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変換なしの雑食夢

ran

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さよならさんかく

絶賛禁欲中だ。ただいま私は禁吉継なのだ。
吉継こと大谷吉継とは婚約者でもなければ婚姻関係があるわけでもない。ただひたすら同胞なのだ。吉継は腹心として三成を支えているのと同様、私は半兵衛様のお目付役として石田軍の手足となって過ごしている。曰く、同期で三成をいなせるのは私だけらしい。吉継は追随してしまうから君がいい抑止力になってくれたまえと半兵衛様に素敵な笑顔で言われたのが忘れられない。あの時本当に困ってたもんなぁ…。


それはさておき三成とはそれなりに仲良くしている。現在眼前にいるのは三成だし。仕事をしてそれを手伝っているのも日常だ。ただ、ここに吉継はいない。



私たちの関係を大人の煤けた関係としている吉継は平時私を避けるまたは嫌う。そりゃそうだな。私が一方的に盛って抱かれているのだから。そういう関係になって数年。吉継からは求められたことどころか仕事以外で話しかけられたこともない。いつも私からだ。
それでも。私は吉継が好きだ。大好きだ。それを知っている三成からはいささかうざったくされるものの吉継の好きなところなら朝から次の日の昼くらいまではぶっ通しで語れる。自信がある!あっちは逆みたいだけど。





「おい」
「ん?」
「ひどい顔をしている。」
「そう?」
「…何かあったか?」
「三成はさ」
「?」
「お花ちゃん(三成妻)に抱いてって言われたらどうする?」
「…覚悟してもらう」
「だしょ!」
「だ、しょ?」
「普通そうじゃん!好きならそうよ!絶対に!」
「どうした?」
「時間とか回数とか内容とかじゃないけどさ!もう、なんていうの!ムラムラ?そう!ムラムラするでしょ!」
「ああ」
「三成、素直!お花ちゃん、羨ましいぃぃぃ!!!」
「貴様は刑部がいるだろう」
「煤けた関係だもん」
「…は?」
「ずっとこっちから盛っててさぁ。もう。盛りのついた猫の如く?」
「否定は出来ん」
「痴女宜しく頑張ってたわけよ。私吉継好きだし」
「知ってる」
「でも吉継はそうではないでしょ?」
「…?」
「好きなら盛るだろ!私のことドン引きで見て最終的に仕方がないって!仕方がないってため息つく?」
「つかんな…やはり貴様の一方的なものか」
「半兵衛様にあんまり押せ押せだと男みたいで怖いって言われる始末だし。苦情あったって言われたし」
「こういう話をしている最中は貴様は男にしか見えんな」
「もー…苦情まで言われてんだよ?私に言ったところで無駄なの知ってっから。上役に」
「さすが刑部だな。」
「仕事できすぎ!好き!」
「結局そこに戻るか」




でもさぁといって文机に伏せる。いつもと違う私を見て三成はギョッとしたらしく変な声が上がった。
いつもならここで吉継に突撃すんだけどもね。そういうわけには行かなくなったのさ。




「どうした?」
「三成さん」
「?!」
「そんな顔しないでよ」
「天変地異の前触れか?!」
「ひで!まぁそんなもんかも」
「本当にどうした?」
「私の机のさ。上にある箱にお花ちゃん宛ての贈り物があるから」
「お花にか?」
「ずっと前に頼まれてたの。私、半兵衛様にこの後呼び出されてて。今日帰るときに持って帰って」
「ここにもってこい」
「面倒。忘れたら思い出したらでいいから」
「わかった」
「なら行ってくる」
「おい」
「?」
「大丈夫か?」
「ふふふ」
「笑うな」
「変な三成。」
「うるさい」
「元気でね」






ばたりと閉めた障子。もう二度と触れることはないのだろうな








さよならさんかく

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