言ってくださいね!今日は私たちがサポートしますから」
「ありがとう」





そう言って更衣室を出ると色々な人に顔色が悪いと言われて部屋に着く。大谷部長は凄い顔をして私を見るが取り敢えず笑顔でおはようございますを言う。後でと言うセリフは聞かないふりをした。







振られる三成






「…沈没してるな」
「タイマー用意してたから。可哀想」
「仕方ない。私達には如何もできんよ」
「にしても、ん!?あの人!!!」
「鶴。怒るな仕事の用だろう?にしてもあちらも凄い顔だ」
「…何だ?」
「いえ」
「何でもないですよーだ」
「っち!」
「やれ三成。これも頼みよるわ」
「ああ」
「にしても…」
「今は仕事中だ」
「ぬ…」
「では失礼する」
「…」
「馬鹿だな。」
「やれ言うな。馬鹿は前からよ」
「何がですか!ちらっと見ただけで!!!肩になんかかけてあげれば良いのに」
「其のようなことが出来たら苦労はせんよ」
「其れにあれは恋慕の視線だな。だから馬鹿なんだ」

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