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変換なしの雑食夢

ran

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金茶

「ヌシの初陣の頃、よく笑う女童がいたのを覚えているか?」
「…?」
「何時もニコニコ笑っておってなぁ。良く道場横の楠にやって来ていた」
「ああ!あの姦しい童か。道場横で小鳥を呼んでは歌を歌っていた」
「其れが奥よ」
「…は?」
「あれが奥よ」
「…」
「煩いと小突き、姦しいと殴り。鳥に至っては稽古の邪魔と斬り伏せ。弱いお前が豊臣に居る理由を言えと恐喝し」
「刑部」
「その内笑わなくなった女童が局に移動して。裳着の後美しい女になっただけよな。」
「もう良い」
「確か裳着の儀も散々暴言を吐いていた。当然奥は聞き及んでおられるか。いつ懸想したかは知らぬがな」
「…」
「我もヌシの気持ちがわかった折よりは特にだが…ヌシの言を訂正していたが…ヌシの一味になってしまった。」
「私はどうすれば良い?」
「知らぬ。此処まで拗れてしまったら我とて知らぬ」
「…」
「やれどこに行く?」
「奥の元へ。会えぬとも良い。」
「左様か」





花を見てため息をつく。花と安直に考えていたが確か…手折るのを嫌っておられた。食べ物も好みがわからない。衣装も。





「奥方様」
「はい」
「起きられて大丈夫ですか?」
「いえ、だって」
「…あら」
「殿が、さきほど、から。右を左をされ、て」
「奥方様、笑い過ぎで御座います」
「だって、云々唸りながら庭に入ってこられて。やれ花では無い。甘味でも無いと。念仏の様に」
「其れはまた禍々しい念仏です事。殿」
「…?何故貴様が此処、に?!」
「此処は離れで御座いますゆえ。私がいてもおかしく有りますまい」
「奥?!いや、すまない。考え事をしていてだな、わざとでは無い」
「いえ…」
「すぐに…」
「殿?」
「いや、」
「?」
「久方振りに貴方の笑った顔を見る」
「あ…松」
「っそう隠さなくて良い。すまない。勝手に入ってきてしまった。」
「い、え」
「それと」
「はい?」
「私は貴方のその微笑みを見るのがとても、好きでした」
「…え?」
「ただ、それだけです。失礼いたします」







急いでその場を立ち去ると刑部がいて驚く。どうしたと尋ねれば笑うだけ笑って不器用よなと言われてしまう。



いつからかはわからない。ただ漠然と好きになったわけでも無い。




「これを弱さとおっしゃるのか」
「さてなぁ。だがヌシがまともに奥を愛したのなら…弱さ以外の何かを知りうるかもしれぬなぁ。」
「?」







金茶








「やれ、三成。」
「なんだ?」
「そう唸った頃で何も出来ぬ。」
「しかし」
「薬も医師も用意できる最良を用意した。傷も良くなってきて、床からも上がれる様になってきた。」
「何か奥が喜ぶ様なものは」
「女の好むものか…」
「甘味は」
「日々用意せよと言ったのを忘れたか」
「小動物は」
「ヌシのせいよな」
「花も手折るのを厭われる…刑部!」
「難題よな。なんだい。そうよな。手紙を再開してはどうか」
「だが」
「直接聞くにはそれしかあるまい」
「…」
「返事が来ねばまた考える。」
「わかった」

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