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変換なしの雑食夢

ran

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8

額にそっと手を置くと熱が高い。本格的に拗らせてしまいましたぞという老医師の言葉を思い出す。まだ、10歳ですぞと付け加えて。但し、天賦の才か剣技でこの者に勝てた事がない。私だけではなく他の男どももだ。聡く武に秀でているのに、戦場を駆けない。外交も何もせずおろおろとするこれを見ていると無性に腹立たしかったのだ。
だがと思案して手を退ける。役に立たないのだろうか?否、今はまだその時ではないのではないのだろうか?幾ら半兵衛様が初陣を勧めても秀吉様は是としない理由はなんなのだろうか?

いつも打ち負かした相手を悲しそうに見る目と労りのそれが答えではないのだろうか

喧しい咳と共に体が跳ねる。苦しいのか体を丸めて咳をするので思わず、背中を撫でる。




「苦しいか?」
「兄、違う!」
「なっ?!」
「すいません!間違えました。ごめんなさい」
「お、おい!」




身を強張らせて布団の端に逃げると案の定、咳き込んで再び蹲る。空に浮いた手を握り駆け寄ると小さな声で詫び続けているのだから居た堪れない。静かに怒っていないと言って背中をさする。汗がじとりと湿っている。水を飲めと無理やり湯呑みを突き出すと少しだけ含む。否、含むふりをするので飲めと釘をさす



「熱が下がらんぞ。」
「はい」
「声も酷い」
「…!」
「喋るなという意味ではない。痛いだろう」
「あの、石田様」
「何だ」
「うつってしまいます」
「だろうな」
「明日の執務も」
「心配するな」
「私は」
「大丈夫と言った有様がこれだ。自覚しろ。何処も。何も。大丈夫ではない」
「…」
「寝れるか?」
「はい」
「横になれ」
「はっごほごほごほ!」
「落ち着け」
「本当に」
「ん?」
「うつってしまいます」
「心配ない。」

ですが、といのを無視して額に手を当てる。苦しいかと言えばまん丸の目をより大きくしてこちらを見るからおもわず笑ってしまう。



「頬の痣。まだ取れんな」
「は、い」
「刑部によく言われる」
「?」
「私は短気だと」
「…」
「何だその顔は?」
「清廉潔白なのだと思っておりました」
「は?」
「いえ」
「…そうか」
「?」
「すまなかった」
「石田様?」
「私の短慮の所為で傷付け、拗らせてしまった」
「いえ!それは」
「許してほしい」
「…ぐすん」
「泣くな。咳き込む」
「嫌われているのかと」
「嫌っていた」
「?!」
「10にしかならん女に何一つ勝てない自分を嫌っていたんだと気がついた。貴様を嫌っているわけではない」
「…ぐすん」
「泣くな。何故なく。咳き込…言わん事はない。水を飲め」
「嬉しい、です」
「そうか」
「私はいてもいいですか?」
「家に帰される事はない。秀吉様がそうおっしゃっていた。だから安心しろ」
「はい」
「もし何かしてくるものがあれば私に言え。殲滅してやる。」
「はい」
「早く大きくなれ。心さえ成長すれば貴様は後継者に足る人材だ。」
「…」
「それまでは私が守ってやる」
「…石田様」
「何だ」
「大好き」
「は?」
「ありがとうございます。」
「早く寝ろ。拒否は許さん。子供はとっとと寝て早く治せ。いいな」
「はい」





からんころん 番外編






「やれ、三成」
「何だ?」
「ヒヒヒ。可愛らしいモノが膝で寝ているが?」
「これを持ってきたので、菓子をくれてやったら寝てしまった。」
「花輪?そちに渡すには可愛らしいなぁ」
「頭に乗せられた。寝てしまったから退けたが…」
「…」
「如何にかして長持ちさせないと泣いてしまうがいい案はないか?…聞いているのか刑部」
「左様か。調べておく」
「頼んだぞ。ん?」
「石田様。姫様…ああ。いらっしゃいましたか」
「何だ貴様!」
「新しく、姫様の教育係となりましたさよでございます。こんなところで寝てしまっては執務の邪魔になりましょう。ささ。お部屋に」
「貴様!誰の許で姫様に触れる!?そこになおれ!!!殲滅してくれる」
「大谷様」
「やれ、三成。」
「止めるな刑部」
「書類を書くのも邪魔であろう」
「ああ」
「移動するときはどうする気だ?」
「抱き上げて移動している」
「「…」」
「どうした?」
「いや、何。」
「…起きたら迎えにまいります」
「それがいい。そういたせ」
「はい」
「ん…」
「姫様?!」
(射殺すように侍女を見るでない。五月蝿いのはそなたと言いたいが)
「みつなりさま」
「…起きるか?」
「さむいです」
「そんな格好で寝るからだ。これを着ていろ」
「むらさき」
「もう少し寝ていろ。」
「はい。」
「…ん?」
「ふふふ。みつなりさまだぁ」
「…」
「やれ。まだ童。手を出すでないぞ」
「当たり前だ!」

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