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変換なしの雑食夢

ran

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2

「内侍?ぬしがか」
「ご安心を。別段京都に帰るも殿下の側女になるわけではありませんから。」
「当たり前だ!貴様の様なじゃじゃ馬!」
「失礼だなぁ。でも懐かしい」
「…しかし、なぜぬしが?」
「女子の抑止力みたいです。ああ。恐ろしい。化粧の下のドス黒さは内教坊にいた折嫌という程知りましたのに。別棟様に至っては無理だから辞退したほうがいいという有様。内侍は中宮の地位。私みたいなのには荷が重いのだがそうも言っておれんでしょ?」
「だがのう」
「どうにかなるかな?まぁこっちに帰って来られたし。2人に会えるからそれだけでも嬉しいなぁ」
「そうか」
「そうだよ。」


そう言ってお茶を飲む。此処は刑部殿の私室だからとても静かだ。いい気持ちだなと外を見ていると菓子を置いてくれる。ありがたいと言って笑うとぬしは笑う方が良いと言われる。刑部殿は優しい。治部殿も。あいも変わらず優しいなぁと言えば金吾の前で言ってくれと癖のある笑み付きで言われる。多分玩具にしているのだろう。可哀想にと合掌するものの私の中の2人はやはり優しいのだ。




「剣はどうなった」
「さて。治部殿程とはいかないけどね。役立たずにはならないようにします」
「やれ、ぬしは相も変わらず戦場に立つか?花の顔をわざわざ血に染めることはあるまいに」
「此れでも武家の棟梁だから。心配してくれてありがとう。刑部殿も、治部殿の制御ご苦労様です」
「おい!どういう意味だ」
「治部殿は自分の体を大事にしてくれということです。ああ。竹中様もそう言ってましたよ。刑部殿だけでは大変だろうから私の補佐に着くようにと」
「何?!」
「やれ。それは本当か?」
「え?嫌ですか???」
「そういうわけではない!半兵衛様が!!!」
「ああ。そっち?」
「我は違う…」




お守りが増えたと言われて納得する。そりゃそうねと言って菓子を食べると本当に美味しくて刑部殿の顔を見る。するとしたり顔でひひひと笑うものだから刑部殿の知っている中で一番美味しい菓子なのだろう。
美味しいと破顔するとはて、なんのことかと惚けるあたりやはり刑部殿だ。ちらりと治部殿を見ると無表情だ。こんなに美味しいのにと言えば凄い難しい顔をされてしまった。




「相も変わらずよ」
「だから細いんですよ」
「そういえば」
「?」
「三成となった」
「そういえば治部殿とだけ聞き及んでいた!刑部殿も?」
「紀之介のままではあまりにもなぁ。我は吉継となった」
「元服かぁ。佐吉殿と紀之介殿がいなくなってしまったのですね」
「貴様は?」
「私は…」
「やれ、裳着の儀を終えぬと名をつけられんと言っておったな。」
「有耶無耶になってしまって」
「「は?」」
「もう面倒だから通称で行けと父上が。どうせ内侍殿でいくだろうしと。幾分良い加減な父で、子に対する愛着があるのかないのか」
「…ぬしも哀れよな」
「ふふふ。致し方ない。だから私は好きに呼んでくれ。」
「そうよの。如何いたす。三成。」
「内侍は言いにくい。」
「ひどい言い方だなぁ」
「饅頭にでもしろ。よく食うだろ?」
「…」
「やれ怒るな。逆に美しい名をつけたらつけたで恐ろしいわ」
「!それもそうだ!」
「そうよな。ふむ。今は内侍でよかろ」
「?」
「結婚したらつけてもらえ」
「…」
「出来るのか?」
「わからない。…刑部殿の馬鹿」
「ひひひ」







はなのかんばせ









「内侍殿」
「竹中様」
「久し振りの大阪はどうだい?」
「懐かしくて涙が出そうです」
「そうかい。なら、」
「?」
「君の都仕込みの舞を見せてもらいたいんだけど」
「…はぁ」
「ではよろしく頼むよ。」







というわけで納曽利を舞って控えている。些か疲れたなぁとぐたりとしていると刑部殿の声がする。




「やれ、疲れたか?」
「帰ってきてすぐに踊らされるとは…流石は豊臣」
「ひひひ」
「明日は箏だし。私、何のために遊学したのか」
「あれ、拗ねるな拗ねるな」
「…」
「にしても薄化粧よな」
「女舞だから」
「そういうものか」
「うん」
「もっとひらひらしたものが良いなぁ」
「蝶みたいに?」
「ん」
「今度踊ってあげる」
「左様か」
「うん」
「内侍殿」
「何?」
「美しくならしゃれた」
「は?」
「では…何用か?輿を引っ張るでないわ」
「少し膝貸して?」
「かわいい顔で空恐ろしいことをいう」
「なら、手で良いから」
「?」
「少し眠たいの」
「ひひひ。童のようよの」

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